ブロードキャストのブレイクスルー: NVIDIA Holoscan for Media の提供開始で AI 統合が容易になりライブ メディアに変革

投稿者: Sepi Motamedi

このソフトウェアデファインド プラットフォームは、世界中のブロードキャストやストリーミング開発者が AI 対応のメディア ソリューションを提供する上で役立ちます。

ライブ スポーツ番組、ストリーミング サービス、ネットワーク ブロードキャスト、ソーシャル プラットフォーム上のコンテンツなど、配信コンテンツの種類を問わず、メディア企業は困難な状況に直面しています。

視聴者はインタラクティブでパーソナライズされたコンテンツを選択することが増えており、仮想現実と拡張現実はメインストリームへと前進を続けています。新しい動画圧縮規格は、従来のコンピューティング インフラストラクチャにとって課題となっています。そして AI は、あらゆることころに影響を及ぼしています。

このような激動の状況において、メディア企業は、変動を続ける開発と配信のニーズに柔軟に対応する AI 対応メディア ソリューションから最も大きな恩恵を受けることになります。

現在提供中の NVIDIA Holoscan for Media は、開発者がライブ メディア アプリケーションを簡単に構築し、AI で強化してメディア プラットフォーム全体に展開できる、ソフトウェアデファインドのプラットフォームです。

メディア アプリケーション開発への新しいアプローチ

Holoscan for Media は、ライブ メディア開発への新しいアプローチを提供します。専用のハードウェア、環境、場所に制約を受けないインターネット プロトコル (IP) ベースのクラウドネイティブ アーキテクチャを提供することで、アプリケーション開発を簡素化します。それだけではなく、オープンソースとユビキタスのテクノロジを統合し、顧客へのアプリケーション配信を合理化し、同時にコスト最適化も実現します。

ライブ メディア市場向けの従来のアプリケーション開発は、専用のハードウェアに依存しています。ソフトウェアはハードウェアと関係しているため、開発者はアプリケーションの革新やアップグレードへの制約を受けます。

オンプレミスであってもクラウドであっても、展開するには独自で構築する必要があるため、開発コストが高くつき、非効率です。開発者はアプリケーションのユーザー インターフェイスとコア機能の設計のみならず、追加のインフラ サービスも構築する必要があり、研究開発予算がさらに上乗せされます。

最も重要な課題は AI の組み込みです、というのも、AI ソフトウェア スタックの構築は複雑だからであり、パイロット プログラムの多くのアプリケーションが本番環境に移行できません。

Holoscan for Media は、その基盤となるアーキテクチャにより、アプリケーション開発に簡単に AI を統合できるため、ソフトウェアデファインドのビデオを AI ベースの生成ツールなどの AI アプリケーションと同じソフトウェア スタックに展開できます。これは、AI アプリをライブ ビデオに組み込もうとしているベンダーや研究開発部門にとってメリットとなります。

プラットフォームはクラウドネイティブであるため、クラウド、オンプレミス、エッジなど、場所に関係なく同じアーキテクチャを実行できます。さらに、特定のデバイス、フィールド プログラマブル ゲート アレイ (FPGA)、アプライアンスに縛られることもありません。

Holoscan for Media アーキテクチャには、認証、ロギング、セキュリティなどのサービスに加え、SMPTE ST 2110 トランスポート プロトコル、時刻同期を可能にする PTP (Precision Time Protocol)、動的デバイス管理を可能にする NMOS コントローラーとレジストリなど、ブロードキャスト企業の IP ベースのテクノロジへの移行を支援する機能が含まれています。

パートナーのエコシステムが拡大中

すでに Holoscan for Media でライブ メディアに変革を起こしているアーリー アダプター企業には、Beamr、Comprimato、LAwo、Media.Monks、Pebble、RED Digital Cinema、ソニー株式会社、Telestream などがあります。

ソフトウェアデファインド プロダクション ワークフローのプロバイダーである Media.Monks のイノベーション特別オペレーション担当シニア バイス プレジデントの Lewis Smithingham 氏は次のように述べています。「当社では Holoscan for Media をブロードキャストやメディア ワークフローのコア インフラとして使用しており、パワフルな拡大が実現し、幅広いチャネルやプラットフォームにわたって興味関心に連動したコンテンツを配信できています」

プロ用デジタル シネマ カメラのメーカーである RED Digital Cinema の製品管理担当バイス プレジデントである Jeff Goodman 氏は次のように述べています。「アプリケーションを区分化して相互運用を可能にすることで、Holoscan for Media はさまざまな企業の新しいイノベーションを 1 つのプラットフォームに簡単に採用できます。統合の複雑さの大部分を考慮する必要がなくなるため、イノベーションを大幅に速く進めることができます。私たちもその一員となれることを大変嬉しく思っています」

ソニー株式会社メディア ソリューション事業部長の村田雅和氏は次のように述べています。「NVIDIA Holoscan for Media は、必要に応じて GPU パワーを拡張できるようにすることで、業界向けの次世代の製品やサービスの開発を可能する道筋の一つであると私たちは確信しています。Holoscan for Media 上で動作する当社の M2L-X ソフトウェア スイッチャーのプロトタイプは、顧客が GPU クラスター上でソニーのソリューションを実行できる方法を示しています」

デジタル メディア ソフトウェアおよびソリューションのプロバイダーである Telestream のシニア バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャーの Charlie Dunn 氏は次のように述べています。「Telestream は、品質と使いやすさを犠牲にすることなく、効率性とコンテンツ体験を向上させ、メディア環境を変革することに取り組んでいます。当社は、Holoscan for Media プラットフォームを INSPECT IP ビデオ モニタリング ソリューションにシームレスに統合し、ST 2110 準拠を可能にする明確かつ効率的な手段を実現しました」

NAB Show で Holoscan for Media を体験

上記でご紹介したパートナー企業は、4 月 13 日から 17 日までラスベガスで開催されたブロードキャスト、メディア & エンターテインメント業界向けのイベントである NAB Show で、NVIDIA Holoscan for Media をどのように使用しているかを実演しました。

Dell Technologies のブースでは、Holoscan for Media 上での開発について理解し、プラットフォーム上で実行されているアプリケーションを深く知ることができます。生成 AI、ソフトウェアデファインド ブロードキャスト、没入型グラフィックスに関するセッションやデモの詳細など、NAB Show での NVIDIA のイベントについてはこちらをご覧ください。