両社の提携により、Baiduクラウドに接続可能な自動運転車向けAIソリューションをあらゆる自動車メーカーに提供
このたび、中国・北京で開催されたBaidu(百度)の年次会議「Baidu World」で、BaiduのCEOであるロビン・リー(Robin Li)氏とNVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)が、人工知能(AI)を利用した「Cloud-to-Car」の自律走行車用プラットフォームの開発で提携することを発表しました。これにより、中国および世界の自動車メーカーへのプラットフォームの提供を目指します。
本提携では、Baiduのクラウド・プラットフォームとマッピング技術を、NVIDIAの自動走行車用コンピューティング・プラットフォームと組み合わせることで、HDマップや、レベル3の自律運転制御、自動駐車に対応するソリューションを開発します。
フアンは次のように述べています。「世界クラスのAI企業である両社が、それぞれのAIにおける技術的能力や専門知識のほか、両社の規模を融合させることで、エンド・ツー・エンド、トップ・ツー・ボトム、そして『Cloud-to-Car』の自動運転車用アーキテクチャーを構築できるでしょう」
大いなる挑戦
NVIDIAとBaiduは、長年にわたりAIの共同開発を進めてきました。アンドリュー・ウン(Andrew Ng)氏をはじめとするBaiduの研究者グループは、GPUを利用することで、昨今のAIブームをもたらしたいくつかの重要なブレークスルーを実現してきました。このブームにより、過去数年のうちに何百もの新興企業が誕生しています。
AIの未来に対する期待がますます高まるなか、BaiduとNVIDIAは「社会のためにAIを活用する」という共通の目標を今後も共有します。フアンは次のように言います。「これらの能力を応用して、AIの大いなる課題を解決する作業に取り掛かることができます。その1つがインテリジェント・マシンです。そして、我々が将来開発したいと考えているインテリジェント・マシンの1つが、自動運転車です」
運転をより安全に
つまり、運転の安全性を高め、交通事故による死亡者数を大幅に減らすと同時に、身体障害者、高齢者、子どもなど、あらゆる人が交通機関を利用できるようにします。
「完全な自律走行車の開発とは、車載用スーパーコンピューターから、AIアルゴリズム、クラウド上の常に更新される3Dマップまで、エンド・ツー・エンド・システムの問題なのです」と、フアンは説明します。
「Baidu World」でのデモ
「Baidu World」の展示会で、NVIDIAは、世界初の車載用AIスーパーコンピューター開発プラットフォームであるDRIVE PX 2と、NVIDIA DriveWorksソフトウェアのデモを行い、自律走行車の脳内で何が起こっているのかを紹介しました。
NVIDIAがBaiduと共同開発を進めるこのソリューションは、中国および世界の自動車メーカーに提供する予定です。