NVIDIA DRIVE パートナーが CES で最新のモビリティ イノベーションを披露

車載コンピューティングの高速化からクラウドでのトレーニングの強化に至るまで、輸送のイノベーションが本格化
投稿者: Jessica Soares

乗用車、トラック、ロボタクシー、自律型配送システムなどのメーカーも含む世界中の主要な輸送企業は、NVIDIA DRIVE AGX プラットフォームと AI を活用することで、モビリティの未来を形作ろうとしています。

NVIDIA のオートモーティブ事業は、クラウドベースの AI トレーニング、シミュレーション、車載コンピューティングなどを含め、次世代の高度な自動運転車 (AV) の開発技術を幅広く提供しています。

ラスベガスで開催された CES トレードショーで、NVIDIA の顧客やパートナーが、NVIDIA のアクセラレーテッド コンピューティングと AI を搭載した最新のモビリティ イノベーションを披露しました。

NVIDIA Blackwell を基盤とする NVIDIA DRIVE Thor で未来の車両ロードマップに対応

NVIDIA Blackwell アーキテクチャを基盤とする NVIDIA DRIVE AGX Thor システムオンチップ (SoC) は、輸送業界で最も要求の厳しいデータ集約型ワークロード (生成 AI、視覚言語モデル、大規模言語モデルのワークロードを含む) も処理できるように設計されています。

DRIVE エコシステム パートナーが CES トレードショーから業界全体を変革

NVIDIA のパートナーは、最新の開発技術とデモにより、自動車イノベーションの可能性を押し広げています。NVIDIA のテクノロジとアクセラレーテッド コンピューティングの活用を通じ、センサー、シミュレーション、トレーニングから生成 AI やテレドライビングに至るまでのあらゆるものを進化させています。

例えば、1,000 TFLOPS のアクセラレーテッド コンピューティング性能を実現する DRIVE Thor は、自動運転車が周囲の状況を理解してナビゲートするために重要な推論を高速化する機能を備えており、歩行者の認識や悪天候への対応などが可能です。

CES では、Aurora、Continental、そして NVIDIA が、次世代の NVIDIA DRIVE Thor SoC を搭載した無人トラックを大規模に展開するための、長期にわたる戦略的パートナーシップを発表しました。NVIDIA DRIVE Thor と DriveOS は、Continental が 2027 年から量産を計画している SAE レベル 4 の自動運転システム、Aurora Driverに統合される予定です。

NVIDIA の主要なテクノロジ パートナーである Arm は、コンピューティング プラットフォームとして CES でも多数のイノベーションに採用されています。Arm Neoverse V3AE CPU は、自動車の安全性と性能に関する特定の要件を満たすように設計されており、DRIVE Thor と統合されています。これは、Arm の次世代車載 CPU (Arm v9 ベースのテクノロジとデータセンタークラスのシングルスレッド性能を両立) の初の導入事例で、重要な安全性とセキュリティ機能も備えています。

実績と信頼:主流製品での DRIVE Orin の採用が継続

NVIDIA DRIVE AGX Orin は、量産車への数々の採用実績がある先進運転支援システム コンピューターとして、現在も市販の自動車に搭載され続けています。毎秒 254 兆回の高速演算によってセンサー データを処理し、安全運転のためのリアルタイムな判断をサポートします。

世界最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車は、安全認証取得済みの NVIDIA DriveOS を実行する高性能な車載グレードの NVIDIA DRIVE Orin SoC をベースとして、次世代自動車を開発する予定です。これらの自動車は、機能的に安全な先進運転支援機能を提供します。

CES 期間中、Fontainebleau ホテル 4 階の NVIDIA のデモスペースでは、Volvo Cars のソフトウェア デファインドの EX90 と Nuro の自動運転技術である Nuro Driver プラットフォームが展示されました。これらは NVIDIA DRIVE AGX を基盤として構築されています。

CES 期間中は、以下の NVIDIA DRIVE Orin を搭載した車両も展示されました:

