NVIDIAのGPU、LucasfilmのILMxLABのレンダリング・パイプラインの能力向上を支援

投稿者: Gail Laguna

ILMxLABは、新しいメディアであるバーチャル・リアリティ向けのコンテンツを作成する際、「フォース」、そしてNVIDIAのGPUを味方につければ役に立つということに気が付いています。

昨年、LucasfilmのILMxLABは、イマーシブな次世代プラットフォーム向けの体験を構築するために設立されました。新しいVR体験である『Trials on Tatooine』のリリースに加え、ILMxLABは最近、複合現実のスタートアップ企業であるMagic Leapとのパートナーシップを発表し、オリジナルのスター・ウォーズ関連コンテンツを作成しています。

こうした取り組みは、ILMの従来の視覚効果によるパイプラインにリアルタイム・レンダリングを組み合わせて使用する、サードパーティのVR体験を作成する現在進行中の作業に加えて行われています。さらに、xLABは、自社の素材を利用し、新しいテクノロジーによる実験を続けています。

パイプラインにあふれる素晴らしいコンテンツに対処するため、ILMxLABのアーティストは、NVIDIA QuadroプロフェッショナルGPUを搭載したHPのZ Workstationを頼りに高速処理を行っています。複数のGPUを特定の目に割り当てられるようにするNVIDIAのVRWorks VR SLIテクノロジーを利用し、ステレオ・レンダリングを劇的に高速化しています。

ILMxLABのプリンシパル・エンジニア兼技術開発リーダーであるルッツ・ラタ(Lutz Latta)氏は、次のように述べています。「VR SLIによって、私たちのレンダリング能力はほぼ2倍になり、より忠実度の高いレンダリング画像を作成できます」

格別のチーム

ILMxLABは、LucasfilmのStory Group、Industrial Light & Magic、Skywalker Soundの才能あふれる人材を融合した、イマーシブなエンターテイメントのための新しい研究所です。

ILMxLABは、イマーシブなストーリーテリングとはどのようなものになり得るのかを示す、パワフルな内部デモンストレーションを経て、今年6月に設立されました。ILMxLABは今後、ストーリーに基づいた上質でイマーシブな体験を、家庭や劇場、公共の場向けに開発、製作、リリースします。ILMxLABが明言する目標は、人々が「ストーリーに足を踏み入れられる」ようにすることです。

ラタ氏は述べています。「映画をタブレットにクラウド・ストリーミング配信すると、映画の周りの黒い囲みが消えて、視聴者は、突然、完全にインタラクティブなCGの世界にどっぷり浸かってしまう。これは、VRがどこへ向かっているかを示す一例であり、そして、ストーリーを物語ることや、私たちのストーリーのファンを巻き込んでいくことによって、新しい機会がどのように見出されるかを示す一例です」

ILMxLABは、映画並みの品質を持つVRや最新のコンピューター・グラフィックスなどの新しいメディア・プラットフォームを利用してストーリーを語り、体験してもらう方法を新たに考案することを目的としています。NVIDIA Quadro GPUとVRWorksソフトウェアの2つは、成功を握る鍵です。

VRのスター・ウォーズ

スター・ウォーズの宇宙をVRにもたらす『Star Wars: Trials on Tatooine』のVR体験は、SteamVRから提供されています。このVR体験の制作は、VRのストーリーテリングをどのようなものにするのかというILMxLABの実験に役立ちました。

ラタ氏は語ります。「VRビデオ・ゲームと、ストーリーの中でユーザを魅了するインタラクティブでシネマティックな体験との差は、紙一重です。私たちは、ストーリーやストーリーが繰り広げられる世界を利用して魅了したいのですが、ビデオ・ゲームのような競争性は抑えたいと考えています。『Trials on Tatooine』は、意義深いものを創造する最初のステップです」

高忠実度のレンダリング画像

ラタ氏は、7月24日~28日のSIGGRAPHの期間中、NVIDIAシアター(509ブース)において、シネマティックVRを支えるテクノロジーについて講演します。オフライン・レンダリングされた映画品質のアセットを1フレームあたり11ミリ秒以下のリアルタイム・レンダリングに再利用する方法について、また、開発中に学んだ教訓もいくつかご紹介します。

ところで、ILMxLABは、引き続き、最高にイマーシブなVR体験を創造しています。ラタ氏は次のように述べています。「私たちは、4枚から8枚のNVIDIAグラフィックス・カードを連動させ、レンダリングに使用する実験をしています。また、映画アセットの作成とVRアセットの作成の間にある溝を埋めようとしており、フレーム・レートを引き続き向上させることにも目を向けています」

SIGGRAPHにおいて、Jaunt VR、Epic、Sony Imageworksなどの企業によるVR関連の講演をぜひお聞きください。全体スケジュールはこちらです。#SIGGRAPH2016で、ショーの内容をフォローしてください。