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メタバースとは?

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NVIDIA Omniverse により、はじめてメタバース内で実作業を行うことが可能に

メタバースとは何でしょうか?メタバースは、インタラクティブかつ没入型で、コラボレーション可能な、3Dの仮想共有世界です。

物理的な宇宙が空間でつながった世界の集まりであるように、メタバースも世界の束と考えることができます。

バトル ロワイヤルの大作『フォートナイト』や、ユーザーが『Minecraft』や『Roblox』などで作成した仮想世界のように、大規模なオンライン ソーシャル ゲームにはメタバースのアイデアの要素が一部反映されています。

世界がパンデミックに見舞われる中で遠く離れた同僚をつなぐビデオ カンファレンス ツールは、今後のヒントの 1 つとなります。

しかし、Neal Stephenson の 1992 年の名作『スノウ クラッシュ』が描いたビジョンは、どんなゲームやビデオ カンファレンス アプリをもはるかに超えています。

メタバースは、デジタルでもリアルでも、アプリや場所に縛られないプラットフォームになる、と NVIDIA のシミュレーション テクノロジ担当バイス プレジデントであるレヴ レバレディアン (Rev Lebaredian) は説明します。

そして、バーチャルな場所が永続するのと同じように、その間を移動するオブジェクトやアイデンティティも永続的となるため、デジタル商品やアイデンティティは、拡張現実によってある仮想世界から別の仮想世界へ、さらには私たちの世界へ移動できるようになります。

メタバースは、物理的であれデジタルであれ、場所に縛られないプラットフォームになります。

「究極的には、現実の世界と同じくらい豊かな別の現実、別の世界を創造するということなのです」とレバレディアンは言います。

このようなアイデアは、NVIDIA Omniverse にすでに取り入れられています。NVIDIA Omniverse は、簡単に言えば、さまざまな3D 空間を共有仮想世界につなげるプラットフォームです。

Omniverse を利用する業界は増えてきており、設計コラボレーションや「デジタル ツイン」の構築、現実世界の建物や工場のシミュレーションなどのプロジェクトで利用されています。

BMW Group は NVIDIA Omniverse を利用して、完全にデジタルで設計され NVIDIA Omniverse で最初から最後までシミュレートされた、完璧な「デジタル ツイン」の未来の工場を作り上げています。

NVIDIA Omniverse がメタバース内で世界を構築し、つなげる方法

では、Omniverse はどのような仕組みなのでしょうか? 大まかに 3 つに分けて説明します。

NVIDIA Omniverse は、Pixar が開発した Universal Scene Description インターチェンジ フレームワークと、物理、マテリアル、およびリアルタイム パス トレーシングをモデル化するためのテクノロジを融合させます。

1 つ目は Omniverse Nucleus です。これは、ユーザー同士をつなぎ、3D のアセットおよびシーンの説明の交換を可能にするデータベース エンジンです。

モデリング、レイアウト、シェーディング、アニメーション、照明、特殊効果、レンダリングを行うデザイナー同士がつながることで、共同でシーンを作成できます。

Omniverse Nucleus は、2012 年に Pixar が開発したインターチェンジ フレームワークである USD (Universal Scene Description) を軸としています。

2016 年にオープンソース ソフトウェアとしてリリースされた USD は、増加を続ける業界やアプリケーションに対応できるよう、3D データを定義、パッケージ化、アセンブル、編集できる、語彙に富んだ共通言語を提供します。

新興分野であるメタバースにとっての USD は、Web にとってハイパーテキスト マークアップ ランゲージ (HTML) が果たした役割と同様である、とレバレディアンなどは言います。つまり USD は、メタバースをサポートするために使用でき、発展していく共通言語なのです。

複数のユーザーが Nucleus に接続し、USD の断片として自分の世界に加えた変更を送受信できます。

Omniverse の 2 つ目の要素は、構成、レンダリング、およびアニメーションのエンジン、つまり仮想世界のシミュレーションです。

Omniverse 上の NVIDIA DRIVE Sim での仮想世界のシミュレーション

Omniverse は、物理ベースになるようにゼロから構築されたプラットフォームです。NVIDIA RTX グラフィックス テクノロジにより完全にパス トレースされ、光線のひとつひとつが仮想世界で跳ね返る様子をリアルタイムでシミュレーションします。

