「In the NVIDIA Studio」- Reborn、Remastered、Remixed:『Portal: Prelude RTX』が伝説のゲーミング MOD を蘇らせる

投稿者: Gerardo Delgado

クリエイター向けのアップデートを含む 7 月の Studio ドライバがリリースされ、#StartToFinish Studio コミュニティ チャレンジが今週「In the NVIDIA Studio」で本格的に開催

本ブログは、注目のアーティストを称え、クリエイティブ活動のヒントやコツを説明し、NVIDIA Studio テクノロジがクリエイティブ ワークフローをどのように加速するかを紹介する「In the NVIDIA Studio」シリーズです。さらに、新しい GeForce RTX 40 シリーズ GPU の機能、テクノロジ、リソース、およびそれらがコンテンツ制作を劇的に加速する方法についても深く掘り下げています。

人気の非公式の『Portal』の前日譚をリマスターした『Portal: Prelude RTX』ゲーミング MOD は、ゲーマーやクリエイター、開発者などが伝説的な MOD を新たに体験できるよう、レイトレーシングDLSS 3RTX IO テクノロジによる最先端の AI を駆使したグラフィックスを搭載しています。

『Portal: Prelude』のソフトウェア エンジニアである Nicolas NykO18 Grevet 氏は、MOD 制作者である David Kralich Driver-Gomm 氏と協力し、このプロジェクト (Steam から無料でダウンロード可能) を作成するために NVIDIA RTX Remix を使用しました。この無料の MOD 制作プラットフォームは、ユーザがクラシック ゲームの RTX MOD を素早く作成し、共有することを可能にします。今週の NVIDIA Studio では、2 人のワークフローについてご紹介します。

また、今月はグラフィックス カード パートナーが 16GB バージョンの GeForce RTX 4060 Ti GPU の提供を開始します。この GPU は、最先端の NVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャを採用し、クリエイティブ アプリケーションと生産性を大幅に向上させるとともに、レイトレーシングと DLSS 3 による没入感のある AI アクセラレーテッド ゲーミングを提供します。この GPU は、大規模な 3D シーン、最大 12K 解像度のビデオ編集、AI 基盤モデルの実行に最適です。

これらはすべて、最新アップデートなどをサポートし、ダウンロードが可能となった 7 月の NVIDIA Studio ドライバによってサポートされています。

さらに、NVIDIA Studio #StartToFinish コミュニティ チャレンジが本格的に始動しています。このハッシュタグを使って、お気に入りのプロジェクトのスタート地点と終了部分のスクリーンショットを投稿すると、@NVIDIAStudio と @NVIDIAOmniverse のソーシャル チャンネルで紹介されるチャンスがあります。

創造性への扉

『Portal: Prelude』のストーリーは、Genetic Lifeform and Disk Operating System (GLaDOS) と呼ばれる、オリジナル ゲームのプロットの鍵を握る架空の科学研究企業 Aperture Science によって作られた AI を中心に展開します。

追加のチャプター、テスト チャンバー、チャレンジ、拡張されたストーリーを備えた、史上最も人気のある『Portal』MOD は、MOD DB より「MOD OF THE YEAR」賞を授与されました。

Grevet 氏は次のように述べています。「MOD 制作者は多くの役割を担う必要があり、レベル デザイナー、2D アーティスト、スクリプター、ライター、ウェブ開発者、品質保証アナリストなどの役割を同時に遂行します。そのためには、耐性や適応力が要求されます」

Valve の Hammer ツールでの 3D マッピング。

Grevet 氏と Driver-Gomm 氏は、『Portal: Prelude』の古い低解像度のアセットを、RTX Remix を使用して新しい高解像度のアセットに変換しました。どちらのクリエイターも、フル レイトレーシングと DLSS 3 を可能にする GeForce RTX 40 シリーズ GPU を使用しました。

