夜間の雪や、雨、暗闇などは、米国郵政公社(USPS)にとって、年間1,500億個を超える郵便物の配達手配で生じるビッグデータの問題に比べれば、大したことではありません。
USPSは、遅延や不正の事例が増加したことから、NVIDIAとKineticaが提供する、パフォーマンスの高いコンピューティング・ソリューションを利用することにしました。そして、このたび、郵政公社への貢献が評価され、KineticaがIDCのHPC Innovation of Excellence賞を受賞しました。
KineticaのGPU搭載オファリング(旧称:GPUdb)により、USPSは、データを相対的に小さなチャンクに要約するバッチ処理から、複数のソースから得たデータをほぼリアルタイムで結合するストリームおよび複雑なイベント処理へと移行することができました。
このオファリングは、全米の郵便局および処理施設で15,000人以上の同時ユーザを抱え、213,000台を超えるスキャン装置からデータを取り込みます。また、USPSでは、リアルタイムのイベントを正確に予測して報告するため、地理空間テクノロジと推論も利用しています。
運営に関するほぼ即時の分析から洞察を得て、USPSは昨年、1,500億個を超える郵便物を配達しながらも、運転距離を7,000万マイル(約1億1,265万km)短縮して、ガソリンを700万ガロン(約2,650万リットル)節約し、二酸化炭素排出量を7万トン抑制しました。
ビッグデータ分析のワークロードに最適なGPU
Kineticaは、NVIDIA Tesla GPUアクセラレータを採用することで、CPUベースのリレーショナル・データベース管理システムに比べ、わずかなコストで100~1,000倍の高速化を実現しました。その結果、USPSはKineticaとともに、既存のRDBMSに対して照会パフォーマンスを200倍向上させました。
GPUによるパフォーマンスの大幅な向上により、組織は、困難なリアルタイム・データの管理タスクに対処しながらも、正確かつ完全なレポートを得ることができます。これにより、CPUのみの処理ではとうてい不可能な方法で、大量のデータセットを収集し、ビジュアル分析によって示すことができるようになりました。
NVIDIAが4月にリリースしたDGX-1システムと、今週ISCで発表したPCIeサーバ対応Tesla P100を利用することで、Kineticaをはじめとするパートナー様は、より多くのデータをリアルタイムで処理できるようになります。DGX-1は、8つのTesla P100 GPUと128GBのGPUメモリを搭載した単一のシステムで、従来のサーバ250台分のスループットを実現できる、驚異的なシステムです。
NVIDIAは、ハードウェアに加え、NVIDIA CUDAでも新たなレベルのパフォーマンスをもたらします。その並列コンピューティング・プログラミング・モデルにより、統合メモリの利用を簡素化し、GPUアクセラレーテッド・アプリケーションの導入を加速します。また、nvGRAPHによって新たな分析ワークロードを加速し、高パフォーマンスのグラフ分析を可能にします。
DGX-1を利用してお客様のディープラーニング・アプリケーションのパフォーマンスを大幅に向上させる方法について、ぜひNVIDIAのオンデマンド・ウェビナーをご覧ください。
写真提供:Brian Gaid