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GTC グローバル ツアー: ロボット最先端の地、東京で幕を閉じる

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NVIDIA は、さまざまなロボットや自動車に焦点を当てた、世界 7 都市を巡る今年の GPU テクノロジカンファレンス (GTC) シリーズを、自律型マシンで世界をリードする日本で締めくくりました。

これまでの都市と同様に今回も満員となり、会場のヒルトン東京お台場に詰めかけた 4,000 人を超える開発者、会社役員、研究者を前に、NVIDIA の創業者兼 CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、GPU によるディープラーニングの変革的能力について説明しました。

「次の大変革は自律型マシンがもたらすでしょう。その未来を創造する場として、日本以上にふさわしい場所は思いつきません」と、フアンは述べました。

フアンは、新たな業界への AI 導入のニュースとして、建設現場の安全性と効率性の向上を目指す NVIDIA とコマツ (株式会社小松製作所) の協業を発表しました。さらに、ドライバーを認識して適切な警告を提供する拡張機能を備えたソフトウェア定義型の自動車を、今後 NVIDIA DRIVE Xavier プラットフォームで実現するという自身のビジョンも打ち出しました。

今年の GTC シリーズは、春にシリコン バレーで行われたキックオフ イベントを皮切りに、秋に北京、ミュンヘン、テルアビブ、台北、ワシントン D.C.で行われたチケット完売の各イベントを経て、今回の日本イベントで総来場者数が 22,000 人を超えました。これは、わずか 5 年前の 10 倍に上る人数です。

このカンファレンスは、1,000 人以上のエンジニアを対象に AI やディープラーニング トレーニングを多面的に解説する 70 を超える詳細セッションと、AI スタートアップ企業向けの急速に拡大する Inception プログラムに参加している、国内企業 20 社の活動を取り上げたショーケースで構成されました。

コマツとの協業を発表

今回のショーでは一大ニュースとして、世界の大手建設重機メーカーであるコマツと NVIDIA が協業し、エッジからクラウドまで対応した AI テクノロジを導入することで、建設現場の安全性と生産性の向上を目指す計画が発表されました。高齢化に伴う労働力不足によって、現在の建設労働者約 340 万人のうち 3 分の 1 が今後 10 年間で離職することが予想される日本にとって、この発表は大きな意味を持ちます。


NVIDIA CEO のジェンスン フアンが世界の大手建設重機メーカーであるコマツととの協業を発表しました。

フアンは次のように述べています。「仮想現実と人工知能を駆使すれば、自律型マシンと人間を融合させることができます。世界の偉大な企業の 1 つであり、未来の自律型マシンの創造を目指すコマツと協業することができ、非常に光栄に思います。」

このニュースによって、NVIDIA がディープラーニングの能力の応用を目的としてこれまでに市場リーダーと契約を交わしてきた多くの主要業界に、新たに建設/鉱山機械分野が加わることになります。先月には、GE Healthcare や Nuance との協業に伴って医療画像分野を変革する計画を発表し、昨年には、日本の FANUC と提携してディープラーニングによるロボット工学の変革への道筋を明らかにしていました。また、ここ数年にわたり、当社は Audi、Tesla、Toyota、Volvo をはじめとする多くの企業と重要なプロジェクトで協力し、車載用 AI の応用を進めてきました。

「ディープラーニングによって、製造の未来、産業機器の未来、ロボット工学の未来を変革する機会が得られ、次世代の自律型マシンを生み出すことができるでしょう」と、フアンは言います。

フアンは、インテリジェント マシンにおいて今後も世界をリードできる日本の能力について強い思い入れを語るとともに、インテリジェント マシンは今後数年でますますあらゆる場所で見られるようになるだろうと指摘しました。

「私は、いつの日か、動くものはすべて自律するようになるか、あるいは自律機能を利用するようになると考えています。」

また、この基調講演の目玉として、一連のデモンストレーションも行われました。そのなかでフアンは、NVIDIA DRIVE 自動運転プラットフォームが AI を利用したきわめて多彩な自動運転機能および運転支援機能を実現するしくみを解説しました。これにより、自動車メーカーが完全自動化に関連する機能を、その正式な登場に何年も先駆けて開発できるようになります。


NVIDIA DRIVE 自動運転プラットフォームが AI を利用したきわめて多彩な自動運転機能および運転支援機能を実現するだろう、と NVIDIA CEO のジェンスン フアンは説明します。

このような車両は、たとえば、車外に迫る安全上の問題をドライバーに通知したり、車内では、居眠り運転やわき見運転などを検知して適切な警告を発したりするようになるでしょう。また、駐車場では、ドライバーが車両に近づいたら認識して自動的にドアやトランクを開け、好みに合わせてシートやハンドルなどを調整することも期待されます。

高速道路では、NVIDIA DRIVE が適応走行制御や車線の維持、自動車線変更を可能にする完全な状況認識機能によって、助手として運転を代わることもできるようになるでしょう。さらに、Wi-Fi やセルラー接続を利用した OTA (Over The Air) ソフトウェア アップデートによって、システムの機能は、車両がその寿命を終えるまで、随時拡張できるようになります。

さらに、GTC Japan では、現在 NVIDIA DRIVE プラットフォームを利用しているいくつかのエコシステム パートナーも発表されました。

Pioneer は、自社の 3D-LiDAR (ライダー) センサーを NVIDIA DRIVE AIプラットフォームと組み合わせて、自律走行車用ソリューションを開発する計画を発表しました。高い精度で離れた対象物を検知し、地図を作成できるこのセンサーは、高性能かつ低コストなものになる予定で、2020 年以降の量産化を目指しています。

また、名古屋を拠点とするスタートアップ企業の Tier IV は、AI ベースの車両「Milee」を開発しました。Milee は、ヤマハ発動機製の電動ゴルフ カートをベースに 3D プリントされたパネルを使用した車両で、NVIDIA DRIVE を採用しています。主に都市部でのライド シェアリングや配達向けに設計されており、アクセル ペダルやブレーキ ペダル、ハンドルはありません。最高時速 20 km で、集配場から最終配達先までの移動を指す「ラストマイル」の配達での利用や、ひいては、地方の高齢者や住民の移動手段としての利用が想定されています。


NVIDIA CEO のジェンスン フアンは、開発者、会社役員、研究者がつめかけた満員の会場で基調講演を行いました。

NGC に Chainer を、ABCI に Tesla V100 GPU を導入

フアンは、NVIDIA GPU Cloud (NGC) コンテナー レジストリで、日本の Preferred Networks が開発した「Chainer」ディープラーニング フレームワークの提供が開始されたことを発表しました。

NGC は、NVIDIA GPU を使用する世界中の開発者に無料で提供されており、TensorFlow や PyTorch などの NVIDIA に最適化されたディープラーニング フレームワーク、サードパーティーが管理する HPC アプリケーション、NVIDIA HPC ビジュアライゼーション ツール、NVIDIA TensorRT プログラマブル推論アクセラレータなどで構成されています。

また、NVIDIA は、日本の国立研究開発法人産業技術総合研究所が、4,000 基以上の NVIDIA Tesla V100 GPU を使用して、日本最速のスパコン「AI Bridging Cloud Infrastructure (ABCI)」の開発を進めていることも発表しました。ABCI は来春の稼働が予定されており、37 ペタフロップスの倍精度浮動小数点演算性能と、0.55 エクサフロップスの AI 性能を実現することが期待されています。

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