NVIDIA は、インプレスが主催するデジタルト ランスフォーメーション (DX) のリーダーを選ぶ「Impress DX Awards 2018」における「エッジコンピューティング/デバイス部門」グランプリを受賞しました。受賞対象は、組み込み用「Jetson AGX」と最新の「Turing アーキテクチャ」です。
同アワードは、少子高齢化に伴う労働人口減少や医療費の高騰など、多様化する企業や社会が解決しなければならない課題に対して、IoT や AI、クラウドといったデジタル テクノロジをテコにした、デジタル トランスフォーメーション (DX) への未来につながる先駆的な取り組みや、それを可能にする製品/サービスについて選考し、表彰するものです。
審査については、「プロジェクト部門、アプリケーション/サービス部門」、「IoTプラットフォーム部門」、「ネットワーク部門、エッジコンピューティング/デバイス部門」の 5 部門に分けて行われ、21 企業/団体が各部門のグランプリと準グランプリを受賞しました。審査委員会には、有識者やインプレスの各誌編集長が参加しています。
NVIDIA が受賞に至ったのは「AI への期待が高まる中、デバイスやエッジでの AI 処理を可能にし、アプリケーションの幅を広げた。多くの製造業などとも協業し特定分野への AI 適用にも筋道を付けている」という選考理由からでした。
ディープラーニングでは大きく分けて 2 つのフェーズ、学習と推論があります。学習ではニューラル ネットワークにデータを与えてコンピュータで学習させます。この学習を高速化することは非常に重要です。この学習を早期に終わらせることができるかどうかが AI の開発や研究においては生命線になっているため、NVIDIA の GPU が支持されています。
一方、推論側は学習したニューラル ネットワークを実装して、様々なセンサーやデータを与えて推論処理を実施していきます。AI が様々な産業へ浸透するにしたがって、様々なニューラル ネットワークが出てきています。そして、それらのニューラル ネットワークの複雑度は 500 倍以上になっています。この推論を高速に実施することも大変重要です。そこで NVIDIA はクラウドやデータ センターでの推論に最適な、最新の GPU アーキテクチャ「Turing」を採用した「Tesla T4」をリリースしました。
常にコネクテッドな製品はクラウドから AI を実行することが可能ですが、そうではないコンピューターや機械は、それ自体が AI を実装しインテリジェント化する必要があります。それらのエッジ コンピューターやインテリジェント マシンへ向けて高性能で低消費電力な「Jetson AGX Xavier」を提供しています。
特筆すべきは、これら学習向けプラットフォームと推論側、エッジ側のプラットフォームが同じ GPU のアーキテクチャ「CUDA」で貫かれていることです。これによって、同じ開発ツールやソフトウェアがそれぞれのプラットフォームで活用できます。
NVIDIA のインダストリー事業部 事業部長を務める齋藤弘樹は以下のように語っています。
「NVIDIA は日本の様々なパートナーとロボティクスの自律化に取り組んでおり、その活用は多岐にわたります。この度の受賞では、学習側および実行側の双方の技術の革新について、評価いただいたことを大変光栄に思います。今回の受賞は NVIDIA のみならず、NVIDIA のプラットフォームを活用されている開発者や研究者、そしてパートナーのみなさまのご協力、ご支援の賜物です。」
「Jetson AGX Xavier」は、AI を活用するロボットに対する、大規模なコンピューティングの要件を満たすために構築されました。32 TOPS (毎秒 32 兆回の演算) を超える能力を持つ小規模なコンピューター モジュールに始まり、手のひらサイズに収まる、強力なワークステーションの処理能力を実現しています。「Jetson AGX Xavier」は、10W、15W、30W の複数の操作モードを備えており、そのエネルギー効率は、先行機種の 10 倍以上です。
さらに、「Jetson AGX Xavier」は、AI アプリケーションを開発し、導入するためのフルソフトウェア スタックである「NVIDIA JetPack SDK」をサポートしています。これには、最新バージョンの CUDA、cuDNN、TensorRT が含まれます。
このハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより、企業や開発者は、続々と登場する次世代のインテリジェント マシンを迅速に開発できるようになります。ディープラーニングと AI を利用すると、ロボット アームなどの設備は自律したマシンになります。つまり、柔軟性やプログラムで動作を制御できる度合が高まり、より複雑でインテリジェントなタスクの学習、実行が可能になります。これにより工場の動的な再構成や、さまざまな製造ラインに対する自動化が実現でき、より適切に消費者の需要の変化に対応できるようになります。