NVIDIA が Isaac ソフトウェアへのアクセスと Jetson プラットフォームを拡大、クラウドからエッジまでのロボティクスを加速

投稿者: Gerard Andrews

Omniverse Cloud の Isaac Sim が Microsoft Azure に登場、スケーラブルなシミュレーションを実現。新しいJetson Orin Nano 開発者キットと、量産向け Jetson Orin ラインナップがロボティクス向けのアクセラレーテッド コンピューティング機能を提供

NVIDIA は本日 GTCにおいてOmniverse Cloud が Microsoft Azure で提供され、AI ベースのロボットを開発および管理するためのNVIDIAのプラットフォームであるIsaac Sim に、よりアクセスしやすくなったことを発表しました。

また、Jetson Orin モジュールの全てのラインナップが利用可能になり、エッジ AI およびロボティクス アプリケーションに飛躍的なパフォーマンスが提供されるようになりました。

NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、GTC の基調講演で次のように述べています。 「世界の主要な産業は物理的なものを製造していますが、それらをデジタルで構築したいとも考えています。Omniverseは、デジタルとフィジカルを橋渡しする産業向けデジタライゼーションのプラットフォームです」

仮想シミュレーションのための Omniverse Enterprise 上の Isaac Sim

現実の世界でロボットを構築するには、データセットをゼロから作成する必要があります。これには、時間と費用がかかり、展開に時間がかかります

そのため、開発者は合成データ 生成 (SDG)、事前トレーニング済みの AI モデル転移学習、ロボティクス シミュレーションに注目して、コストを削減し、展開に要する時間を短縮しています。

Omniverse Cloud のサービスとしてのプラットフォームにより、あらゆる場所の Azure 開発者が高度な機能を手に入れることができます。 これにより、企業が SDG などのロボティクス シミュレーション ワークロードをスケールできるようなり、開発/運用チームが Isaac Simを活用しながらコード変更の共有リポジトリで作業できるよう、継続的な統合と運用を提供します。

Isaac Sim は、フォトリアルで物理的に正確な仮想環境を推進するロボティクス シミュレーション アプリケーションおよび SDG ツールです。  NVIDIA Omniverseプラットフォーム上でIsaac Sim を使用すると、グローバル チームがリモートで共同作業を行い、ロボットの構築、トレーニング、シミュレーション、検証、展開を行うことができます。

クラウドで Isaac Sim にアクセスできるようにすることで、企業のチームメンバーは最新のロボティクス ツールとソフトウェア開発キットにアクセスし、より効果的に共同作業を行うことができます。 Omniverse Cloud は、自己管理型コンテナーに Isaac Sim を使用する既存のクラウド ベースの方法、または仮想ワークステーションや AWS RoboMaker などの完全に管理されたサービスで Isaac Sim を使用する方法に加えて、Azure のクラウドからのアクセス方法が追加され、多くの選択を企業に提供します。

また、Isaac Sim の SDG エンジンである Omniverse Replicator にアクセスすることで、エンジニアは量産品質の合成データセットを構築して、堅牢なディープ ラーニング認識モデルをトレーニングできます。

Amazon では Omniverse を使用し、現実世界に展開する前に、デジタル ツイン シミュレーションを使用して自律型倉庫を自動化、最適化、および計画しています。 Isaac Sim を使用して、Amazon Robotics は最新の自律走行搬送ロボット (AMR) である Proteus の機能も改善しています。 これによりAmazonは、コスト効率と時間効率の高い方法で数千件の注文に応えることができます。

BMW Group はオートメーション企業の idealworks と協力して、Omniverse 上の Isaac Sim を使用して合成データを生成し、AMR と工場のロボットをテストおよびトレーニングするためのシナリオを実行しています。

NVIDIA は、Isaac Sim のようなシミュレーションを使用したクラウドでのコンピューティングから、Jetson プラットフォームを使用したエッジまで、さまざまな AI ツールの開発に取り組んでおり、業界全体でロボティクスの採用を加速させています。

効率的で高性能なエッジ AI とロボティクスのための Jetson Orin

NVIDIA Jetson Orin ベースのモジュールは、現在、あらゆる範囲のエッジ AI およびロボティクス アプリケーションをサポートする製品として利用可能です。 これには、最小の Jetson モジュールで 1 秒あたり最大 40 兆回 (TOPS) の AI パフォーマンスを提供する Jetson Orin Nano から、高度な自律動作マシン向けに 275 TOPS を提供する Jetson AGX Orin までが含まれます。

新しい Jetson Orin Nano 開発者キットは、前世代の Jetson Nano と比較して 80 倍のパフォーマンスを提供し、開発者が高度なロボティクス モデルを実行できるようにします。 また、1 ワットあたりのパフォーマンスが 50 倍になるため、Jetson Orin Nano モジュールを使い始める開発者は、電力効率に優れたエントリー レベルの AI 搭載ロボット、スマート ドローン、インテリジェント ビジョン システムなどを構築して展開できます。

Jetson プラットフォームで実行される NVIDIA Isaac ROSDeepStream などのアプリケーション固有のフレームワークは、Omniverse 上の Isaac Sim やNVIDIA Metropolis のなどのクラウドベースのフレームワークと密接に統合されています。 また、最新の NVIDIA TAO Toolkit を使用して、NVIDIA NGC カタログから事前トレーニング済みの AI モデルをファイン チューンすることで、開発者が展開までの時間を短縮できます。

Amazon Web Services、キヤノン、Cisco、Hyundai Robotics、JD.com、John Deere、小松製作所、Medtronic、Meituan、Microsoft Azure、Teradyne、TK Elevator など、100 万人を超える開発者と 6,000 を超える顧客が NVIDIA Jetson プラットフォームを活用しています。

Orin ベースの新しいモジュールを採用している企業には、Hyundai Doosan Infracore、Robotis、Seyeon Tech、Skydio、Trimble、Verdant、Zipline などがあります。

70 以上の Jetson エコシステム パートナーが Orin ベースのソリューションを提供しており、ハードウェア、AI ソフトウェア、アプリケーション設計サービスからセンサー、コネクティビティ、開発者ツールまで幅広いサポートを提供しています。

Jetson Orin ベースの量産モジュール全てのラインナップが利用可能になりました。Jetson Orin Nano 開発者キットは 4 月に出荷を開始します。国内ではNVIDIA Jetson Orinモジュール及び開発者キットを菱洋エレクトロ株式会社 株式会社ネクスティ エレクトロニクス 株式会社マクニカ より、3 月 22 日より先行予約販売を開始します。

NVIDIA Isaac SimJetson OrinOmniverse Enterprise およびMetropolis の詳細をご覧ください。