NVIDIA、無償版のOmniverseを全世界の数百万人の個人クリエイターおよびアーティストに提供開始

投稿者: Richard Kerris

新機能とツールが追加された、NVIDIAのリアルタイム3D デザイン コラボレーションとシミュレーション プラットフォームを、RTX GPU 搭載 NVIDIA GeForce Studio を利用しているクリエイターに提供

仮想世界をつなぐ基盤となるNVIDIA Omniverseを、GeForce RTX および NVIDIA RTX GPU を活用している、数百万人のNVIDIA Studio クリエイターが利用できるようになりました。

CES での特別講演において、NVIDIA は Omniverse Machinima および Omniverse Audio2Face のための新しいプラットフォームの開発、Nucleus Cloud や 3D マーケットプレイスなどの新しいプラットフォームの機能、ならびにエコシステムのアップデートについての発表も行いました。

NVIDIAのリアルタイム3D デザイン コラボレーションおよび仮想世界シミュレーション プラットフォームである Omniverse により、アーティストやデザイナー、クリエイターは、自身のノート PC またはワークステーションで、主要なデザイン アプリケーションを使い、3D のアセットやシーンを制作できるようになります。

1 年前にオープンベータが公開されて以降、Omniverse は、10 万人近くのクリエイターがダウンロードしており、クリエイターは、そのコアとなっているレンダリング物理演算 および AI といったテクノロジを活用して、自身のワークフローを加速しています。

上海のデジタル アーティストで Omniverse クリエイターである、チェロン シュー (Zhelong Xu) 氏は、次のように話しています。「このテクノロジにより、コンテンツ クリエイターは、単なる高速なレンダラー以上のものを手に入れることができます。NVIDIA Omniverse と RTX は、無限の可能性を秘めた強力なプラットフォームをアーティストに提供してくれます」

シュー氏のようなクリエイターは、Omniverse のツールを使って、次世代のウェブに必要とされる、膨大な量のコンテンツを制作し、コラボレーションしています。クリエイターは、商業、エンターテインメント、創作および産業のための、相互接続が可能な、3D の仮想世界を構築しようとしています。

これらの境界のない世界は、店舗、住居、ロボット、工場、博物館などの、膨大な量の 3D コンテンツで満ちています。このようなコンテンツの制作は、通常、複数のツールが必要となり、これらのツールにはしばしば互換性がないため困難です。

Omniverse により、これらの独立した 3D デザインの世界を結びつけ、共通の仮想シーンを生み出すことが可能となります。

20 年以上にわたる、NVIDIA の画期的な取り組みの集大成である Omniverse は、グラフィックス、AI、シミュレーションおよび大規模な演算を単一のプラットフォームに集約し、既存の 3D ワークフローを向上させます。

Omniverse が個人ユーザーに無料で提供されることにより、GeForce RTX Studio を使用しているクリエイターは、お気に入りの 3D デザイン ツールを 1 つのシーンに接続し、さまざまなアプリケーションを横断して作成および編集ができるようになります。

NVIDIA Omniverseはこちらからダウンロードが可能です。

プロフェッショナル チーム向けの有料サブスクリプションである Omniverse Enterprise は、11 月の GTC で発表され、NVIDIA のグローバル パートナー ネットワークを通じて販売されています。本日の発表で、個人のクリエイターも Omniverse の機能を今後利用できるようになります。

Omniverse の新機能

Omniverse 内の新機能には、以下が含まれています。

  • Omniverse Nucleus Cloud の「ワンクリック コラボレーション (one-click-to-collaborate)」により、大規模な Omniverse 3D シーンを簡単に共有できるようになり、アーティストは大容量のデータセットを移動させることなく、部屋または国境を越えて共同作業できるようになります。アーティストが変更を加えると、その変更がクライアントに反映されます。クラウドでドキュメントを共有するように、3D シーンを共有することができます。
  • 3D マーケットプレイスおよびデジタル アセット ライブラリが Omniverse のエコシステムに新たに対応し、クリエイターはシーンをより簡単に制作できるようになります。Shutterstock の TurboSquidCGTraderSketchfab、ならびに Twinbru から、数千のクリエイター向け Omniverse 対応アセットがリリースされています。これらはすべて、Universal Scene Description (USD) フォーマットで提供されており、Omniverse Launcher から直接入手できます。Reallusion の ActorCoreDaz3D および e-on softwareのPlantCatalogも、独自の Omniverse 対応アセットを近日リリースする予定です。
  • ゲーム好きの RTX クリエイター向けの Omniverse Machinima にて、『Mechwarrior 5』と 『Shadow Warrior 3』、『Mount & Blade II:Bannerlord』および『Squad』といった人気ゲーム タイトルのキャラクター、オブジェクトおよび環境を、新たに無料でMachinima ライブラリのアセットで使用できるようになります。クリエイターは、これらのアセットを自身のシーンにドラッグ&ドロップすることで、独自のゲーム シネマティクスをリミックスおよび再現できます。
  • オーディオトラックだけで 3D フェイスを瞬時にアニメーションさせることのできる、画期的な AI 対応アプリケーションである Omniverse Audio2Face が、ブレンドシェイプに対応し、 Epic の MetaHuman Creator アプリケーションに直接エクスポートできるようになりました。煩わしい手作業でのブレンドシェイピング プロセスを AI が行うことで、アーティストやクリエイターはクリエイティブ ワークフローにより多くの時間を割けるようになります。

Omniverse エコシステムの拡大

NVIDIA Omniverse のエコシステムは、多くのパートナーのよって構築された新しいOmniverse Connectors、エクステンション、ならびにアセット ライブラリによって、さらに拡張されています。

現在、Autodesk 3ds MaxAutodesk Maya および Epic Games の Unreal Engine などのアプリケーションに対応するコネクターが 14 あり、さらに Adobe Substance 3D Material Extension に対応するものなど、多くのコネクターがまもなく登場する予定です。

最新の Omniverse Connectors、エクステンションおよびアセット ライブラリには、以下となります。

  • e-on software の VUE は、空やボリュメトリック クラウドから地形、大規模な生態系、風にそよぐ草花、水面、道路および岩に至る自然を、すべて自然界のルールにもとづき、デジタル 3D で作成できるようにするオールインワンのアプリケーションであり、Omniverse のステージにすべてのシーンの修正を直接同期させる、ネイティブの Omniverse ライブ リンク コネクターが実装されています。
  • e-on software の PlantFactory を使えば、植物作成用のアプリケーションを通じて、小さな葉の集まった小枝も、セコイアのような巨大な樹木も、最初からモデリングすることができます。風のようなアニメーションにも対応し、PlantFactory から Omniverse へのダイレクト リンクを含む、さまざまなフォーマットでアセットをエクスポートすることができます。
  • e-on software の PlantCatalog は、作成済みの120 種類を越えるプロシージャル植物アセットを提供します。
  •  Twinbru は、「物理的なファブリックのデジタルツイン」のために、ドレーパリー、シアー、カーテン、クッションなどの室内外のファブリックを再現し、21,000種類の異なったファブリックと 11,000種類 のデジタル ファブリック ツインを高品質かつ物理的に正確に生成します。Omniverse にこれを組み込みことにより、製造と建築のデザインを効率化することができます。

CES でのすべての発表内容については、オンデマンドで NVIDIA の特別講演を視聴ください。

クリエイターは、NVIDIA Omniverse の無料ダウンロード、NVIDIA Omniverse ギャラリーへの作品投稿、ならびにNVIDIA のフォーラムMediumTwitterYouTubeTwitch および Discord サーバーを通じてリソースを検索することができます。