リード 3D 環境アーティストのアンドリュー アバーキンは、NVIDIA Omniverse と Autodesk 3ds Max を通じて子供時代の思い出を語っています。
毎週お届けする新シリーズ、「In the NVIDIA Studio」では、注目のアーティストを称え、クリエイティブ活動のヒントやコツを説明し、NVIDIA Studio テクノロジがクリエイティブなワークフローを加速してクリエイターの貴重な時間を節約する様子をご紹介します。
今週の「In the NVIDIA Studio」では、4 月の NVIDIA Studio ドライバのリリースをご紹介します。Unreal Engine 5、Cinema4D、Chaos Vantage などの大人気 3D アプリの最適化に対応した 4 月の Studio ドライバは、Blender や Redshift 向けの新しい NVIDIA Omniverse Connector もサポートします。
キャンバスのアップグレードを検討している、デジタル界のダ ヴィンチのみなさんに、新たに発表された Lenovo ThinkPad P1 NVIDIA Studio ノート PC の詳しい情報をお届けします。また、Asus ProArt Studiobook 16、MSI Creator Pro Z16 および Z17 が現在発売中です。
これらのアップデートは NVIDIA Studio がもたらすメリットの一部です。3D クリエイティブ ワークフローの劇的な高速化は、今週の「In the NVIDIA Studio」で特集するクリエイター、NVIDIA のリード 3D 環境アーティストのアンドリュー アバーキン (Andrew Averkin) にとって欠かせません。
4 月のStudio ドライバがパワーをもたらす
4 月の NVIDIA Studio ドライバは、多くのクリエイティブ アプリの最新アップデートをサポートしています。まずご紹介するのが、待望の Unreal Engine 5 のリリースについてです。
NVIDIA RTX GPU は、UE5 の新しい完全に動的なグローバル イルミネーション システムである Lumen をソフトウェアとハードウェアの両方のレイ トレーシングでサポートします。開発者は、Nanite とともに使用することで、完全に動的なグローバル イルミネーションで大量のジオメトリのディテールを含むゲームやアプリを作成することができます。GTC 2022 では、Unreal Engine 5 から Nanite メッシュのソース ジオメトリをエクスポートする機能が搭載されたOmniverse Connectorを発表しました。
NVIDIA は Epic Games と協力して、主要な RTX テクノロジを Unreal Engine 5 に統合しています。これらのテクノロジは、プラグインとして Unreal Engine Marketplace から利用可能になっています。RTX アクセラレーションによるレイ トレーシングとビューポートに使用される NVIDIA DLSS により、新しいアイデアのイテレーションや改良がよりシンプルに、より迅速になります。製品が完成すると、これらのテクノロジが美しいレイトレース グラフィックスを実現し、AI が高いフレームレートを可能にします。
また、NVIDIA Reflex は、UE5 の標準機能となっており、別途プラグインをダウンロードする必要はありません。NVIDIA Reflex を使用すると、RTX GPU で動作する PC ゲームが想像を絶する低遅延で体験できます。
NVIDIA Real-time Denoisers (NRD) は、リアルタイムのパフォーマンスを可能にし、アート制作パイプラインの効率性を高めます。また、RTX Global Illumination は、リアルな光の跳ね返りをリアルタイムで計算し、Unreal Editor のビューポートで即座にフィードバックを得ることができます。RTX GPU の処理能力、高品質な RTX UE プラグイン群、および次世代の Unreal Engine 5 が揃えば、制作に限界はありません。
Maxon の Cinema 4D バージョン S26 には、NVIDIA RTX GPU によって高速化される新しいクロスとロープのダイナミクスが搭載され、アーティストはデジタル被写体をよりリアルに、より速くモデリングできるようになります。
「The City」のシーンを NVIDIA GeForce RTX 3090 GPU でレンダリングすると、CPU のみの場合よりも 1 時間近く速く完了します。
さらに、OpenColorIO の採用、新しくなったカメラ、強化されたモデリング ツールなど、新たな機能が追加されています。
NVIDIA RTX GPU 専用のリアルタイム レイ トレーシングを活用している Chaos Vantage では、法線マップのサポート、テクスチャ モデルをクレイに変換してライティングに集中できる新機能、およびシャドウのアンビエント オクルージョンが追加されます。
NVIDIA Omniverse Connector のアップデートにより、リアルタイム ワークフローに新しい機能とオプションが追加されました。Blender は新しいブレンド シェイプ IO をサポートすることで、詳細で多面的なサブジェクトのアニメーションを正しく行えるようになります。大規模なシネマティック ビジュアライゼーションを実現する新しい USD スケール マップも追加されています。
