CES 特別講演で新しい GeForce RTX GPU、超高効率のノートPC、Omniverse の新たな機能などを紹介
今週ラスベガスで開催されている CES に先立ち、NVIDIAはパワフルな新しい GeForce RTX GPU、新世代の超高効率なノートPC、Omniverse の新たな機能、および自動車業界におけるさまざまなパートナーシップなど、ニュース満載の特別講演をお届けしました。
プレゼンテーションの冒頭で、NVIDIA のゲーミング製品担当シニア バイス プレジデントであるジェフ フィッシャー (Jeff Fisher) は、「AI はコンピューティングの未来を定義するものであり、私たちが今日発表する内容に多大な影響を与えています」と述べました。
フィッシャーは NVIDIA のリーダー数名と共に、ゲーミングやコンテンツ制作、ロボティクス、そして次世代の自動車などの分野にわたる新たな製品やパートナーシップを紹介しました。
主要なニュースは以下となります:
- GeForce RTX 40 シリーズ ノートPCを発表、ゲーマーやデザイナー向けの 170 以上のノートPCがパフォーマンスと電力効率においてNVIDIA史上最大の世代の飛躍を実現
- GeForce RTX 40 シリーズ Studio ノートPCがクリエイター、ゲーマー、デザイナーに新しいパワーと効率をもたらす
- NVIDIA、RTX 3090 Ti より高速な GeForce RTX 4070 Ti グラフィックス カードを発表、NVIDIA Ada アーキテクチャのパワーと効率を 799ドルで提供
- リリース済みゲーム、および今後リリースされるゲームの計50タイトルがDLSS 3 に対応
- 現代自動車グループ、BYD、Polestar が自動車に GeForce NOW を採用
- Foxconn が NVIDIA と提携し自動運転の電気自動車を構築、世界の自動車市場向けに NVIDIA DRIVE Orin コンピューターを製造
- メルセデス・ベンツが NVIDIA Omniverse を活用し、デジタル ファーストのアプローチで次世代の工場を構築
- NVIDIA Omniverse Enterprise のメジャー アップデートにより、強化されたパフォーマンスと新しい展開オプションを提供
- NVIDIA、3D と RTX Remix 向けのジェネレーティブ AI で Omniverse のポータルを開く。AI アバター開発のための Omniverse ACE が早期アクセスで利用可能に
- NVIDIA Isaac Sim にロボティクス開発用の次世代シミュレーション ツールが登場
GeForce RTX 40 シリーズ ノートPC、RTX 4070 Ti グラフィックス カード、そしてDLSS 3 対応ゲームが登場
フィッシャーは、NVIDIA GeForce RTX 40 シリーズ Laptop GPU のパフォーマンスと電力効率は、2 月に 999 ドルから販売される 14 インチのゲーミング ノート PC やクリエイター ノート PCなどにおいて、NVIDIA 史上最大の世代間飛躍を実現すると述べました。
デスクトップ向けの新しい GeForce RTX 4070 Ti グラフィックス カードは、前世代の RTX 3090 Ti よりも高速ながら、消費電力はほぼ半分です。NVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャをわずか 799 ドルに引き下げ、1 月 5 日から入手可能になります。
また、DLSS 3 は、これまでのどの NVIDIA テクノロジよりも早く開発者に採用されており、『Witchfire』、『The Day Before』、『Warhaven』、『THRONE AND LIBERTY』、『Atomic Heart』など、リリース済みタイトルおよび今後リリース予定のタイトルを含む、計 50 のタイトルでサポートされます。
フィッシャーによると、NVIDIA RTX の機運は高まり続けています。「コンテンツ制作は、写真やビデオを超えて、3D シネマティック グラフィックスと現実世界に忠実な物理でレンダリングされた仮想世界へと成長しました」と言います。「RTX プラットフォームがこの成長を後押ししているのです」
レイトレーシングと AI は次世代のコンテンツを定義しています。NVIDIA Studio は、この新たな世代のコンテンツ クリエイターのためのプラットフォームです。Studio の心臓部は NVIDIA Omniverse にあり、クリエイターは高速化されたアプリを接続してリアルタイムでコラボレーションできます。
NVIDIA のコンシューマー マーケティング担当バイス プレジデントであるステファニー ジョンソン (Stephanie Johnson) は、AI の力を活用するジェネレーティブ AI ツールと実験的なプラグインの新たなスイートを紹介
NVIDIA RTX で構築された Omniverse は、3D アーティストが Adobe、Autodesk、SideFX、Unreal Engine などのお気に入りのツールを接続できるようにするプラットフォームです。NVIDIA のコンシューマー マーケティング担当バイス プレジデントであるステファニー ジョンソン (Stephanie Johnson) は、Omniverse にUnity 用の新しい Connector が導入されることを発表しました。
ジョンソンは、AI の力を究極のクリエイティブ アシスタントとして使用する、一連の新しいジェネレーティブ AI ツールと実験的なプラグインを紹介しました。Audio2Face と Audio2Gesture は、音声ファイルからアニメーションを生成します。NVIDIA Research による AI ToyBoxにより、ユーザーは 2D 入力から 3D メッシュを生成できます。
