研究者がGPUを利用して巻き起こしたディープラーニング革命は、コンピュータに超人的能力をもたらしました。
GPUは、業界標準のベンチマークであるImageNetで、すでに画期的な成果を実現しています。また、Facebookの「Big Sur」ディープラーニング・コンピューティング・プラットフォームで利用されているほか、幅広い分野でディープラーニングの重要な発展を加速させています。
今やGPUは、ディープ・ニューラル・ネットワークのトレーニングにおける主力テクノロジです。それらのシステムによって、コンピュータは、人間と同様に(場合によっては、人間よりも確実に)パターンや物体を識別できるようになりました(「GPUによるAIの高速化――新たなコンピューティング・モデルの誕生」を参照)。
しかし、これらのネットワークのトレーニングは、ほんの始まりにすぎません。
トレーニングが完了したら、ネットワークは「推論」の領域に展開され、結果を「推論」するためにデータを分類します。この作業には、既知のパターンや物体を識別するために、トレーニング済みのネットワークに基づく何十億という計算が必要になります。たとえば、音声対応のインターネット検索や、自律走行車での歩行者検出を思い浮かべてみてください。
パフォーマンスとエネルギー効率
ここでも、GPUは多大な貢献を果たします。
最近のホワイトペーパーでは、AlexNetニューラル・ネットワークを使用した画像分類において、NVIDIAのGPUとTegra SoCsが、CPUよりも高いパフォーマンスとエネルギー効率を達成できるしくみが説明されています。
NVIDIAでは、GPUがディープラーニングによる推論にもたらす利益を高める取り組みを続けています。
その一環として、NVIDIA GPU推論エンジン(GIE)が挙げられます。GIEは、アプリケーション展開用のパフォーマンスの高いニューラル・ネットワーク推論ソリューションです。GIEによって、開発者は、Web、組み込み、自動車などの用途向けに最適化された、トレーニング済みのニューラル・ネットワーク・モデルを開発できます。また、NVIDIA GPUで最速の推論パフォーマンスを実現することもできます。
主要なWebおよびテクノロジ企業がGPUの活用に乗り出す
その結果、主要な組織が、GPUアクセラレーテッド・コンピューティングをさまざまな推論タスクに活用し始めるようになりました。
Twitterでは、何百万という画像、動画、GIFを含む大量のコンテンツが日々共有されています。Twitter Cortexチームは、GPUアクセラレーテッド・ディープラーニングを利用し、その大量のコンテンツをリアルタイムで処理し、ユーザーが自分に適したコンテンツを検索できるようにしています。
Twitter Cortexのエンジニアリング・マネージャであるケビン・クイネッセン(Kevin Quennesson)氏は、次のように述べています。「NVIDIAのGPUを利用することで、CPUを利用するよりも設備投資を削減できました。また、Twitterの最先端モデルのトレーニングをほんの数時間で完了できるようになりました」
これは、Twitterに限ったことではありません。
Alibaba Groupのクラウド・コンピューティング事業であるAliCloud(中国最大のパブリック・クラウド・プラットフォーム)は、Tesla GPUを利用したテストで、画像認識/分類および音声認識のディープラーニング・パフォーマンスを大幅に向上させています。
また、中国でもっとも人気の高い、最大の直接電子商取引企業であるJDは、GPUアクセラレーテッド・ディープラーニングを利用して、オンライン・サービスでの問題を顧客が解決できるように支援する、オンライン・カスタマ・サービス・ロボット「JIMI」を開発しました。
GPUアクセラレーテッド・ディープラーニングの詳細については、NVIDIAのWebサイトをご覧ください。
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