サイエンスが鍵: いかにしてJohnson & Johnsonは MLOps によってビジネスを強化したのか

投稿者: Isha Salian

ヘルスケア業界の大手企業であるJohnson & Johnsonは、製造、臨床試験登録、予測などを改善するために、ビジネス全体へのデータ サイエンスの導入を進めています。

同社のエグゼクティブ バイスプレジデント兼本社最高情報責任者であるジム スワンソン (Jim Swanson) 氏は、今春に開催された NVIDIA GPU テクノロジ カンファレンス(GTC)パネル ディスカッションで、次のように述べています。「本当は意思決定科学と呼びたいところです。単にモデルを構築するだけではなく、それらのモデルからどんな決定や洞察を引き出そうとするかが重要だからです。」

Machine Learning Operations (MLOps) は、企業が AI 運用を成功させるために活用できる一連のベスト プラクティスです。MLOps 戦略により、企業はデータを活用して難しい問題の答えを見つけたり、事業活動を目に見えて改善することができます。

例えば、Johnson & Johnsonはデータ サイエンス協議会を社内に設置し、スワンソン氏が「バイリンガル データ サイエンティスト」と呼ぶ、専門領域の深い知識とデータ サイエンスのスキルを兼ね備えた人材を育成しています。

「バイリンガル データ サイエンティストは、ビジネス上の主要な問題を理解し、データ サイエンスを行うスキルを備えています」とスワンソン氏は述べています。

ジム スワンソン氏、リーマ アラメッディン氏、およびニック エルプリン氏は、今春に開催された NVIDIA GTC21でJohnson & Johnsonにおけるデータ サイエンスについて議論しました。

スワンソン氏によると、この戦略は社内のデータ サイエンス コミュニティをビジネス ワークフローに統合して、機械学習モデルの応用、フィードバック、および効果の実現を迅速化するのに役立つほか、データ サイエンスを採用することへの躊躇を解消することもできます。

「このモデルは、従業員各自の事業領域に関するスキルという価値ある財産を置き換えるものではなく、独力では得られない長期的な視点を与えてくれるものだということを、本当に何度も繰り返して証明することによって示す必要があります」とスワンソン氏は述べています。

MLOps の導入が進むにつれて、エンジニアやデータ サイエンティストをサポートする強力な AI インフラストラクチャが必要になると述べたのは、パネリストで Domino Data Lab 社 CEO のニック エルプリン (Nick Elprin) 氏です。

エルプリン氏はまた次のように述べています。「悲しいことに、あまりに多くの企業がこのツールを内製しようとして貴重なエンジニアリング リソースを浪費にしています。それほど簡単なことではありません。NVIDIA GPU アクセラレーテッド Domino Data Lab などのサードパーティー プラットフォームから始めることをお勧めします。競合他社と差別化された、自社の事業に固有の問題の解決にエンジニアを集中させれば、はるかに大きな価値を創造してくれるはずです。」

NVIDIA は、企業の MLOps 導入を支援するために、NVIDIA DGX システムをベースとする AI インフラストラクチャを管理するための一連のオープンソース ツールを NGC ソフトウェア ハブ上で提供しています。ヘルスケア企業や医学研究者は、DGX システムと NVIDIA Clara アプリケーション フレームワークを使用して、電子カルテ (EMR) を解析するヘルスケア モデルを実行したり、計算創薬を促進したり、AI 対応医療機器や画像処理のワークフローを強化しています。

ビジョンからビジネス インパクトへ

Johnson & Johnsonでは、1,000 人を超えるデータ サイエンティストの配属に加えて、全社的なデジタル リテラシーの向上にも取り組んでおり、従業員が実務における機械学習モデルの可能性を理解できるように支援しています。

スワンソン氏は、Johnson & Johnsonがビジョン ケア事業の予測精度改善のために開催した社内ハッカソンを例に挙げました。アキュビュー コンタクト レンズ ラインの各製品を必要とする顧客数の予測精度を高めることにより、需要が高い製品を効率よく製造できるようになります。

Johnson & Johnsonは予測精度が向上するごとに「需要のある製品を市場に供給できるため」収益の増加につながる、とスワンソン氏は述べています。

Domino Data Lab の Enterprise MLOps プラットフォームを使用したそのハッカソンには、全社 (ほとんどはビジョンケア事業部以外) から多数のチームが参加し、調達チームが最も優れたモデルを開発しました。

「本当に大きな問題を解決し、大きな効果が得られたと同時に、参加者はそれまで知らなかった新しいツールについて学びました。単純なプロジェクトでも本当に重要な成果を見据えて進めることにより、驚くべきことを成し遂げることができるのです」とスワンソン氏は述べています。

NVIDIA On-Demand では、このパネル ディスカッション全体の動画のほか、多数の無料セッションをご覧いただけます。