DRIVE AGX が自動運転の夢を現実に

投稿者: Shri Sundaram

DRIVE プラットフォームが、自律走行車のための、量産可能な初のオートモーティブグレード ソリューションを実現

開発に 1 万 8,000 人年以上のハードウェア エンジニアと 1 万人年以上のソフトウェア エンジニアを投入した成果である、NVIDIA DRIVE AGX プラットフォームは、真の意味での量産型自動車向け自律走行ソリューションとなっています。

10 月 10 日に開催された GTC Europe では、NVIDIA DRIVE Hyperion センサー スイートの発売が発表されました。自動車関連メーカーは、自社の技術を車両を使って検証できるようになり、DRIVE プラットフォームを利用して、自動運転車を開発できるようになります。

NVIDIA の創業者/CEO のジェンスン フアン (Jensen Huang) が、安全な自動走行のためのソフトウェアとハードウェアで構成された、エンドツーエンドのソリューションを紹介し、テスト用の自律走行車両が人間の介在なしで 80 km の環状ハイウェイを走行する様子を通じて、その能力のデモンストレーションを行いました。

フアンは次のように述べました。「これは単なるデモではありません。これは、今、実際に起こっていることなのです。コンピューター全体が量産対応可能で、オートモーティブ グレードになっているのです」

このプロダクションレベルのプラットフォームに向けた試みは、 10 年以上前に始まりました。未来の自律動作マシンには、多様性と冗長性を持たせたコンピューティングのワークロードに対処できる、まったく新しいタイプのプロセッサが必要になるだろうというビジョンのもと、Xavier システムオンチップ (SoC) が生まれました。

このソリューションは、車両内での運用という厳しい条件に耐えることのできる完全自律走行のための高性能コンピューティング プラットフォームであり、多様なレベルの自動走行テクノロジをテストと検証にまで拡張することが可能です。

数字で見る DRIVE AGX

DRIVE AGX プラットフォームは、真の意味でのエンジニアリングの成果で、プロダクションレベルでの自律走行を実現するための能力を備えています。エンジニアリング活動に数万人年の労力を費やして生まれた、DRIVE AGX Pegasus コンピューティング プラットフォームは、ノート PC 1 台分のサイズで、60 台以上のノート PC に匹敵する性能を発揮します。DRIVE AGX Pegasus 開発プラットフォームは、演算能力を最高 320 TOPS まで高めることができます。

演算の能力の高さは、自律走行では安全性の高さを意味します。高い演算能力により、多様性と冗長性を持たせた処理が可能になるため、誤作動または不具合が検出された場合も、システムは動作を継続することができます。このソリューションは業界でも受け入れられており、DRIVE AGX を使って自律走行車のプロトタイプを走行させている企業が、他のプラットフォームを使う企業より多くなっています。

フアンは次のように述べています。「NVIDIAは、単一のアルゴリズムやセンサー、コンピューティング ブロックには依存していません。それゆえに、信じられないような発展を遂げてきたのです」

この機能面での多様性を支えているのは、ソフトウェアです。DRIVE ソフトウェアは、自動走行とユーザー エクスペリエンス機能のスイートで、AI、高速化されたコンピューター ビジョン、および画像処理を活用しており、拡張可能で、かつ、継続的な機能向上も可能です。コアとなっているのは DRIVE OS で、自律走行アプリケーション向けに、安全でセキュリティ性の高いリアルタイム性をもつハイパーバイザーやその他のコアとなる機能を提供しています。

その上位のレイヤでは、レーダーやカメラ、ライダーなどを使ったセンサー処理を行い、DriveWorks とディープ ニューラル ネットワークを用いて、自律走行に必要な全体的なワールドモデルを構築します。

自動運転機能に加え、DRIVE ソフトウェアには、ドライバー モニタリングとユーザー エクスペリエンスのための DRIVE IX や、自動車の周りの環境についての状況認識を可視化する DRIVE AR といった、車室内での使用に向けた機能も備わっています。

評価を簡素化

世界中の数百の企業が自律走行のためのテクノロジを開発している現在、ソリューションは柔軟で、カスタマイズ可能になっていなければなりません。NVIDIA DRIVE AGX 開発者キットの導入により、自律走行車システムの開発を簡素化することができます。

先頃発表された DRIVE AGX Xavier と DRIVE AGX Pegasus 開発者キットには、AI 車載コンピューターと、このプラットフォームを自動車に接続する車両ハーネス、電源アダプター、カメラ センサーおよびその他のアクセサリが含まれており、この開発者キットを入手した企業は自社の自動運転アプリケーションをテストすることができます。

車両を使った検証を可能にするために、NVIDIA DRIVE Hyperion Development には、DRIVE AGX Pegasus 開発プラットフォームとともに、自律走行用のセンサー (7 台のカメラ、8 つのレーダーとオプションのライダー)、ドライバー監視用のセンサー、ローカライゼーション用のセンサー、その他のアクセサリが付属しています。DRIVE Hyperion を使用することで、開発者は、DRIVE AV、DRIVE IX および DRIVE AR で構成された NVIDIA のDRIVE ソフトウェアを体験および評価できます。

自動車関連メーカーと開発者は、DRIVE ソフトウェア API を利用することで、自社のソフトウェアを統合させ、実際の車両でテストすることができます。DRIVE Hyperion は、テスト車両に適応するように改良することのできる、包括的なセンサーとコンピューティング プラットフォームの組み合わせです。

開発と検証のためのこれらのパワフルなツールにより、自動車関連メーカーは今、自動運転車をより安全にし、すべての人をより効率的に移動できるようにする機能をすべて手に入れたのです。