単一のスケーラブルなアーキテクチャと単一のソフトウェア スタックの導入により、自動車メーカーが最大 2,000 TOPS の処理性能を獲得
NVIDIA Ampere アーキテクチャの登場により、NVIDIA DRIVE プラットフォームが運転機能を拡大し、エントリーレベルの ADAS ソリューションからレベル 5 のロボタクシーにまで対応可能となります。
仮想の GTC 基調講演において、NVIDIA の創業者/CEO である ジェンスン フアン (Jensen Huang) は、まもなく登場するOrin システムオンチップ (SoC) の新たな製品と新たに登場した NVIDIA Ampere GPU を活用し、DRIVE AGX プラットフォームの機能を拡張すると発表しました。単一のアーキテクチャを利用することにより、メーカーは高性能な AI システムを導入して、自社のラインアップに含まれている、あらゆる車両をソフトウェア デファインドにすることができます。
この新たに拡大された製品群は、NCAP 5-star ADAS システムから、DRIVE AGX Pegasus ロボタクシー プラットフォームに至ります。後者には、2 つの Orin SoC と 2 つの NVIDIA Ampere GPU が実装され、前例のない 2,000 兆オペレーション / 秒 (TOPS) を実現します。これは、これまでのプラットフォームの 6 倍以上のパフォーマンスに相当します。
現行世代の DRIVE AGXは、Xavier SoCs と Turing ベースの GPU の組み合わせで、レベル 2+ の自動運転からレベル 5 の完全自動運転にわたる機能を提供します。DRIVE AGX Xavier は 30 TOPS の処理能力を持ち、NVIDIA DRIVE AGX Pegasus プラットフォームは 最大で 320 TOPS の処理が可能であるため、複数の冗長かつ多様なディープニューラル ネットワークを実行し、リアルタイムの認識、計画および制御が行えます。
先日発表したNVIDIA Ampere GPUと、間もなく登場する内蔵GPUを有する Orin プロセッサ ファミリーにより、移動するあらゆるものを対象にした演算が可能になり、DRIVE プラットフォームをさらに向上させながら、エントリーレベルの ADASも追加します。
単一のスケーラブルなアーキテクチャ
新しい DRIVE AGX ファミリーは、顧客の要望に基づいて、わずか 5 ワットの電力消費で 10 TOPS の処理が可能なOrin SoC 製品を実装したものからはじまります。
通常、自動車メーカーはADAS システム向けに専用の演算システムを開発し、それとは別に高度な自動運転システムを開発していますが、複数のシステムを開発するのには費用上の問題がつきまといます。
単一のプラットフォームであれば、1 つのアーキテクチャを使い、より簡単に、すべてのマーケット セグメントにわたる自動運転テクノロジを開発できるようになります。また、 DRIVE プラットフォームはソフトウェア デファインドであり、大規模な CUDA の開発者コミュニティが基盤となっているため、簡単に、そして継続的にOTAアップデートの利点を活かすことが可能となります。
性能をさらに向上
DRIVE AGX ファミリーが自動運転のエントリーレベルにまで広がっている一方で、NVIDIA Ampere アーキテクチャは、次世代の Pegasus ロボタクシー プラットフォームの性能をさらに高めています。
2 つの Orin SoC と 2 つの NVIDIA Ampere が実装された GPU が 2,000 TOPS の処理速度を発揮するこのプラットフォームは、完全自動運転のロボタクシー運用に必要な、より高い解像度のセンサー入力と、より高度な自動運転 DNN を処理することができます。
このアーキテクチャは、8 つの世代の NVIDIA GPU のなかで最大のパフォーマンス向上を実現し、その性能は最大で 6 倍向上しています。
SoC の Orin ファミリーは、来年からサンプリングを開始し、2022 年後半に生産を開始する自動車メーカーで利用可能となっており、次世代のプログラム可能なソフトウェア デファインドの NVIDIA DRIVE AGX の基盤を築くことになります。