リンク・ディファレント――NVLinkを活用し、Summitスーパーコンピュータで次世代の研究を推進

投稿者: Ian Buck

新たなエネルギー源。気候変動に関する新たな知見。世界的にも治療が困難な病気に対する新たな治療法。世界を変えられるかもしれない研究を支援するため、いま、オークリッジ国立研究所にSummitというシステムが構築されようとしています。

これはGPUアクセラレーテッドのマシンで、2018年に完成して運用が始まれば、150ペタフロップスから300ペタフロップスもの処理能力を発揮すると期待されています。これは、オークリッジ国立研究所が持つ米国最速のスーパーコンピュータ、Titanの5倍以上の性能です。

この性能を十二分に活用しようと、けた外れのこのマシンにけた外れのアプリケーションがいろいろと集まってきました。その結果、本日、オークリッジ国立研究所は、CAAR(Center for Accelerated Application Readiness)で推進する予定のプロジェクト、13件を発表することになったわけです。


2020年代に建設が予定されている核融合炉のシミュレーションもSummitで行うことになっています。

予定されているプロジェクトは、宇宙物理から気候モデル、原子力、地震まで多岐にわたります。これらはいずれも、Summitでまっさきに行われることが予定されています。いまから準備を進めておけば、運用を開始したとき、最先端のこのマシンを十二分に活用できるわけです。

NVLinkに到達

Summitが採用するNVIDIAのVolta GPUアーキテクチャでは、NVLinkという最先端のテクノロジが使われています。

NVLinkは、Summitに搭載されたIBM POWER CPUとNVIDIAの次世代型GPUアクセラレータをまったく新しい高速インターコネクト・テクノロジで結ぶもので、両者のデータ交換速度を従来技術の5倍から12倍まで引き上げ、今回紹介したようなパワフルなアプリケーションの処理速度を高めることができます。


NVLinkインターコネクトでGPUとCPUのデータ交換速度が向上します。

GPUには、もちろん、長年にわたり、世界最速を誇るスーパーコンピュータの多くを支えてきた実績があります。ですが、いま、その性能には、現行テクノロジという足かせがはまっています。CPUとGPUやGPU同士を結ぶPCI Expressバスというものが足を引っぱっているのです。

この状況を変えられるのがNVLinkです。渋滞がひどい4車線の高速道路があったとしましょう。この高速道路を20車線まで広げたらどうなるでしょうか。もちろん、もっとたくさんの車がもっと速くA地点からB地点まで移動することができます。

これと同じで、NVLinkとは、スループットの超高速道路を作るような技術なのです。その結果、マシンの処理能力はあがりますし、処理の効率も上がります。

大事なのは科学

Volta、POWER、NVLinkのパワーを結集したSummitなら、まちがいなく、スーパーチャージャーとして科学的発見を推進するスーパーコンピュータになってくれるでしょう。世界を変える可能性を秘めたプロジェクト、CAARに選ばれたようなプロジェクトを支えるスーパーコンピュータに。

詳しくは、オークリッジ・リーダーシップ・コンピューティング施設のウェブサイトをご覧ください。NVLinkについての詳細は、こちらをご覧ください。