今回のアップグレードには、Omniverse アプリおよびレンダリングやシミュレーションのテクノロジのアップデート、さらにエコシステムの拡大、Omniverse Cloud、および#MadeInMachinima コンテストについて発表が含まれます。
NVIDIA は GTC で、NVIDIA Omniverse のリアルタイム 3D デザイン コラボレーション プラットフォームを利用している何百万ものクリエイターにとって重要なアップデートを発表しました。
GTC では、Omniverse Create、Machinima、Showroom の各アプリのアップデートのほか、View がまもなくリリースされることが発表されました。GeForce RTX および NVIDIA RTX GPUを利用することで、3D クリエイティブ ワークフローが劇的に高速化します。
Omniverse Connections が刷新されてエコシステムがさらに拡大し、Unreal Engine 5 Omniverse Connector と Adobe Substance 3D Material Extension のベータ版が現在提供されています。また、Adobe Substance 3D Painter Omniverse Connector の公開も控えています。
Maxon の Cinema 4D が Universal Scene Description (USD) のサポートを開始します。OmniDrive を介して Cinema 4D のワークフローを利用できるようになり、Omniverse エコシステムとの統合がさらに進展し、柔軟性がもたらされます。
Hydra レンダー デリゲート機能を使用して、アーティストは Pixar HDStorm、Chaos V-Ray、Maxon Redshift、および OTOY Octane Hydra のレンダー デリゲートをすべての Omniverse アプリのビューポートで利用できるようになりました。また、Blender Cycles も近日中に追加予定です。
3D シーンの仕上げにも、最終プロジェクトのエクスポートでも、アーティストは超高速な Omniverse RTX Renderer、または好みのレンダラーに切り替えることが可能で、制作過程での究極の自由が実現します。
『The Junk Shop』 アレックス トレビーノ (Alex Treviño) 氏制作、アナイス ママー (Anaïs Maamar) 氏構想。Hydra レンダー デリゲートがレンダラーのトグル メニューに表示されています。
以上のアップデートをはじめとする各アップデートは、3 月の NVIDIA Studio ドライバのリリースと同時に、Omniverse ランチャーから無料でダウンロード可能です。
NVIDIA は Machinima アプリのアップデートを記念して、#MadeInMachinima コンテストを開始します。このコンテストで、アーティストは Omniverse Machinima を使用して、『Squad』、『Mount & Blade II: Bannerlord』、『Mechwarrior 5』の各作品を代表するキャラクターを短編映画にリミックスします。入賞者には NVIDIA Studio ノート PC が贈呈されます。コンテストは 6 月 27 日まで開催されています。詳細は、コンテストのページをご覧ください。
制作するのが待ちきれない
Omniverse Create を使用することで、お気に入りのクリエイティブ アプリを接続し、忠実度の高いシーンをインタラクティブに組み立てることができます。アーティストは、ライティングの追加や物理的に正確なシーンのシミュレーションができ、レンダリングを行う際に Omniverse の高度な RTX Renderer を使用するか、好みの Hydra Render デリゲートを使用するか選択することができます。
Create バージョン 2022.1 では、USD がヘアーやパーティクルなどのカーブ モデリングに有用な NURBS カーブに対応しました。任意の出力変数 (AOV) を持つパスでシーンをレンダリングできるようになり、アーティストはコンポジットの段階でより多くのコントロールを行えるようになりました。
グラフ エディタが追加され、アニメーション曲線の編集が可能になりました。この機能により、アニメーターは Autodesk Maya や Blender などのクリエイティブ アプリで快適に作業できるようになります。よりシンプルに、高速に、直感的に反復することができます。
新しい ActionGraph 機能により、使用できるキーボード ショートカットや ユーザーインターフェース (UI) ボタンが増え、複雑なイベントを同時にトリガーすることが可能になります。
NVIDIA PhysX 5.0 のアップデートでは、ファブリック、ゼリー、バルーンなどのオブジェクトに変形可能なソフト ボディのサポートが追加され、アニメーションを必要としないシーンでのリアリズムがさらに向上します。
MDL マテリアルとライトの厳選されたコレクションである VMaterials 2.0 には 900 以上の物理マテリアルが用意されており、アーティストはシェーダーの作成が不要で、ダブルクリックだけで物理的に正確な実世界のマテリアルをシーンに適用できます。
また、以下の新機能がベータ版として Create に追加されます。
- OmniGraph をベースとした AnimGraph では、コードを必要としないシンプルでリアルなアニメーションを作り出す新しいグラフ エディタでキャラクターに命を吹き込みます。
- 新しいアニメーションのリターゲティングにより、アーティストはアニメーションをあるキャラクターから別のキャラクターにマッピングすることが可能になり、ジョイント マッピング、リファレンス ポストのマッチングやプレビューといった複雑なアニメーション タスクを自動化できます。AnimGraph と併用すると、アーティストはキャラクターのリギングを自動化でき、アーティストは手作業が必要な面倒な作業に何時間もかかるということがなくなります。
