GPU テクノロジ・カンファレンスが 5 都市目となるここ東京で先日開催されました。2,600 名を超える大観衆が参集しました。ここ数週間で開催され、いずれも満員となった北京、台湾、アムステルダム、メルボルンでの GTC イベントに続くものです。
8 年目を迎えた GTC Japan では、人工知能(AI)、ロボティクス、自律走行車のテクノロジにおける主要なトレンドが焦点となっています。来場者は、自律走行車、ディープラーニング、スーパーコンピューティングと HPC、プロフェッショナル向け視覚化と仮想現実 (VR)、グラフィックス仮想化といった分野を取り上げた 8 つのトラックで行われる 70 のセッションに参加しました。
NVIDIA CEO のジェンスン・フアン (Jen-Hsun Huang) はイベントの開幕にあたり、世界は AI 革命のさなかにあり、それは GPU コンピューティングが牽引するところが大きいと語りました。
AI の威力の実演として、フアンはディープラーニングのデモを披露しました。このデモは、ライブ動画にリアルタイムのアーティスト・フィルタを適用するものです。Artisto が開発したこの技術を活用すれば、動画をダリやヴァン・ゴッホといった著名な画家の作品のように見せることができると、フアンは語りました。
日本を「ロボティクスの震源地」と称するフアンは、自動化工場とロボティクスの世界的リーダーであるファナックと新たに提携することを発表しました。フアンによれば、NVIDIA はファナックが自社のロボットおよび工場システムに AI を実装できるよう支援していきます。このロボットおよび工場システムは現在、主に米国および日本での自動車組み立てに用いられているものです。ディープラーニングを活用すれば、ロボットが実行すべき機能を苦労して 1 つ 1 つプログラムせずとも、ロボット自ら学習することが可能になります。
「未来の工場は、AI の力が欠かせないものとなるでしょう」とフアンは述べました。「ロボットは人間と密接に協力して働き、自ら学習できるようになるのです。」
カンファレンス会場の大通路にはロボットが並びました。トヨタ、エアロセンス (ソニーと ZMP の共同所有)、千葉工業大学といった十数にのぼる企業、大学による独創的な作品です。いずれも NVIDIA Jetson が搭載されたこのロボットたちは、重い荷物を持ち上げることから工業検査に至るまで、重要なタスクの実行を支援する自律ロボットやドローンを生み出すうえで、ディープラーニングやコンピュータ・ビジョンがいかに役立つかの実例です。
左から右へ: サイバーダインのロボットスーツ HAL は、人のリハビリ支援や動作支援に活用される。千葉工業大学のロボットは、ディープラーニングとコンピュータ・ビジョンを利用してサッカーボールを認識し、蹴ることができる。アクティブリンクのパワーアシストスーツは、ユーザが重量物を移動させる際にサポートし、レスキュー活動や農業、建設現場で活用できる。宇都宮大学の移動ロボットは、自律ナビゲーションにディープラーニングを利用。トヨタの生活支援ロボットは、健康管理やリハビリを支援。
これまでのGTCと同様に、NVIDIA ディープラーニング・インスティテュートは聴衆で満員となりました。300 名を超える開発者やプログラマがテクニカル・セッションに参加し、ディープラーニングについての手ほどきを受け、物体検出や画像セグメンテーション、ニューラルネットワークの展開について学びました。
さらに 3 都市での地域GTCが、今後数週間のうちにワシントン DC、ソウル、ムンバイで開催されます。