NVIDIA、NeuralVDB を発表、受賞歴に輝く OpenVDB に AI および GPU 最適化をもたらす

投稿者: Ken Museth

NeuralVDB が、煙、雲、その他のスパース ボリュメトリック データのメモリ使用量を最大 100 の 1 に削減

NVIDIA は本日、水や火、煙、雲と行ったスパース ボリュメトリック データのシミュレーションとレンダリングの業界標準ライブラリである OpenVDB に AI のパワーをもたらす NeuralVDB を発表しました。

SIGGRAPH で発表された NeuralVDB は、過去 10 年間の OpenVDB の発展に基づくもので、科学コンピューティングとビジュアライゼーション、医用画像処理、ロケット科学および視覚効果といった分野の専門家にとって革新的なものとなります。メモリ使用量を最大 100 分の 1 に削減することにより、クリエイター、開発者および研究者は、きわめて大規模で複雑なデータセットをリアルタイムでインタラクションすることが可能となります。

過去 10 年間、OpenVDB は、視覚効果業界を席巻するコア テクノロジとして、いくつものアカデミー賞を受賞してきました。それ以降、OpenVDB はエンターテインメントだけでなく産業や科学でも使用されるようになり、工業デザインやロボティクスなどの分野にもスパース ボリュメトリック データが浸透しています。

昨年、NVIDIA は OpenVDB に GPU 対応を加えたNanoVDB を発表しました。これによって劇的なスピードアップが可能になり、処理が高速化し、開発が簡単にできるようになったほか、リアルタイムのシミュレーションとレンダリングへの扉が開かれました。

NeuralVDB は機械学習の導入によって NanoVDB の GPU アクセラレーションを発展させたもので、メモリの使用量を大幅に削減する、コンパクトでニューラルな表現を生み出すことができ、3D データを OpenVDB を上回る解像度と規模で表現することができます。その結果、ユーザーは、個々のワークステーションだけでなく、ノート PC でも、膨大なボリュメトリック データセットを簡単に取り扱えるようになります。

NeuralVDB は、ボリューム データのメモリ使用量を NanoVDB の最大 100 分の 1 に圧縮することにより、OpenVDB に比べて効率性が大幅に向上しています。これにより、ユーザーは大規模で、複雑なボリュメトリック データセットをはるかに効率的に送信および共有できるようになります。

トレーニングを最大 2 倍スピードアップするために、NeuralVDB では 1 つのフレームの重みを後続のフレームでも使用することができます。また、NeuralVDB により、前のフレームのネットワーク結果を使用することで、ユーザーは時間的な一貫性 (つまり、滑らかなエンコーディング) を実現することができます。

メモリ要件の劇的な削減、トレーニングの高速化、および時間的な一貫性の実現という 3 重の効果により、NeuralVDB は、AI を活用した医用画像処理や大規模なデジタル ツイン シミュレーションのための膨大で複雑なボリューム データセットといった、科学および産業向けのユースケースの新たな可能性を押し広げられるようになります。

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SIGGRAPH での NVIDIA の特別講演をオンデマンドで視聴するとともに、SIGGRAPHで開催される NVIDIAのさまざまなイベントに参加し、グラフィックス、AI および仮想世界の最新のテクノロジ ブレイクスルーをご覧ください。