Lenovo Tech World にて、同社 CEO である Yuanqing Yang 氏と NVIDIA 創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) がエンタープライズ AI のためのフルスタック プラットフォームを紹介
10 月 15 日、米シアトルで開催された「Lenovo Tech World 2024」の基調講演で、NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) が Lenovo の会長兼 CEO である Yuanqing Yang 氏と登壇し、エンタープライズ AI イノベーションの加速に向けた発表を行いました。
両 CEO が共同で発表したのは、AI 機能を全社的に構築、展開し、スピードとイノベーション、生産性を高めるフルスタック プラットフォームである Lenovo Hybrid AI Advantage with NVIDIA です。
フアンは本イベントの現地およびオンラインの聴衆に向かい、次のように述べました。「実質的に人間の能力を超える生産性を実現したいと思っています。これらの AI エージェントは、業界を問わず、従業員がより効率的、生産的になれるよう支援していきます」
同時に、Lenovo Neptune 液冷テクノロジと NVIDIA Blackwell を採用し、AI システムの持続可能性とエネルギー効率を飛躍的に向上させる、新たなハイパフォーマンス AI サーバーも発表されました。
フアンは、AI が世界中の産業に及ぼす重大な影響を強調しながら、次のように述べました。「かつてない最大級の産業革命になるでしょう。この 1 年ほどの間に、ありとあらゆる業界、企業、国が、並外れた覚醒を経験しています」
Lenovo が発表した Hybrid AI Advantage With NVIDIA
Lenovo Hybrid AI Advantage with NVIDIA は、Lenovo のサービスおよびインフラ機能に、NVIDIA の AI ソフトウェアおよびアクセラレーテッド コンピューティングを組み合わせて構築されます。これにより、組織はデータをアクションにつなげるビジネス成果へとより効率的に変換できるエージェント型 AI と物理的 AI を作成することが可能になります。
Yang 氏は次のように述べています。「私たちの戦略はモジュール化とカスタム化を組み合わせ、ソリューションをお客様に合わせていくと同時に、お客様のニーズに迅速に対応できるようにすることです」
Lenovo AI Fast Start および Hybrid AI Solution を発表
Lenovo Hybrid AI Advantage のサービスの一環として、組織が生成 AI ソリューションを迅速に構築できるよう支援する Lenovo AI Fast Start も発表されました。
Lenovo AI Fast Start は、AI エージェント構築のための NVIDIA NIM マイクロサービスや NVIDIA NeMo を搭載した NVIDIA AI Enterprise ソフトウェア プラットフォームを活用し、個人、企業、公共の AI プラットフォームでの AI のユースケースのビジネス価値を数週間で証明することが可能です。
組織に AI 資産、専門家、パートナーへのアクセスを提供することで、各ビジネス ニーズに合わせてソリューションを構築し、大規模な展開をスピードアップします。またこのプラットフォームは Lenovo AI Service Library を含み、エージェント型 AI 向けの NVIDIA NIM、NVIDIA NeMo、NVIDIA NIM Agent Blueprint などの NVIDIA AI Enterprise ソフトウェアを使用するほか、物理的 AI 向けの NVIDIA Omniverse のサポートも利用します。
AI Service Library はさまざまなニーズに合わせてカスタマイズ可能な、事前設定済みの AI ソリューションのコレクションです。
これらを NIM Agent Blueprint と組み合わせれば、自社特有のニーズに合わせた AI エージェントを迅速に開発、展開でき、業界を問わず AI の採用を加速できます。
大規模言語モデルの最適化のための NeMo と、デジタル ツイン シミュレーションのための Omniverse が加わることで、企業はエージェント型 AI と物理的 AI のどちらのアプリケーションでも最先端の AI テクノロジを利用できます。
エネルギー効率と AI インフラ
Yang 氏とフアンは、エネルギー効率の高い AI インフラへのニーズが極めて高いことを強調しました。
「スピードこそ持続可能性につながります。スピードはパフォーマンスです。スピードとはエネルギー効率なのです」とフアンは述べ、パフォーマンス向上がエネルギー消費量の削減と効率向上に直結することを強調しました。
Yang 氏は次のように述べています。「Lenovo の第 6 世代 Neptune 液冷ソリューションは、AI コンピューティングとハイパフォーマンス コンピューティングをサポートすると同時にエネルギー効率を向上させます」
Neptune はデータセンターの電力消費量を最大 40％ 削減するため、企業はアクセラレーテッド AI ワークロードを効率的に実行しながら、運用コストと環境への影響を低減させることが可能です。
同時に Lenovo の TruScale インフラ サービスが提供するスケーラブルなクラウド型モデルは、物理的インフラへの先行投資なしに AI コンピューティングのパワーを組織に提供し、企業は必要に応じた規模で確実に展開できます。
Lenovo ThinkSystem SC777 V4 Neptune With NVIDIA Blackwell を発表
両 CEO は、NVIDIA GB200 Grace Blackwell 搭載の ThinkSystem SC777 V4 Neptune サーバーを公開しました。
この 100% 液冷システムは、送風機や特殊なデータセンターの空調設備を必要としません。標準的なラックに収まり、標準的な電力で動作します。
フアンは、Yang 氏と発表したばかりの ThinkSystem SC777 V4 Neptune サーバーについて、「エンジニアにとって実に魅力的です」と述べました。
SC777 は次世代の NVIDIA NVLink インターコネクトを採用し、NVIDIA Quantum-2 InfiniBand または Spectrum-X Ethernet ネットワーキングをサポートします。また NIM マイクロサービスを含む NVIDIA AI Enterprise ソフトウェアもサポートしています。
Yang 氏は次のように述べました。「両社のパートナーシップはインフラからソフトウェア、サービス レベルまで及んでいます。共に手を携え、お客様にエンタープライズ AI エージェントを展開してまいります」