- ユーザーは、所有済みのアセットをドラッグ & ドロップするか、他のアセットをクリックしてアセットの製品ページから直接購入できます。TurboSquid by Shutterstock、Sketchfab、Reallusion ActorCore からの、約 100 万のアセットを Omniverse アセット ブラウザで直接検索できるようになります。
Create に追加されるこれまでにない機能群は、3D ワークフローに興奮をもたらすでしょう。
Machinima のマジック
Omniverse Machinima 2022.1 ベータ版のツールにより、アーティストは、没入感のあるビジュアライゼーション、コラボレーションによるデザイン、フォトリアリスティックなレンダリングで、アニメーション化されたビデオ ゲームのストーリーテリングをリミックス、再現、再定義できます。
NVIDIA Maxine の姿勢推定機能が統合されたことで、モーション キャプチャ (MoCap) スーツが不要となり、1 台のカメラを使用してリアルタイムで人の動きをトラッキングおよびキャプチャし、2D カメラによるキャプチャから 3D モデルへのライブ変換が可能になりました。
また、録画済みのビデオをアニメーションに変換する際に、新しく使いやすいインターフェイスが使えるようになりました。
リターゲティング機能により、キャプチャされたアニメーションをカスタムビルドのスケルトンに適用させて、Web カメラでキャラクターを簡単にアニメーション化できるようになります。高価なデバイスは必要なく、 ウェブ カメラがあれば可能です。
シーケンサー機能がアップデートされ、新しい UI が追加されてナビゲーションが簡単になったほか、分割、ループ、ホールド、スケーリングなどの新しいツールや、パイプラインを簡素化するドラッグ & ドロップ機能強化、新しいオーディオ グラフ表示が追加されました。
シネマティクスのステッチや構築が、ビデオ プロジェクトの編集と同じくらい直感的になりました。
Showroom にご案内
Omniverse Showroom 2022.1 には 7 つの新しいシーンが追加されます。新規のユーザーも、このプラットフォームの素晴らしい可能性とテクノロジを体験することができます。
アーティストは、PhysX、リジッド ボディおよびソフト ボディ ダイナミクス、フロー、可燃性液体、煙と火、爆風による破壊や粉砕などの技術デモにアクセスできます。
View を満喫
Omniverse View 2022.1 には驚きの新機能が搭載され、技術者以外のプロジェクトのレビュー担当者が、3D デザイン プロジェクトを圧倒的なフォトリアリズムでコラボレーティブかつインタラクティブにレビューできるようになります。
マークアップの使用により、アーティストは図形や落書きなどを追加して、自分の視点に基づく 2D フィードバックを伝えることができます。クラウドでは 3D フィードバックも可能です。
ターンテーブルでは、インタラクティブなシーンを仮想テーブルに配置し、これを回転させて、リアルなライティング条件がシーンにどう影響するかをリアルタイムで確認できます。これは、ハイエンドの映画制作や建築家にとは有用な機能です。
テレポートとウェイポイントを使用すると、アーティストはシーンを簡単に移動でき、Omniverse のシーンの完全なインタラクティブなビューをプリセットして共有できます。
拡大を続ける Omniverse エコシステム
新しいベータ版の Omniverse Connectors と拡張機能により、3D クリエイティブ ワークフローの多様性と汎用性が向上します。
現在提供開始されている Unreal Engine5 用の Omniverse Connector により、ライブ同期のワークフローが可能になりました。
Adobe Substance 3D のマテリアル拡張機能が現在提供中で、Substance 3D Painter Omniverse Connector のベータ版も近日中に公開予定です。アーティストはさらにシームレスなライブ同期のテクスチャおよびマテリアル ワークフローを実現できるようになります。
Maxon Cinema4D が USD のサポートを開始します。OmniDrive と互換性があり、ビジュアライゼーションのプロフェッショナル向けの Omniverse ワークフローが実現します。
さらに、新しい CAD インポーターを使用して、プロダクト デザイナーは 26 種類の一般的な CAD フォーマットを Omniverse USD シーンに変換できます。
これだけではない Machinima のマジック — 賞品を獲得するチャンス
Omniverse Machinima を使用して、『Squad』、『Mount & Blade II: Bannerlord』、『Mechwarrior 5』のキャラクターで構成されたシーンとアセットを制作し、#MadeInMachinima コンテストにご参加ください。
『Halo』の『Red vs. Blue』を制作した伝説的なスタジオ、Rooster Teeth は、Machinima を使用してこの壮大な映画の短編映画を制作しました。その可能性の一端を見ることができます。
Machinima の専門知識は必要ありません。このコンテストには、あらゆるレベルのクリエイターを対象としています。優秀な成績を収めた 3 作品の制作者たちに、NVIDIA Studio ノート PC が贈られます。この PC は、鮮やかなカラー ディスプレイと超高速のメモリおよびストレージが搭載された、クリエイター向けに設計されたパワフルなノート PC で、Omniverse のセッションを加速します。
ゲーム アーティスト、プロデューサー、開発者、デザイナーが一堂に会して、アイデアを交換し、教育やインスピレーションを得られる場となった Game Developers Conference でも、Machinima が大きく取り上げられました。NVIDIA はさらにコラボレーティブな環境で仮想世界を作成できる、Omniverse for Developers も発表しました。
NVIDIA は、GDCにおいて、コンテンツ クリエイターを支援のために、仮想世界と AI、リアルタイム レイ トレーシング、および開発者ツールをテーマとしたセッションを開催しました。
今すぐ Omniverse をダウンロードして起動しましょう。