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誰もが童心に帰って楽しくAIを習得できるJetRacerハンズオン

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NTTコム エンジニアリングで自社のAI人材教育プログラムに活用

Jetson Nanoが発表されてから、その安価で使いやすいプラットフォームを活用したAIを学ぶためのアプリケーション例が世界中でシェアされています。その中から、NVIDIAが公開しているAIラジコンのプロジェクトであるJetRacerを自社のAI人材教育プログラムに活用したのがNTTコム エンジニアリングです。

NTTコム エンジニアリングでは社内でのAI教育の取り掛かりとして、まず最初に日本ディープラーニング協会が実施するG検定の受検を広く社内で推奨し、ディープラーニングに関する包括的な基礎知識を有する人材を、部門や階級を問わずに広く育成するところから始めました。そしてその次のステップとして、実際に自分たちで手を動かしてディープラーニングのパワーと可能性を体得するためにJetRacerを教材としてハンズオンセッションを実施しました。

ハンズオンセッションには社内からの希望者が100名ほど集まり、3回に分けて開催されました。講師を務めたのは宇都宮大学で JetBot の講義を担当する株式会社 Fabo の佐々木 陽氏です。受講生の技術的なサポートを行う TA (Teaching Assistant)は全て社内のエンジニアやHR部門社員が担当しました。
組み立てからマシンの駆動、ニューラルネットワークの学習やデプロイといった込み入った技術的なサポートをするために、普段は技術にあまり携わることのないHR部門担当者も事前にしっかり準備をし、ハンズオンの TA を務めました。

研修会場に到着した参加者がまず目にするのは1人1人の机の上に置かれたJetson Nano 開発者キット、ラジコンキット、プロポといった、まるでクリスマスプレゼントであるかのような教材セット。これを見ただけで参加者のモチベーションは一気に最高潮に達します。
午前中はラジコンの組み立てと、 Fabo によってカスタマイズされたパーツを組み合わせてラジコンにJetson Nanoやカメラ、バッテリー等を組みつける作業を黙々と進めていきます。

その後 Jetson Nano上で起動しているJupyter notebookへアクセスし、JetRacerのPythonのコードを実行しながら、走行データ収集のための下準備をし、準備ができた人からコースに出て走行データの収集を行いました。
コース上の様々な位置にマシンを置いて、Jupyter notebook上で構築されたツールを使って画像データを集めていきます。ある程度のデータセットが集まったらそのデータを使ってJetson Nano上でニューラルネットワークモデルの学習を開始します。
JetRacerを自律走行させる程度のデータセットであれば、転移学習を活用することによってクラウドやオンプレミスサーバーなどのパワフルなGPUリソースを使わなくてもJetson Nanoで学習できます。この点が今回のハンズオンを実施しやすくしているアドバンテージの1つとも言えます。
学習済みモデルが完成したらそのモデルを読み込んで自律走行のための推論を行うのもJupyter notebookのコードを実行していくだけなので、参加者の多くの方が自律走行させるところまでスムーズに到達できました。

今回のハンズオンではAI開発の一連のワークフロー体験を主目的としているため、収集したデータ数や学習時間等に制限があったのですが、それでも限られた研修時間内にコースをきれいに自律走行させることができた参加者が多数おりました。

ハンズオン研修会の集大成として、タイムトライアル走行会が開催されました。3回のハンズオン研修に参加した総勢100名強の中から参加希望者22名がエントリーし、世界のDIY Robocarsでも使用されている標準コース上でベストタイムを競い合いました。

走行会当日は観客数が多く、コース脇まで人いるなど、事前のプラクティスとは違う会場のコンディションに悩まされ、練習通りのタイムが出なかった方や、好タイムを狙うために攻めのスピード設定にしてコースアウトしてしまう方など、本物のレースさながらの数々のドラマがありました。
そんな中、安定した走りをみせて8秒台~9秒台前半のタイムを叩き出した上位2名が、本タイムトライアル走行会の上位入賞プライズであるGTC 2020への切符を手に入れました。この2名はGTC 2020で開催されるDIY Autonomous Car Raceに日本代表として参加予定です。

今回の一連のJetRacerハンズオン研修プロジェクトを振り返って、本プロジェクトのリーダーであるNTTコム エンジニアリングのテクニカル ディレクターである佐々木 淳氏は次のように述べています。
「昨年、あるコミュニティーのイベントでJetBotを教材としたハンズオンを実施していたのを見たときに、ぜひ社内の研修で使いたい、と思いました。研修の検討を進めているうちに、今度はJetRacerがオープンソースで公開されたので “これだ!” と思いました。今回の研修では参加した誰もが自分たちで手を動かしながら楽しくAI実装の基本となるワークフローを体得できたと思います。今後もNVIDIAから楽しみながらAIやディープラーニングを学べる素材が提供されることを期待しております」

冒頭でも触れたとおり、今回のハンズオン研修には理系、文系、入社年数、役職を問わず社内の多くの人に参加の機会が与えられました。タイムトライアル走行会には代表取締役社長の荒本氏をはじめ多くの役員の方々も参加され、今回のNTTコム エンジニアリングの取り組みは、まさに組織のすべての階層が全力で社内のAI人材育成を支援する活動事例といえます。


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