Blender と Redshift に Hydra ベースのレンダリングが追加されました。これにより、アーティストはすべての Omniverse アプリのビューポート内でそれらのレンダラーを使用できるようになります。
新しい Studio ノート PC
4 月には新しい Lenovo モバイル ワークステーションのほか、3 機種が新たに NVIDIA Studio のラインナップに加わります。
Lenovo ThinkPad P1 は、薄くて軽いデザインが特長で、16インチのパネルを採用しています。また、GeForce RTX および NVIDIA RTX プロフェッショナル グラフィックスにより素晴らしいパフォーマンスを実現しており、新しい NVIDIA RTX A5500 Laptop GPU までを搭載しています。
その他のパートナーからも Studioノート PC が発売されており、Asus ProArt Studiobook 16、MSI Creator Pro Z16 や Z17 が、販売開始されています。
アンドリュー アバーキンと一緒に思い出をたどる
アンドリュー アバーキンは、ウクライナを拠点とする NVIDIA のリード 3D 環境アーティストです。彼はフォトリアリスティックな 3D シーンの制作を専門としており、ノスタルジックな温かい感情を呼び起こすリアリズムに特に重点を置いています。
アバーキンは、自身のフロー状態を保つ重要な要素である共感を持って邁進しています。彼は、「私の情熱と芸術における決断力を刺激する温かい感情を組み合わせたアート作品」を制作することを目指していると語っています。
彼の作品『When We Were Kids』は、NVIDIA RTX A6000 GPU によって高速化された NVIDIA Omniverse Create アプリと Autodesk 3ds Max を使用して制作されました。
アバーキンがこの作品で連想させるのは、おもちゃで遊び、想像力を働かせていたデジタル化以前の時代です。
アバーキンは、『When We Were Kids』の制作の始めに、Autodesk 3ds Max を使用してモデリングを行いました。
Autodesk 3ds Max の RTX で高速化されたビューポートと RTX を活用した AI デノイズにより、非常に大きいファイル サイズがにもかかわらず、滑らかなインタラクティブ性能を実現します。
次にアバーキンは、『When We Were Kids』を Omniverse Create に持ち込んで、3D シーンのライティング、シミュレーション、レンダリングをリアルタイムに行いました。
Omniverse は、アバーキン のような 3D アーティストが、お気に入りのデザイン ツールを 1 つのシーンに接続し、アプリ間で同時に制作や編集を行うことができるようにします。NVIDIA Studio YouTube チャンネルにある「Getting Started in NVIDIA Omniverse」シリーズにて、詳しく学ぶことができます。
アバーキンは言います。「アセットのほとんどは Epic マーケットプレイスから入手しました。私の一番の目標は、ライティングのシナリオ、構図、雰囲気を試すことでした。」
Omniverse Create にて、アバーキンが専用のライティング ツールを使用すると、複雑で時間のかかるファイルの変換やアップロードをすることなく、オリジナルの Autodesk 3ds Max のファイルが自動的に更新されます。また、RTX GPU にて超高速で最終レンダリングを行いました。
アンドリュー アバーキンは、Axis Animation、Blur Studio などで働いた後、現在は NVIDIA に在籍しています。彼の作品ポートフォリオと一押しのプロジェクトを、ArtStation でご覧ください。
「In the NVIDIA Studio」をさらに深掘り
今週の注目のアーティストが使用しているアプリや、RTXおよびGeForce RTX GPUがクリエイティブなワークフローをどのように加速させているかについて、詳しく知りたいクリエイターのために、数多くの関連資料を用意しています。
Omniverse 内に構築された、レトロスタイルの作家の部屋を見せるフォトリアリスティックな美しい作品、『The Storyteller』 の舞台裏をご覧ください。
こちらの3Dアーティストのサー ウェイド ナイシュタット (Sir Wade Neistadt) 氏によるチュートリアルをご覧ください。この動画では、USD ファイルを使用してマルチアプリ ワークフローを Omniverse に組み込む方法と、ライブリンク ツール用に Nucleus を設定する方法を説明しています。
Studio YouTube チャンネルの選りすぐりのプレイリストのほか、Omniverse YouTube チャンネル にも数百のビデオが公開されています。Facebook、Twitter、Instagram で NVIDIA Studio のフォローください。また、NVIDIA Studio ニュースレターに登録すると、最新情報を直接メールで受け取ることができます。