Omniverse は、NVIDIA PhysX によって物理的なシミュレーションを行い、NVIDIA MDL (material definition language= マテリアル定義言語) によってマテリアルをシミュレーションします。

NVIDIA Omniverse で構築した『Marbles at Night』は、レイ トレーシングによる動的な照明と 1 億を超えるポリゴンで作成された物理ベースのデモです。

また、Omniverse は NVIDIA AI と完全に統合されています (NVIDIA AI はロボティクスを活用するための鍵です。これについては後ほど詳しく説明します)。

Omniverse はクラウド ネイティブであり、複数の GPU にわたって拡張し、任意の RTX プラットフォームで実行され、任意のデバイスにリモートでストリーミングします。

3 つ目の要素は NVIDIA CloudXR です。CloudXR には OpenVR アプリケーションから Android や Windows のデバイスに拡張現実コンテンツをストリーミングし、ユーザーが Omniverse に出入りできるようにする、クライアントおよびサーバー ソフトウェアが搭載されています。

NVIDIA Omniverse により、現実と仮想現実の融合が期待されます。

ユーザーは仮想現実で Omniverse にテレポートでき、AI は拡張現実で Omniverse からテレポートできます。

メタバースが現実のものに

NVIDIA は12 月にOmniverse オープン ベータ版をリリースし、4 月に NVIDIA Omniverse Enterprise をリリースしました。さまざまな業界のプロフェッショナルがリリース直後から利用を始めています。

Apple の本社やロンドンの有名な 30 St Mary Axe オフィス タワー (通称「ガーキン」) をデザインした設計建築会社のレジェンド、Foster + Partners では、世界 14 か国の設計者が Omniverse の共有仮想空間に共同でビルを構築しています。

視覚効果のパイオニアである Industrial Light & Magic ではOmniverse を検証し、複数のスタジオが提供する内部および外部ツールのパイプラインをまとめています。Omniverse を利用することで、コラボレーション、リアルタイムでの最終ショットのレンダリング、ホロデッキのような大規模なバーチャル セットの構築が可能になります。

多国籍ネットワークおよび電気通信を扱う企業である Ericsson は、Omniverse を使用して 5G 電波の伝わり方をリアルタイムでシミュレーションし、過密な都市環境でのマルチパス干渉を最小限に抑えています。

Ericsson は、Omniverse を使用して、過密な都市環境における 5G 電波の伝わり方をリアルタイムでシミュレーションします。

インフラストラクチャ エンジニアリング ソフトウェア会社の Bentley Systems は、Omniverse を使用してプラットフォーム上でアプリケーション スイートの開発を進めています。Bentley iTwin プラットフォームは、4D のインフラ デジタル ツインを作成してインフラストラクチャ アセットの構造物をシミュレーションし、ライフサイクル全体を通してパフォーマンスを監視および最適化します。

メタバースが人間とロボットのコラボレーションを支援

このような仮想世界は、ロボットのトレーニングに最適です。

NVIDIA Omniverse の大きな特徴の 1 つに、物理法則に従うという点があります。Omniverse は、粒子や流体、マテリアル、さらには機械まで、もっと言えばスプリングやケーブルに至るまでシミュレートできます。

自然界の仮想世界でのモデル化は、ロボティクスの基本的な機能です。

ユーザーはこのモデル化により、実際の環境やデジタル環境から学習できる AIの頭脳を搭載したロボットがトレーニングできる仮想世界を創作できます。

これらのロボットの知性を Omniverse でトレーニングした後、ロボティクスの研究者はロボットの頭脳を NVIDIA Jetson に搭載した上で、それを実際のロボットにつなぎます。

こうして出来上がったロボットは、運搬作業車、ピック アンド プレイスのアーム、フォークリフト、自動車、トラック、さらにはビルなど、あらゆるサイズと形状で提供されます。

将来的には、工場がロボットになります。つまり、工場内で多くのロボットをオーケストレーションし、完成品としてまるでロボットのような自動車を組み立てる工場です。

メタバースと NVIDIA Omniverse がデジタル ツインを実現する方法

NVIDIA Omniverse によって、人々とロボットがさらに効率的に共同作業を行うためにつながり、コラボレーションできるような共有世界を描くことができます。

