NVIDIA、エージェント型 AI ブループリントと通信事業者向けリーズニング モデルで自律型ネットワークを進化

新しいオープンソースの大規模通信事業者向けモデルと NVIDIA Blueprint により、通信事業者は独自のデータを使用してAIエージェントをトレーニングし、自律型ネットワークを構築可能に
投稿者: Amogh Dendukuri

自律型ネットワーク(インテリジェントで自己管理型の通信オペレーション)は、通信事業者にとって将来のビジョンから現在の優先事項へと移行しつつあります。NVIDIA の最新の「通信業界におけるAIの現状」レポート では、ネットワーク自動化が投資と投資収益率の両面で AI 活用における最重要事例として浮上しました。

自動化は自律性とは異なります。自律型ネットワークは、事前定義されたワークフローを実行するだけでなく、オペレーターの意図を理解し、トレードオフを考慮し、適切なアクションを決定する必要があります。通信データに基づいてファイン チューニングされたリーズニング モデルと AI エージェントは、この変化を実現する鍵となります。

ネットワークを自律的に動作させるには、通信事業者ネットワーク モデルや AI エージェントといった主要コンポーネントを含む、エンド ツー エンドのエージェント システムが必要です。これらのコンポーネントは相互に通信し、ネットワーク シミュレーション ツールを使用して動作を検証します。

Mobile World Congress Barcelona に先立ち、NVIDIA はオープンな NVIDIA Nemotron ベースの大規模通信事業者モデル(LTM)、ネットワーク運用のためのリーズニング エージェント構築のための包括的なガイド、そしてマルチ エージェント オーケストレーションによる省エネとネットワーク構成のための新しい NVIDIA Blueprint を発表しました。これらは通信事業者の自律化に向けた前進を支援します。

そして、GSMA の新しい Open Telco AI イニシアチブの一環として、NVIDIA はモバイル通信業界の団体である GSMA を通じて、新しいオープンソース LTM、実装ガイド、そしてエージェント型 AI ブループリントをオープンリソースとして公開します。

オープンな Nemotron 3 大規模通信事業者モデル(LTM)が通信業界にリーズニング機能をもたらす

通信事業者が生成 AI とエージェント型AIを業務全体で効果的に運用するには、AI モデルが通信業界の言語を理解し、複雑なワークフローを通じてリーズニングする能力を備えている必要があります。NVIDIA は AdaptKey AI と提携し、世界中の通信事業者が自律型ネットワークの構築に使用できる、300 億パラメータの新しいオープンソース NVIDIA Nemotron LTM をリリースしました。

NVIDIA Nemotron 3 ファミリーの基盤モデルをベースとし、業界標準や合成ログなどのオープンな通信データセットを用いて AdaptKey AI によってファインチューニングされたこの LTM は、通信業界の用語を理解し、障害の特定、修復計画、変更検証といったワークフローを通じてリーズニングするように最適化されています。

オープンモデルである Nemotron LTM は、通信事業者にトレーニング方法と使用されたデータに関する完全な透明性を提供し、ネットワーク内で安全かつ迅速にオンプレミス展開し、エージェントを直接構築および実行できるようにします。また、通信事業者は、通信に合わせて調整されたリーズニングを自社のネットワークと運用データに安全に適応および拡張できるため、データやセキュリティの制御を犠牲にすることなく、自律的な運用に移行できます。

AI エージェントにネットワークエンジニアのようなリーズニングを学習させる

NVIDIA と Tech Mahindra は、通信事業者がドメイン固有のリーズニング モデルをファインチューニングし、ネットワーク オペレーション センター(NOC)のワークフローを安全に実行できるエージェントを構築する方法を示すオープンソースガイド を公開しました。

このガイドは、モデルに NOC エンジニアのようなリーズニングを学習させるためのフレームワークを概説しています。影響度が高く発生頻度の高いインシデントカテゴリに焦点を当て、専門家による解決策を段階的な手順に翻訳し、それらを各アクション、ツール呼び出し、結果、決定を捉えた構造化されたリーズニング トレースに変換します。これらのトレースは、モデルが学習する「思考例」となり、何をすべきかだけでなく、特定のチェックと修正のシーケンスがなぜ安全かつ効果的であるかを理解します。

