最新の vGPU のリリースにより、IT 管理者の運営効率が向上し、新たなパートナーおよびワークロードへの対応が可能に
多くの組織では、新型コロナウイルスのパンデミックによって、従業員の働き方が恒久的に変わろうとしています。これからは、従業員が家庭またはオフィスのいずれから他の従業員と仕事をするかを選ぶようになるでしょう。
NVIDIA は、これら世界中の非常に多くのプロフェッショナルたちの働き方を、仮想 GPU ソフトウェアの vGPU July 2020 で向上させようとしています。このソフトウェアはより多様なワークロードに対応し、IT 管理者の運営効率を高めるような機能を備えています。
デザイナーからデータサイエンティストに至るあらゆる人が、高度なグラフィックスやコンピューティング パワーを必要とするプロジェクトで、自分の居場所を問わず、フレキシブルに共同作業できるようにするには、GPU の仮想化が欠かせません。
IDC の最近の調査によれば、COVID-19 のパンデミックのためにリモートワークを導入している組織では、従業員の生産性が最大の懸念となっていました。GPU によって高速化された仮想デスクトップを導入している、NVIDIA のお客様に IDC が調査をしたときには、500 人から 1,000 人のユーザーがいる組織では生産性が 13% 向上し、結果的に年間で 100 万ドル以上の節約が可能になったことが明らかになりました。
Jon Peddie Research/Cadalyst のアナリストである アレックス エレーラ(Alex Herrera) 氏は、以下のように述べています。「仮想 GPU テクノロジを備えた、集約的なコンピューティング環境では、ユーザーは物理的な職場に束縛される必要はありません。最近のリモートワークの例が示しているように、企業は方針を大転換することができ、性能に妥協することなく、ビッグデータにあらゆるときに、あらゆる場所からアクセスできるようになります。」
SUSE でデータセンターとクラウドでの対応を強化
NVIDIA は、Linux Enterprise Server における SUSE との協業を通じて、ハイパーバイザーへの対応を強化しており、カーネル ベースの仮想マシン プラットフォームでの vGPU 対応を可能にしています。
この取り組みで最初に行われたのは、NVIDIA vComputeServer ソフトウェアを使った対応で、これによって、AI およびデータサイエンスのワークロードでの GPU 仮想化が可能になります。その結果、さらにGPU への対応の必要性が高まっている企業やクラウド サービス プロバイダーにとって、ハイパーバイザーの選択肢が拡大することになります。
SUSE のグローバル チーフ テクノロジ オフィサーのブレント シュローダー (Brent Schroeder) 氏は、次のように話しています。「アクセラレーテッド コンピューティングの需要は拡大を続けており、専門的な HPC 環境だけにとどまらず、仮想化されたデータセンターにおいても需要が高まっています。ビジネスリーダーたちのニーズに応えられるようにするために、SUSE と NVIDIA は連携し、SUSE Linux Enterprise Server で NVIDIA 仮想 GPU を簡単に使えるようにしています。この活動によって、IT インフラストラクチャが刷新され、AI と機械学習のワークロードが加速されるので、SUSE を利用しているお客様のために、あらゆる場所において、高性能で、時間的制約があるワークロードの質が向上されるようになります。」
イマーシブ コラボレーションへの対応を追加
NVIDIA CloudXR テクノロジは、NVIDIA RTX と vGPU ソフトウェアを使用して、5G および Wi-Fi ネットワーク上で VR と拡張現実を提供します。vGPU July 2020 では、最大 4K の解像度での 120Hz VSync への対応が追加されており、CloudXR のユーザーは、ケーブルで接続されていないデバイスでも、より滑らかで、イマーシブな (没入型の) 体験をすることができます。CloudXR は、PC とケーブルで接続されている構成と見分けがつかないようなレベルでの忠実度を実現します。
VMware の AR/VR 担当ディレクターであるマット コッピンガー (Matt Coppinger) 氏は、次のように話しています。「Wi-Fi または 5G で AR/VR をストリーミングすれば、組織は、その利点を真の意味で完全に活用できるようになり、イマーシブなトレーニング、製品のデザイン、アーキテクチャ、構成が可能になります。VMwareは NVIDIA との提携を通じて、VMware vSphere および NVIDIA Quadro 仮想ワークステーション上のAR および VR のアプリケーションを、NVIDIA CloudXR を使用して、スタンドアロン型ヘッドセットで動作している VMware の Project VXR クライアント アプリケーションへ、より安全にストリーミングします。」
vGPU の最新のリリースでは、リアルタイム コラボレーション プラットフォームである Omniverse と、データセンター向けの RTX サーバー と NVIDIA Quadro 仮想ワークステーション ソフトウェアの組み合わせで先頃発表された Omniverse AEC Experience のような要件の厳しいワークロードに必要な、優れたユーザー体験と管理を提供します。このリファレンス デザインは、NVIDIA Quadro RTX GPU 上で、最大 2 つの仮想ワークステーションをサポート、共同作業ができる CAD のような複数のワークロードを実行するとともに、モデルのフォトリアルなレンダリングをリアルタイムで実行します。
Quadro vWS により、世界中のあらゆる場所にいる新規ユーザーに、Omniverse 対応の仮想ワークステーションを数分で割り当てられるようになります。ユーザーは特別なハードウェアを必要とせず、インターネット接続されたデバイス、ノートパソコンまたはタブレットがあれば、データはデータセンターできわめて安全に保護されたままです。
IT 管理者の運営効率を向上
vGPU July 2020 の新機能により、企業の IT 管理者やクラウド サービス プロバイダーは、管理を簡素化させ、運営効率を向上させることができます。
これには、クロスブランチのサポートが含まれており、ホストとゲストの vGPU ソフトウェアはバージョンが異なっていても連携でき、アップグレードと大規模展開を容易にします。
IT 管理者は、ハイパーバイザーの最新バージョンへの移行をより迅速に行うことで、修正やセキュリティ パッチ、新機能を利用できるようになり、エンドユーザーのイメージ展開を分散できるようになります。
VMware vSphere を使用しているエンタープライズ データセンターでは、VMware vRealize Operations の最新リリースにで、vGPU を利用した仮想マシンの管理ができるようになり、運営効率が向上します。
さらに、VMware は先頃 vSphere に、GPU を利用した仮想マシン向けの Distributed Resource Scheduler (DRS) の対応を追加しました。現在、vSphere 7 には、VM の初期配置を簡単にする、「Assignable Hardware」と呼ばれる新機能が導入されています。この機能により、仮想マシンを実行する前に、正しい GPU とプロファイルを持つホストに仮想マシンを自動的に「配置」できるようになります。
これは、大規模展開の管理を行うIT部門において、手動のプロセスでは数時間かかる、新しい仮想マシンの展開を数分に短縮できるようになることを意味します。また、この機能は VMware の vSphere High Availability とも連携するので、なんらかの理由でホストに障害が発生した場合も、GPU を利用する仮想マシンが、正しい GPU リソースを持つ、他のホストで自動的に再起動されます。
発売予定
NVIDIA vGPU July 2020のリリースは、まもなくの予定です。詳しくは、nvidia.com/virtualizationおよびこのビデオをご覧ください。