企業は、ジェネレーティブ AI テクノロジを使用して、Omniverse コネクタと拡張機能を構築しています。 たとえば、Move.AI の Omniverse 拡張機能は、ビデオからアニメーションへの変換を可能にします。Lumirithmic は、顔のスキャンから頭部の 3D メッシュを生成します。また、Elevate3D は、360 度のビデオ録画から製品の写真のようにリアルな 3D ビジュアライゼーションを生成します。
ジョンソンはまた、Omniverse 上に構築され、「クラシック ゲームの MOD を作成する最も簡単な方法」である NVIDIA RTX Remix がもうすぐ早期アクセスでリリースが開始されることを発表しました。「MOD コミュニティは Remix を待ちわびています」と彼女は述べています。
NVIDIA Isaac Sim がインテリジェント ロボット開発用の、大幅に改善された機能とツールを提供
NVIDIA の組み込みおよびエッジ コンピューティング担当バイス プレジデントであるディープゥ タッラ (Deepu Talla) は、ロボティクス プロジェクトのライフサイクルにおいてシミュレーションが重要な役割を果たしていると説明しています。パートナー企業は NVIDIA Isaac Sim を使用して、インテリジェント ロボットのトレーニングと展開を加速するデジタル ツインを作成しています。
NVIDIA の組み込みおよびエッジ コンピューティング担当バイス プレジデントである ディープゥ タッラ (Deepu Talla) は、NVIDIA のロボティクス シミュレーション アプリケーションおよび合成データ生成ツールである Isaac Sim の最新のリリースを発表
ロボティクス エコシステムが次世代の自律型ロボットを開発する方法を変革すべく、タッラは Isaac Sim の最新リリースのメジャー アップデートを発表しました。これには、実世界のパフォーマンスをより正確にモデル化するための改善されたセンサーと LiDAR のサポート、コンベア ベルトを構築するための新たなツール、シミュレーション環境にデジタル ヒューマンを追加するための新しい機能、シミュレーション対応の新たな倉庫アセットのコレクション、よく使われるロボットの事前統合などが含まれます。
オープンソース ROS 開発者コミュニティのために、このリリースは ROS 2 Humble と Windows のサポートも追加されました。 また、ロボティクスの研究者向けに、NVIDIA はマニピュレーター ロボットの動作環境を提供する Isaac ORBITと呼ばれる新しいツールを導入します。また、強化学習用の Isaac Gym を改良し、協働ロボット プログラミング向けに Isaac Cortex をアップデートしました。
「NVIDIA はロボティクスの進歩に注力しており、世界中で最も多くの投資をしている企業の一つでしょう」とタッラは言います。「私たちは、実世界に展開されているすべての物理ロボットに対して、1000 倍から 100 万倍の数の仮想ロボットを実現する道を順調に進んでいるのです」
メルセデス・ベンツがデジタル ツインを開発、Foxconn は NVIDIA DRIVE で EV を構築。GeForce NOW が車にストリーミング
NVIDIA DRIVE プラットフォームはオープンでプログラミングが簡単です、と NVIDIA のオートモーティブ担当バイス プレジデントであるアリ カニ (Ali Kani) は述べています。
現在、自動車エコシステム全体の数百のパートナーが NVIDIA DRIVE でソフトウェアを開発しています。その中には、新エネルギー車を製造している上位 30 社のメーカーのうち 20 社、業界の主要なティア 1 メーカーおよびソフトウェア メーカー、さらにトラック運送会社およびロボタクシー会社の上位 10 社のうちの 8 社が含まれます。
パートナーの数は増え続けています。基調講演ではカニが、世界最大のテクノロジ メーカーおよびサービス プロバイダーである Foxconn とのパートナーシップを発表しました。同社は NVIDIA DRIVE Hyperion を活用した電気自動車を構築する予定です。
NVIDIA のオートモーティブ担当バイス プレジデントであるアリ カニ (Ali Kani)は、Foxconn とのパートナーシップを発表したほか、GeForce NOW が「あなたの車のスクリーンにも登場する」こと、そしてメルセデス・ベンツが NVIDIA のデジタル ツイン テクノロジを活用し、より効率的な工場の計画プロセスを構築していることを発表。
「Hyperion の採用により、Foxconn は市場投入までの時間を短縮しながら、最先端の AV 技術だけでなく、先進的な電気航続距離を備えた車両を製造します」とカニは述べています。
カニは、次世代の自動車が自律化、電動化されるにつれて、インテリアがいかにモバイル リビング スペースに変革し、自宅で利用できるのと同じエンターテイメントが完備されるかについて触れました。GeForce NOW は「あなたの車のスクリーンにも登場するでしょう」とカニは言います。
カニはまた、現代自動車グループ、BYD、Polestar など、DRIVE パートナー数社が車両に GeForce NOW を統合することも発表しました。
ゲーマーが車内で仮想世界を楽しむことができるようになる一方で、新しい自動運転車の開発とテストにはメタバースなどのツールが不可欠になっています。
カニは、メルセデス・ベンツがデジタル ツイン テクノロジを活用して、より効率的な工場の計画プロセスを構築していると発表しました。「自動車市場における Omniverse の活用には驚かされるばかりです」とカニは語ります。