仮想現実(VR)は現在、PCゲームの分野で大きな注目を集めており、それには十分な理由が存在します。VRは強力な没入感にあふれ、単にコンピュータの前に座っているのとは大きく異なる体験を得られます。
またこの体験は人と製品との関わりをより良く伝えることができるため、企業もまたVRテクノロジーを導入しています。
このようなVRは物理的なプロトタイプ作成に先立ち、製品のモデルをデジタル的に作り出すため使用されます。あるいはヒューマンファクターやユーザーエクスペリエンスを理解するためにも使用されます。最新のVRテクノロジが役立つデザイン分野は数多く存在します。
プロフェッショナルデザイナーのVRに対するニーズに応え、NVIDIAは今週のSIGGRAPHカンファレンスにてDesignWorks VRを公開しました。
DesignWorks VRは、VRヘッドセットとアプリケーションデベロッパーのどちらにも驚くほど高品質なVRエクスペリエンスを可能にする、NVIDIAによるAPI、ライブラリなどの開発環境です。DesignWorks VRには、Head Mounted Displays(HMD)、CAVEやその他の没入型ディスプレイなどのImmersive VR空間、およびクラスタソリューションがコンポーネントとして含まれます。
DesignWorks VRはNVIDIAがすでに持つゲームデベロッパー向けのGameWorks VR SDKを基盤とし、OpenGLのサポート強化とプロフェッショナルなVRアプリケーションに不可欠な機能が加えられています。
DesignWorksを通じ、VRデベロッパーは完全な没入感を持つ双方向のエクスペリエンス構築の限界を超えることができます。
プロダクトデザインのためのVR
車両制作にVRを使用した初めての自動車会社であるフォード(Ford Motor Company)は、NVIDIAのブース(#500)において過去数年にわたり行ってきたVR中心の自動車開発を展示します。
世界中に分散したフォードのエンジニアとデザイナーは、超高解像度の仮想現実空間において作業を行いました。これは物理的なプロトタイプ作成に先立ち、デジタルのプロトタイプに対して同時に作業を加えるうえで役立ちました。
「Ford Immersive VR Environment(FiVE)の開発を初めとした仮想現実への移行を続けることにより、フォードはリアルタイム、フルスケール、かつコンテキストに沿った形で車両プロトタイプを検討できるようになり、没入型の3Dビジュアル環境にエネルギーと感性的な要素だけでなく精度も実現しています。」
フォードのデジタルモデルはAutodesk VRED 3Dにより作成され、2枚のハイエンドQuadro M6000グラフィックスカード上で動作します。自動車デザイナーとエンジニアはOculusヘッドセットを装着し、デザインのエクステリアとインテリアのすべてについて検証を行うことができます。
この双方向のデジタルプロトタイプにより、デザイナーはフォトリアルなディテールを高度なレベルで検証することができます。従って、たとえばダッシュボードやテクスチャなど、それぞれのデザインエレメントがどのように見えるかを検証することができます。あるいは照明器具のサイズや明るさなど、個々のデザインエレメントの位置や形状の検討も可能です。DesignWorks VR内で新しいツールを使うことにより、フォードとAutodeskはデモのスムーズさと双方向性を大きく改善することができました。
–フォード仮想現実および高度視覚化技術専門家エリザベス・バロン(Elizabeth Baron)氏
映画のためのVR
©2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.
SIGGRAPHを訪れる方はぜひNVIDIA Best of GTC Theaterに立ち寄り、AudiやVideostichをはじめとする企業がデザインにVRをどのように活用しているかをご覧ください。スケジュールはこちらでご確認ください。
DesignWorks VRの詳細とSDKの入手は、こちらのNVIDIAのデベロッパー向けウェブサイトをご覧ください。