2 人はまず、RTX Remix でシーン全体のレベルの 360 度スクリーンショットを集ました。

次に、RTX Remix Runtime と呼ばれる RTX Remix のコンポーネントを使用して、ゲームシーンをキャプチャし、再生中にアセットを置き換える一方で、低遅延の応答性を実現する NVIDIA Reflex などの RTX 技術をゲームに追加しました。

Nicolas NykO18 Grevet 氏は次のように述べています。「レベルとそのすべてのアセットのバーチャルなゲーム内 3D スクリーンショットを撮り、そのキャプチャを RTX Remix に読込み、オープンソースの 2D および 3D フォーマットを使用して、文字通りすべてのアセット、テクスチャ、ジオメトリ、ライトを最大 100 倍高い忠実度で置き換えることができました」

「AI のアップスケーリングで何度も試しました。初期の作業を削減するのに非常に役立ち、キャラクターやプレイアブルではないキャラクターのモデル、大規模で主要なテクスチャなど、より実践的な処理が必要なヒーロー アセットに集中することができました」

OpenUSD フォーマットのこれらの高解像度アセットは、Blender Connector を通じて、3D ツールとアプリケーションを接続し構築するためのプラットフォームである NVIDIA Omniverse に取り込まれました。これにより、チームは、好みの 3D アプリケーションを使用し、すべてリアルタイムで、超フォトリアルなライティングとシャドウのためのフル レイトレースの忠実度で、新しいジオメトリのモデリングやエッジの面取りを行えました。

Blender 用 Omniverse Connector で貨物エレベータをモデリング。

Driver-Gomm 氏は次のように述べています。「アセットによっては、ほとんどゼロからモデリングしたものもあれば、パイプのようにエッジの面取りだけで、高いポリゴンで、より滑らかさを出しただけのものもあります」

次に、チームはアセットを UV 展開しました。これは、テクスチャやマテリアルを正確に適用するために、3D オブジェクトを覆うことができる 2D テクスチャを作成するためにメッシュを開くプロセスです。

その後、Grevet 氏と Driver-Gomm 氏はその後、Adobe Substance 3D Painter と Sampler に移行し、高品質の物理ベースのレンダー モデルを作成しました。これは、現実世界の光学を使ってライトとサーフェスをモデリングしてレンダリングし、画像を生成します。GPU で高速化されたフィルタはマテリアルの作成を高速化、簡素化し、RTX で高速化された直接光と間接光はアセットを数秒でベイクします。

Adobe 3D Substance Samplerで作られたリアルなテクスチャ。

すべてのアセットが揃ったところで、チームは RTX Remix を使用して、古いアセットを新しく忠実度の高いモデルに置き換えました。RTX Remix のおかげで、パストレーシングされたリアルなライティングですべてのレベルを照らすことができました。

Valve の Faceposer ソフトウェア開発キットにて、表情、リップシンク、スケルトン アニメーションを含む振り付けシーケンスを作成。

『Portal: Prelude RTX』の最終結果について、Grevet 氏は次のように述べています。「自分ひとりでできることの何光年も先を行っています。これらのレベルを、私が意図したとおりの見た目と動作にリマスターする機会を得たことは最高に素晴らしいことでした」

RTX Remix のリアルなパストレース ライティングでレベルを再ライティング。

また、Grevet 氏は次のように述べています。「RTX Remix ツールは非常に強力で、私にとっては魔法のように思えます。ゲームのあらゆる箇所をキャプチャし、それを 3D ツールにロードして、まるでオリジナルのゲームのレベル エディターを使っているかのように制作できるのは常識を超越した能力です」

RTX Remix で最終的なディテールを調整。

Steam で『Portal』をお持ちの方は、『Portal: Prelude RTX』を無料で入手できます。

ゲーム MOD 制作者の David Kralich Driver-Gomm 氏と Nicolas NykO18 Grevet 氏。

Grevet 氏と Driver-Gomm 氏の Twitter をチェックください。