NVIDIA NeMo-Skills パイプラインを使用することで、通信事業者はこれらのトレースに基づいてリーズニング モデルをファインチューニングし、ネットワーク エンジニアのようにリーズニングして問題を解決できる通信事業者向け AI エージェントの基盤を構築することができます。

新たなインテントドリブン型省エネ ブループリントでエネルギー効率を最大化

自律型ネットワークは、閉ループ オペレーションに依存しています。ネットワークを理解するモデル、インテントに基づいて行動するエージェント、そして結果をシステムにフィードバックして意思決定を検証および改善するシミュレーションです。新しい インテント ドリブン型 RAN エネルギー効率のための NVIDIA Blueprint は、これらの要素を統合し、通信事業者が 5G 無線アクセスネットワーク(RAN)における電力消費を体系的に削減しながら、サービス品質を維持できるよう支援します。

このブループリントは、ネットワーク テストおよび計測のリーダーである VIAV のTeraVM AI RAN Scenario Generator(AI RSG)プラットフォームを統合し、セル使用率、ユーザースループット、その他のトラフィック パターンを含む合成ネットワークデータを生成し、シンプルでクエリ可能な形式に変換します。

次に、エネルギープ ランニング エージェントが合成データに基づいてリーズニングを行い、AI RSG でシミュレーション可能な省エネポリシーを生成します。これにより、通信事業者は、実環境の構成を変更したり加入者に影響を与えることなく、インテントを満たす省エネポリシーを閉ループで安全に検証できます。

通信事業者が NVIDIA のネットワーク構成向けブループリントを活用

通信事業者ネットワーク構成向け NVIDIA Blueprint は、世界中の通信事業者に採用されています。

Cassava Technologies は、このブループリントを活用し、アフリカの多様でマルチ ベンダーなモバイル ネットワーク環境を最適化するために設計されたエージェント型プラットフォーム「Cassava Autonomous Network」 を構築しています。このプラットフォームは 3 つのエージェントを実装しています。1つはネットワークを監視し、構成変更を推奨するエージェント、1 つはドキュメントとガバナンスに基づいて変更を適用するエージェント、そしてもう1つは変更の影響を評価し、意図しない影響が生じた場合は安全にロールバックするエージェントです。

NTT DATA は、トラフィック制御にインテリジェンスを導入し、障害後のユーザーの再接続時にネットワークが急増するトラフィックを管理できるようにするために、このブループリントを実装し、日本の Tier 1 通信事業者に展開しています。

AI エージェントは、ネットワーク全体のリアルタイムの需要を把握し、特定のセルに新規ユーザーを許可するタイミングと方法を決定します。状況が安定すると、エージェントは決定を適応させ、従来の手動設定を、データ駆動型の最適化サイクルに変換することにより、モバイル ネットワークのより耐障害性が向上します。

マルチエージェント オーケストレーションによるネットワーク構成の進化

通信事業者が RAN 全体にわたる複雑なエージェント型ワークフローを設計、監視、最適化できるよう、NVIDIA と BubbleRAN は、マルチエージェント オーケストレーションのための補完的なフレームワークである NVIDIA NeMo Agent Toolkit (NAT) と BubbleRAN Agentic Toolkit (BAT) を活用し、通信事業者ネットワーク構成向け NVIDIA Blueprint を強化しています。

BubbleRAN は、NAT と BATを Opti-Sphere プラットフォームに統合することで、コンテナやワークロード全体にわたってネットワーク監視、構成、検証エージェントをより柔軟に管理し、ネットワーク指標やトラフィック状態を報告するツールに接続することで、構成変更を継続的に提案および検証を可能にします。

Telenor Group は、同グループの海上におけるグローバル接続プロバイダーである Telenor Maritime の 5G ネットワ​​ークを強化するため、BubbleRAN との提携によるブループリントを採用する最初の通信事業者となります。

3 月 2 日から 5 日までバルセロナで開催される Mobile World Congress で、通信向けエージェント型 AI の最新の進歩について詳細をご覧ください。

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