  • Zeekr Mix と Zeekr 001: DRIVE Orin を搭載したこれらの車両は、Zeekr が独自開発した初の超高性能インテリジェント運転ドメイン コントローラーとともに展示されました。このコントローラーは、DRIVE Thor と NVIDIA Blackwell アーキテクチャを基盤としています。
  • Lotus Eletre Carbon
  • Dolby 搭載の Rivian R1S と Polestar 3
  • Lucid Air (SoundHound AI と共同出展)
Rivian R1S
Rivian R1S

NVIDIA のパートナーも、NVIDIA のテクノロジを基盤とした以下のような車載ソリューションを披露しました。

  • Arbe: 次世代の超高解像度レーダー技術を提供し、NVIDIA DRIVE AGX と統合することにより、最先端の AI 機能とレーダーを利用する自由空間マッピングに革命をもたらします。この統合により、メーカーはレーダー データを簡単に認識システムに組み込み、安全性の高いアプリケーションや自動運転の向上を実現することが可能になります。
  • Cerence: NVIDIA との提携を通じ、言語モデルの CaLLM ファミリを強化しています。これには DRIVE Orin を搭載したクラウドベースの Cerence Automotive Large Language Model (CaLLM) も含まれます。
  • Foretellix: NVIDIA Omniverse Sensor RTX API を Foretify AV テスト管理プラットフォームに統合することにより、物理的に正確なセンサー シミュレーションでオブジェクトレベルのシミュレーションを強化しています。
  • Imagery: NVIDIA テクノロジにより高速化された、AI ドリブンで HD マップ不要の自動運転ソリューションを構築しています。これらのソリューションは自動運転車や都市バス向けに設計されています。
  • Lenovo Vehicle Computing: CES でプレビューを実施した Lenovo AD1 は、NVIDIA DRIVE Thor プラットフォームを基盤として構築され、SAE レベル 4 の自動運転向けにカスタマイズされた強力な車載グレードのドメイン コントローラーです。
  • Provizio: Provizio の 5D Perception イメージング レーダーは、NVIDIA テクノロジで高速化されており、これまでにない拡張可能な最先端のレーダー認識機能を提供します。CES では、車載デモ走行も行いました。
  • Quanta: DRIVE Orin を搭載した電子制御ユニットで稼働する、NVIDIA DRIVE AGX Hyperion カメラの自社開発のデモを行いました。
  • SoundHound AI: NVIDIA との協力により、音声生成 AI をエッジに直接導入し、クラウドベースの LLM のインテリジェンスを車両に直接提供するソリューションを紹介しました。
  • Vay: Vay の遠隔運転機能と NVIDIA DRIVE の先進 AI および演算能力を組み合わせることで、革新的なドアツードアのモビリティ サービスを提供しています。
  • Zoox: NVIDIA の技術を活用した最新のロボタクシーを紹介しました。このタクシーはラスベガスの路上で自動運転を行い、Zoox のブースに駐車しました。

安全性こそが自動運転イノベーションの道筋

CES で NVIDIA は、DRIVE AGX Hyperion プラットフォームが TÜV SÜD および TÜV Rheinland から安全性認証を取得したことも発表し、自動運転車の安全性とイノベーションの新たな基準を打ち立てました。

安全性対策を強化するため、NVIDIA は、パートナー企業が自動運転車の厳しい安全性およびサイバーセキュリティ要件を満たせるようにサポートする DRIVE AI Systems Inspection Lab も立ち上げました。

さらに、NVIDIA AGX、OVX 上で動作する NVIDIA OmniverseNVIDIA DGX という自動運転車の開発を加速させる 3 つのコンピューターを補完するものとして、NVIDIA は NVIDIA Cosmos プラットフォームを発表しました。Cosmos の世界基盤モデルと高度なデータ処理パイプラインは、生成されたデータを劇的に拡張し、フィジカル AI システムの開発を加速させることができます。このプラットフォームのデータ フライホイール機能を使用すれば、開発者は、現実世界で走行した数千マイル分のデータを、数十億マイル分もの仮想データに効果的に変換することができます。

自動運転車向けフィジカル AI の構築に Cosmos を利用している輸送業界のリーダー企業の例としては、Fortellix、Uber、Waabi、Wayve などが挙げられます。

NVIDIA の創業者/ CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) の CES オープニング基調講演では、NVIDIA の最新のオートモーティブ関連ニュースをご紹介しています。

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