DGX H100 システムが、世界中の産業に高度な AI 機能を提供

投稿者: Tony Paikeday

東京からストックホルムまでの顧客が、NVIDIA の最新の AI スーパーコンピューターを活用し、製造、ヘルスケア、ロボティクスなどにおいてジェネレーティブ AI を含むワークロードを推進

日本からエクアドル、スウェーデンまでのお客様が、NVIDIA DGX H100 システムを AI ファクトリーのように活用し、知能を開発しています。

これらの企業は金融、ヘルスケア、法律、IT、テレコムなどの分野で、AI を活用したインサイトを提供するサービスを生み出し、その過程で各業界の変革に取り組んでいます。

数十のユースケースの中には、工場設備の老朽化を予測し、明日の工場をより効率的にすることを目的としたものがあります。

Green Physics AI と呼ばれるシステムは、製造業で最大の合成データセットと謳われる SORDI.ai に、物体の CO2 排出量、使用年数、エネルギー消費量などの情報を追加します。

Green Physics AI は、物体がどのように古くなるかをモデル化します。

このデータセットにより、メーカーは強力な AI モデルを開発し、工場や倉庫の効率を最適化するデジタル ツインを作成することができます。また、Green Physics AI を使用することで、工場の製品とそれを構成する部品のエネルギーと CO2 の削減を最適化することができます。

スマート ロボットの開発

あなたが食器を洗ったり、車に給油するのを見て、代わりにしてくれるロボットを想像してみてください。

ロボティクスのパイオニアとして知られる Boston Dynamics をルーツとする研究機関、Boston Dynamics AI Institute (The AI Institute) は、DGX H100 を使用して、このようなビジョンを追求します。研究者たちは、工場、倉庫、災害現場、そして最終的には家庭で、器用に動くロボットが人々を助けることを目指しています。

The AI Institute の CTO である Al Rizzi 氏は、以下のように述べています。「私は大学院生の頃から、私の後をついてきてさまざまな便利な仕事をしてくれるロボットがいることを夢みてきました。きっと誰もが必要なものではないでしょうか」

そのためには、AI とロボティクスの飛躍的な進歩が必要であり、Rizzi 氏はそれを目の当たりにしてきました。Boston Dynamics のチーフ サイエンティストとして、彼は階段を上り、自分でドアを開くこともできる四足歩行のロボット、Spot の開発に携わりました。

本プロジェクトにおいて DGX H100 は、ロボティクスの重要な技術である強化学習のタスクに活用される予定です。その後、ラボにあるプロトタイプのボットに直接接続し、AI 推論も実行します。

「比較的コンパクトなのに非常に高性能なコンピューターなので、AI モデルの開発、展開を容易に行うことができます」と Rizzi 氏は言います。

ジェネレーティブ AI にも活用

DGX H100 を使うのに、世界的な研究機関や Fortune 500 の企業である必要はありません。スタートアップ企業も、ジェネレーティブ AI の波に乗るために DGX H100 を導入しています。

例えば、ロンドンとニューヨークにオフィスを構える Scissero は、GPT を搭載したチャットボットを採用し、法的手続きの効率化を図っています。Scissero が開発した Scissero GPT は、法的文書の起草、報告書の作成、法的調査などを行うことができます。

ドイツに本社を置く DeepL は、複数の DGX H100 システムを使用して、日本経済新聞社を含む顧客に提供する数十の言語間の翻訳などのサービスを拡大する予定です。DeepL は最近、DeepL Write という AI ライティング アシスタントもリリースしました。

ヘルスケア産業にも貢献

また、DGX H100 システムの多くは、ヘルスケアを進歩させ、患者の予後の改善にも貢献します。

日本では、国内の創薬研究開発を加速させるためのスーパーコンピューターである Tokyo-1 に搭載された DGX H100 が、シミュレーションと AI のワークロードを実行します。Tokyo-1 は、三井物産株式会社の完全子会社として 2021 年 11 月に設立され、創薬の基礎研究を行う株式会社ゼウレカによって運用される予定です。

また、ドイツ、イスラエル、米国でも、病院や学術医療機関が DGX H100 システムの最初のユーザーとなる予定です。

教育機関での導入

シンガポールからスウェーデンまで、複数の大学が、さまざまな分野の研究に DGX H100 システムを導入しています。

ジョンズ ホプキンス大学応用物理学研究所は、大規模言語モデルのトレーニングに DGX H100 を使用します。また、スウェーデンの KTH 王立工科大学では、高等教育向けに最先端のコンピュータ サイエンス プログラムを提供するために使用される予定です。

他の事例として、日本を拠点とするインターネット サービス会社であるサイバーエージェントは、スマートなデジタル広告や著名人のアバターを作成しています。エクアドルの大手通信事業者である Telconet は、安全な都市開発のためのインテリジェント ビデオ解析と、スペイン語の方言までもカバーする、顧客サポートのための言語サービスの構築を進めています。

AI イノベーションのエンジン

DGX H100 システムの各 NVIDIA H100 Tensor コア GPU は、従来の GPU と比較して平均約 6 倍の性能を提供します。DGX H100 は、8 基の Tensor コア GPU を搭載し、それぞれにジェネレーティブ AI モデルを高速化するために設計された Transformer Engine を搭載しています。

8 基の H100 GPU は、NVIDIA NVLink で接続され、1 つの巨大な GPU を作り出します。組織は、以前のネットワークの 2 倍の速度となる 400 Gbps の超低遅延 NVIDIA Quantum InfiniBand を使用して、数百の DGX H100 ノードを AI スーパーコンピューターに接続することができます。

フルソフトウェア スタックをサポート

DGX H100 システム上では、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク インフラを加速し、AI ワークロードを最適化するためのスイートである NVIDIA Base Command が動作します。

また、データサイエンス パイプラインを加速し、ジェネレーティブ AI やコンピュータ ビジョンなどの開発・展開を効率化するソフトウェア、NVIDIA AI Enterprise も含まれています。

DGX プラットフォームは、高い性能と効率性を両立しています。DGX H100 は、DGX A100 世代と比較して、ペタフロップあたりのキロワット数が 2 倍改善しています。

NVIDIA DGX H100 システム、DGX POD、DGX SuperPOD は、NVIDIA のグローバル パートナーから入手できます。

NVIDIA のエンタープライズ コンピューティング担当バイス プレジデントである Manuvir Das は、5 月 1 日に行われた MIT Technology Review の Future Compute イベントでの講演で、DGX H100 システムの出荷を発表しました。講演のリンクは、近日中に本ブログ ページで公開される予定です。