アウディ、BMW、フォード、メルセデス・ベンツ、ボルボ。車載人工知能のパワフルなエンジンとなるNVIDIAのDRIVEに世界有数の自動車メーカーが注目しています。
自動車産業を揺るがそうとする俊敏なイノベーターも注目しています。ZMP、Preferred Networks、AdasWorksなど、さまざまな企業がDRIVE PXですばらしい新機能を自動車業界にもたらそうとしています。
ラスベガスで開催中のCES 2016で、この月曜日に発表されたDRIVE PX 2は、靴箱程度の大きさでスーパーコンピュータ・クラスのパフォーマンスが得られます。人工知能アプリケーションなら、1秒あたり24兆回もの演算が可能なのです。
では、DRIVE PXの活用を推進している企業を3社ほどご紹介しましょう。
タクシーの自動運転化
タクシーの自動運転化を進めようとしている東京のZMP社は、ディープラーニングとNVIDIA DRIVE PXを使い、自動運転に用いられる障害物検出アルゴリズムや意思決定アルゴリズムの精度を飛躍的に高めようとしています。
ZMPの谷口恒社長は、次のように述べています。「ZMPでは、歩行者の検出にNVIDIA GPUとディープ・ニューラル・ネットワークを適用し、すばらしい成果を挙げつつあります。今後は、人の運転を必要としないロボット・タクシー走行の実現に向け、NVIDIA GPUによるディープラーニングの活用を進めていきたいと考えています。」
トヨタ自動車と提携
機械学習関連のスタートアップ企業として有名な日本企業にPreferred Networks社があります。東京に本拠を置く同社は、トヨタ自動車と提携し、自動運転機能の開発を進めています(トヨタ自動車は数週間前、Preferred Networks社の株式3%を取得しました)。
Preferred Networks社を創業した岡野原大輔氏によると、同社は、NVIDIAのディープラーニング・プラットフォームを用いて車載カメラや監視カメラの画像認識機能、ロボットの自動制御、健康診断などのアプリケーションについてパフォーマンスを劇的に改善できたそうです。
「優れた点は、NVIDIA GPU採用のディープ・ニューラル・ネットワークひとつでそのすべてを短期間のうちにできてしまったということです。」
道路状況を見る目
NVIDIAは、人工知能ベースの自動運転ソフトウェアをブダペストで開発しているAdasWorks社とも協力し、NVIDIA GPUの力をボルボ・カー社に届けようとがんばっています。
NVIDIAはAdasWorks社と協力し、複数センサのデータをリアルタイムに処理できるボルボ社向けシステムを開発しています
スウェーデンのボルボ社は、来年、ディープラーニングをベースとしたNVIDIA DRIVE PX 2コンピューティング・プラットフォームを100台のVolvo XC90 SUVに搭載し、公道で走らせることを計画しています。ボルボが推進している自動運転車実験プロジェクト「Drive Me」の一環として、実際のユーザに車を走らせてもらうことになっているのです。
AdasWorksは、ボルボと協力し、複数センサのデータをリアルタイムに処理し、車線や他車、歩行者、道路標識などを車両周囲の全方位について検出するとともに、さまざまな自動運転機能を実現しようとしています。
NVIDIA DRIVEは、単に、自動車部品メーカーが車両にポン付けする製品ではありません。エンドツーエンドのディープラーニング・ソリューションであり、ニューラル・ネットワークのトレーニングを行うDIGITSソフトウェアなど、さまざまなツールやテクノロジが用意されています。
詳細にご興味のある方は、ぜひ、CESのNVIDIAブースまでお越しください。NVIDIAブースは、自動車関連のNorth Hallで出展しています。