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American Express が詐欺やサイバー犯罪の不正防止にNVIDIA の AI を採用

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大手金融サービス企業が不正防止戦略の一環として、NVIDIA Triton Inference Server を使用してディープラーニング ベースのモデルを実行

サイバーセキュリティ侵害の急増に伴い金融詐欺も急増しています。

McAfee の 2018 年の試算によると、サイバー犯罪が世界経済にもたらす損失額は年間 6,000 億ドル (世界の GDP の 0.8%) にも上ります。また、コンサルティング企業の Accenture は、サイバー攻撃が企業にもたらす損失額が 2024 年までに全世界で 5 兆 2,000 億ドルに達する可能性があると予測しています。

その主な標的となっているのがクレジット カードとバンク カードです。年間 80 億件を超える取引を処理する American Express は、NVIDIA の GPU コンピューティング プラットフォームでディープラーニングを利用して不正を検出しています。

NVIDIA の CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、月曜日に GPU テクノロジ カンファレンス で、American Express が不正を検出するために、NVIDIA TensorRT で最適化され、NVIDIA Triton Inference Server で実行されるディープラーニング ベースのモデルを展開したことを発表しました。

NVIDIA TensorRT は、レイテンシを最小限に抑え、スループットを最大限に高める、パフォーマンスの優れたディープラーニング推論オプティマイザおよびランタイムです。

NVIDIA Triton Inference Server ソフトウェアは大規模なモデルの展開を簡素化し、データセンターの運用においてアプリケーションが AI モデルを使用できるようにするためのマイクロサービスとして使用できます。

American Express の機械学習およびデータ サイエンス リサーチ担当バイス プレジデントであるマニッシュ グプタ (Manish Gupta) 氏は次のように述べています。「当社の不正アルゴリズムは、支出額が年間 1 兆 2,000 億円を超える世界中の American Express の全取引をリアルタイムで監視し、わずか数ミリ秒で不正を判断します。」

オンライン ショッピング ブーム

パンデミック以降、オンライン ショッピングが急増しています。Adobe の Digital Economy Indexによると、米国だけで、3 月初旬と比べて、4 月にはオンライン コマースが 49% も増加しています。

これは、現金取引が減少してデジタル取引が増加したことを意味しています。それに伴い、バンク カードやクレジット カードを使用する機会も増えましたが、関連する不正も既に増加の一途をたどっています。

世界の決済業界に関する情報を追跡する The Nilson Report の発行者であるデビット ロバートソン (David Robertson) 氏は次のように述べています。「2018 年に犯罪者がカード詐欺で得た額は、2017 年と比べて 38 億 8,000 万ドルも増えています。」

The Nilson Report によると、現在 1 億 1,500 万枚を超えるクレジット カードが利用されている American Express では、不正の発生率が 13 年連続して業界で最も低くなっています。

グプタ氏は次のように述べています。「当社のカード会員と加盟店を取り戻すことが最優先事項であり、その目標を達成するうえでも不正の発生率を低く抑えることが重要になります。」

GPU コンピューティングによる異常検出

オンライン取引が増え、金融企業がセキュリティ対策を強化する中、詐欺の手口はより巧妙化しています。

監視がより容易な領域の 1 つに異常な支出パターンがあります。カードによるこうした取引 (「パターンからの逸脱」) の一例として、サンフランシスコでコーヒーを購入してから 5 分後にロサンゼルスでガソリンを満タンにするといったケースがあります。

このような異常については、一連のデータの次の値の予測を特に得意とするリカレント ニューラルネットワーク (RNN) を使用して警告されます。

American Express は、RNN のパフォーマンスを向上できる長短期記憶ネットワーク (LSTM) を展開しています。

これによりレイテンシと精度のギャップが解消され、American Express はこの 2 つの領域で飛躍的な向上を遂げました。同社のチームは、NVIDIA DGX システムで TensorFlow を使い、大量の構造化データと非構造化データで、これらの LSTM モデルの構築とトレーニングを加速させました。

CPU の 50 倍のパフォーマンス向上

最近リリースされた、TensorRT で最適化された LSTM ネットワークは、数千万件に上る日々の取引に関するデータをリアルタイムに分析するシステムを支えています。この LSTM は、推論を瞬時に行えるよう、NVIDIA T4 GPU 上で NVIDIA Triton Inference Server を使用して展開されています。

結果的に American Express は、この強化されたリアルタイムの不正検出システムを実装して、精度を向上させることができました。同システムは、2ミリ秒という厳しいレイテンシ要件の中で運用されています。また、この新しいシステムは、CPU ベースの構成では実現できなかった、50 倍ものパフォーマンスの向上という目標を達成しています。

大手金融サービス企業の、GPU により高速化された LSTM ディープ ニューラルネットワークを、長年にわたり回帰や分類に使用されてきた勾配ブースティング マシン (GBM) モデルと組み合わせることで、特定のセグメントにおける不正検出精度が最大 6% 向上しました。

American Express は次のように述べています。「精度は重要です。お客様の正当な取引を拒否する誤検知が起きると、カード会員や加盟店が不快な思いをなさるからです。」

グプタ氏は次のように述べています。「特にこのコロナ禍でお客様は今まで以上に当社を必要とされているため、クラス最高の不正防止機能とサービスでお客様をサポートしています。」

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