このアイデアを、自動車メーカーの BMW グループはすでに実行に移しています。

BMW は年間 200 万台以上の自動車を生産しています。同社の最先端の工場では、毎分のペースで車を製造し、生産される車両はそれぞれ異なるカスタマイズがなされています。

BMW Group は NVIDIA Omniverse を利用して、完璧な「デジタル ツイン」である未来の工場を作り上げました。この工場では完全にデジタルで設計され、Omniverse で最初から最後までシミュレートされています。

Omniverse が実現させたこの工場は、エンタープライズのリソース プランニング システムに接続して工場の処理能力をシミュレーションでき、新しいプラント レイアウトもシミュレーションできます。また、工場の従業員がロボットにアップリンクして遠隔操作できるダッシュボードにもなります。

バーチャルな工場を操業する AI やソフトウェアは、物理的な工場を操業するものと同じです。言い換えれば、バーチャルな工場と物理的な工場、およびそこで稼働するロボットはループで動いています。両者はツイン (双子) なのです。

もはや SF ではない

Omniverse は「配管」であり、その上でメタバースが構築されます。

Omniverse は、USD ユニバーサル 3D インターチェンジを備えたオープン プラットフォームであり、メタバースをユーザーの大規模なネットワークへとつなげます。NVIDIA にはすでに、主要な設計ツールにつながる 12 個のOmniverse Connector があり、現在さらに 40 個の追加が予定されています。開発者が自分の Connector を作成できる Omniverse Connector SDK サンプル コードは、今すぐダウンロードできます。

最も重要な設計ツール プラットフォームにもサポートされる予定です。NVIDIA はすでに、メディアおよびエンターテインメント、ゲーム、建築、エンジニアリングおよび建設、製造、通信、インフラストラクチャ、自動車など、世界の主要産業における企業をパートナーとして迎えています。

そして、それを実行に移すために必要なハードウェアは、今ここにあります。

世界中のコンピュータ メーカーが、NVIDIAによって認証されたワークステーション、ノートPC、サーバーを構築しています。これらはすべて検証済みで、最適な性能、信頼性、可用性を備えた GPU アクセラレーテッド ワークロードを稼働させています。そして、今年後半から、Omniverse Enterprise は、NVIDIA パートナー ネットワークからのサブスクリプションを介してエンタープライズ ライセンスで利用できるようになります。

NVIDIA Omniverse を利用すると、チームは同一のプロジェクトで、さまざまな場所からさまざまなツールを使用して、リアルタイムで共同作業を行うことができます。

NVIDIA Omniverse のおかげで、メタバースはもはや SF 世界のものではなくなったのです。

Back to the Future

では、次にどんなことが起こるのでしょうか。

人間は何千年もの間、世界の認識方法を巧みに利用してきた、と NVIDIA のレバレディアンは指摘します。私たちは数千年にわたり感覚を巧みに改造して、音楽、芸術、文学を通じて仮想現実を構築してきました。

次は、双方向性とコラボレーション能力がここに加わる、と彼は言います。さらに優れたスクリーン、Oculus Quest のようなヘッドマウント ディスプレイ、Microsoft Hololens のような複合現実デバイスは、すべて完全な没入感の実現に向けたステップです。

これらはすべて、さらに進化していくでしょう。しかし、一番重要な要素はすでに手元にあります。忠実度の高い仮想世界のシミュレーションをディスプレイに出力する機能、それが NVIDIA Omniverse です。

SF 界の巨匠 William Gibson の一節を借りるならば、「未来はすでにここにあります。ただ均等に行き渡っていないだけです。」

メタバースは、これらのエクスペリエンスをより均等に行き渡らせる手段です。NVIDIA Omniverse によって実現するメタバースが、人間、AI、ロボットを新たな素晴らしい世界で結びつけるでしょう。


Brian Caulfield

Brian Caulfield edits NVIDIA's corporate blog. Previously, he was a journalist with Forbes, Red Herring, and Business 2.0. He has also written for Wired magazine.

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