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教師は不要: Helm.ai、目指すは自動運転車開発の効率化

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人間のドライバーが運転席に座る必要をなくすには、開発ラボの段階から人間の手間をなくす必要があるのではないでしょうか。

最近前触れなく颯爽と現れたスタートアップ、Helm.ai (米カリフォルニア州メンローパーク) は、自動運転車の開発サイクルに潜むボトルネックを「教師なし学習」 (Unsupervised Learning) と呼ばれる一種の AI トレーニング手法によって劇的に減らすことを目指しています。能動学習 (Active Learning) など他の高度な学習ツールと同じく、教師なし学習でも人間アノテーター (ラベル付け担当者) の負担を減らすインテリジェントなトレーニング アプローチをとります。

人間が運転席に座ることなく自動運転車が安全に走行するには、数ペタバイト (ギガバイトの 100 万倍) 単位の膨大なデータからの学習は欠かせません。比較的低いレベルの自動化 (レベル 2+ やレベル 3 の AI アシスト走行など) でさえ、効果的に運用するには強度のトレーニングが必要になります。

その大量のデータに組み込まれているのは、何百万ものフレームに含まれる歩行者や車両、標識などの物体の画像です。教師あり学習 (Supervised Learning) の場合、ディープ ニューラルネットワークが自力でそれらの物体を学習して認識できるようにするには、すべての物体にラベルを付けなければなりません。そのとてつもないコストと時間、労力のかかるプロセスが、新たな機能を短期間で開発して繰り返す作業を難しくしています。

Helm.ai は NVIDIA Inception Program のメンバーであり、自社の教師なし学習手法の運用に NVIDIA のデータ センター用 GPU の優れたパフォーマンスを活かして、自動運転アルゴリズムのトレーニングを行っています。またこのスタートアップは、車両内でも NVIDIA 製品を利用しており、自社の自動運転ソフトウェアを NVIDIA DRIVE AGX Xavier 上で実行しています。

補助輪を取り外す

教師なし学習は、ラベル付けされたデータを使用しないニューラルネットワークのトレーニング手法です。AI 研究における未解決の領域で、さまざまな種類が存在します。たとえばこれまでのアプローチには、データ内の新たなパターンを見つけることを目的としたものや、データ プールに前処理を施すものなどがあります。

Helm.ai は現在、教師なし学習とともに数学的モデリングの適用範囲を広げ、自動運転車のトレーニングを効率的に拡大する取り組みを進めています。

同社が目指しているのは、従来のアプローチを追求することではなく、教師なし学習を極めて、大規模な車両データと大勢の人間アノテーターの必要性をなくすことです。その結果、より短期間・低予算で自動運転機能を実現できる、スケーラブルな AI ソフトウェアを生み出すことを目標としています。

Helm.ai の創業者兼 CEO であるウラジスラフ ボロニンスキー (Vladislav Voroninski) 氏は、次のように述べています。「当社は、従来のアプローチでは対応できていないと感じるいくつかの重要な課題を見つけました。特に、AI ソフトウェアのスケーラビリティや精度に関することです。そこで、さっそくプロトタイプを何点か作成し、実際に課題解決まで持っていけると確信できるだけの手ごたえを得ました。最先端の応用数学を利用する当社のテクノロジによって、ディープラーニングの可能性を最大限に引き出し、安全な自律システムを大規模に展開できるようにしたいと考えています。」

ハイパフォーマンス コンピューティングでイノベーションを創出

こうしたブレークスルーを AI トレーニングで達成するため、Helm.ai では業界をリードするコンピューティングをデータ センターと車両に採用しています。

データ センターに NVIDIA V100 Tensor Core GPU を取り入れることで、コストのかかる障害を発生させずにペタバイト単位のデータを処理できるようになり、Helm.ai の教師なし学習のような高度な学習手法の実現が可能になります。

トレーニングが完了したら、NVIDIA DRIVE AGX Xavier AI コンピューティング プラットフォームを用いた同社のレベル 2+ 自動運転ソフトウェアのテストに進むことができます。DRIVE AGX Xavier は、レベル 2+ とレベル 3 の自動運転に対して毎秒 30 兆回もの演算を処理できる能力を備えています。

その中心には、史上初の量産車グレードのシステム オン チップ (SoC) である、Xavier SoC が搭載されており、6 種類の内蔵プロセッサが高パフォーマンスのエネルギー効率に優れた AI コンピューティングを実現します。

Helm.ai と NVIDIA は、AI トレーニングの精度とコスト効率を上げ、業界が人や物の動きを変える輸送技術を安全に展開できるようにします。


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