ニュース概要:
- NVIDIA NVQLink は、世界中の 10 を超えるスーパーコンピューティング センターで広く採用され、米国の研究所や量子コンピューター開発企業と連携し、量子コンピューティングを推進
- NVQLink は、量子プロセッサと NVIDIA アクセラレーテッド コンピューティングを接続し、NVIDIA CUDA-Q プラットフォームを基盤とする大規模な量子–古典ワークフローを実現
- この種のものとして初のオープンかつユニバーサルな相互接続アーキテクチャである NVQLink は、世界中のスーパーコンピューティング センターが多様な量子プロセッサを統合するために必要不可欠となるリンクを提供
- 量子コンピューティング企業の Quantinuum の最新量子プロセッサ Helios は、NVQLink を活用して NVIDIA GPU を統合し、量子誤り訂正における初のスケーラブルなリアルタイム デコードを実証
【プレス リリース】セントルイス — SC25 —2025 年 11 月 17 日 — NVIDIA は本日、世界有数の科学コンピューティング センターが、量子プロセッサと最先端のアクセラレーテッド コンピューティングを接続するこの種のものとして初のユニバーサル相互接続である NVIDIA® NVQLink™ を採用していることを発表しました。
低遅延および高スループットの相互接続を活用することで、米国の施設に加えて、アジアとヨーロッパの 10 を超えるスーパーコンピューティング センターおよび国立研究機関が、量子-古典ハードウェアの統合に関する研究開発と実用化の進展に取り組んでいます。
NVIDIA の創業者/CEO である ジェンスン フアン (Jensen Huang) は次のように述べています。「将来のスーパーコンピューターは、量子コンピューターが自然をシミュレーションする能力と GPU のプログラマビリティと大規模並列処理という、それぞれのユニークな強みを組み合わせた量子-GPU システムとなるでしょう。CUDA-Q と組み合わせた NVQLink は、量子コンピューティングと GPU コンピューティングを単一のコヒーレントなシステムに統合し、計算可能な領域の限界を押し広げ、新たな科学的発見を解き放つ未来への入り口となります」
量子プロセッサと NVIDIA のアクセラレーテッド コンピューティングを統合することで、NVQLink のオープン システム アーキテクチャは、制御と誤り訂正の課題を克服し、量子–古典ハイブリッド アプリケーションの開発を可能にします。これは、FP4 精度で 40 ペタフロップスの AI 性能と 400 Gb/s の GPU-QPU 間スループット、4 マイクロ秒未満のレイテンシを提供します。
NVQLink は、NVIDIA CUDA-Q™ ソフトウェア プラットフォーム内での量子制御システムと GPU スーパーコンピューティングとの緊密な統合により、量子プロセッサと GPU の結合を可能にします。NVQLink は、量子プロセッサやコントローラーの開発企業、およびアジアを含む以下の地域のスーパーコンピューティング センターとのコラボレーションにより設計されています。
- 産業技術総合研究所 量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター (G-QuAT)
- 理化学研究所 計算科学研究センター
- Korea Institute of Science and Technology Information (KISTI)
- 台湾の National Center for High-Performance Computing (NCHC)
- シンガポールの National Quantum Computing Hub (シンガポールの Centre for Quantum Technologies、A*STAR Institute of High Performance Computing、 および National Supercomputing Centre Singapore の共同イニシアチブ)
- オーストラリアの Pawsey Supercomputing Research Centre
欧州と中東でも量子コンピューティング研究が推進されており、NVQLink をサポートするスーパーコンピューティングおよび量子技術センターは以下となります。
- イタリアの CINECA
- デンマークの AI Supercomputer 運営事業体 であるDCAI
- フランスの Grand Équipement National de Calcul Intensif (GENCI)
- チェコ共和国の IT4Innovations National Supercomputing Center (IT4I)
- ドイツの Jülich Supercomputing Centre (JSC)
- イギリスの National Quantum Computing Centre (NQCC)
- ポーランドの Poznań Supercomputing and Networking Center (PCSS)
- UAE の Technology Innovation Institute (TII)
- サウジアラビアの King Abdullah University of Science and Technology (KAUST)
これらの組織は、最先端の研究向けに NVQLink 技術との統合を最近発表した以下のような米国の国立研究所に加わります。
- Brookhaven National Laboratory
- Fermi National Accelerator Laboratory
- Lawrence Berkeley National Laboratory
- Los Alamos National Laborator
- MIT Lincoln Laboratory
- National Energy Research Scientific Computing Center
- Oak Ridge National Laboratory
- Pacific Northwest National Laboratory
- Sandia National Laboratories
現実世界の量子–古典ハイブリッド アプリケーション
Quantinuum は先日、最新の Helios QPU と次世代の量子プロセッサが NVQLink を介して NVIDIA GPU と統合され、量子誤り訂正をオーケストレーションするために NVIDIA CUDA-Q の力を活用すると発表しました。
NVQLink と CUDA-Q により、量子誤り訂正技術の展開が可能になり、Helios QPU 内の繊細な量子情報を量子システムで誤りの原因となるノイズや不要な干渉から確実に保護できるようになりました。
この実証実験は、qLDPC コードとして知られる量子誤り訂正コードに対して、スケーラブルなデコーダーをリアルタイムで利用した世界初の事例です。Quantinuum チームは、67 マイクロ秒の反応時間を達成したデコーダー実装によるアクティブな誤り訂正とデコードの実証を行いました。これは、Helios の 2 ミリ秒の要件を 32 倍上回っています。この結果を達成する上で重要な役割を果たしたのは、大規模並列処理が可能な柔軟で設定可能なデコーダーを提供する NVQLink の能力でした。
NVQLink が提供するマイクロ秒単位のレイテンシと極めて高いスループットは、NVIDIA CUDA-Q のリアルタイム アプリケーション プログラミング インターフェイスを通じて開発者が利用できます。これにより、科学者や開発者は、単一のプログラミング環境内で量子誤り訂正と量子-GPU アプリケーションへのアプローチを容易に構築およびテストできます。
さらに、NVQLink はイーサネットを活用しているため、研究者は量子プロセッサやアプリケーションの拡張に合わせて、古典コンピューティング リソースを簡単に拡張できます。
提供について
NVIDIA NVQLink に関心のある量子コンピューター開発者やスーパーコンピューティング センターは、こちらの Web ページにアクセスし、登録してください。
NVIDIA NVQLink が量子プロセッサと GPU 搭載スーパーコンピューターを接続する方法について、NVIDIA テクニカルブログで詳細をご覧ください。
NVIDIAについて
NVIDIA (NASDAQ: NVDA) はアクセラレーテッド コンピューティングの世界的なリーダーです。
本プレス リリースには、以下に関する記述が含まれています (ただし、必ずしもこれらに限定されません)。将来のスーパーコンピューターは、量子コンピューターが自然をシミュレーションする能力と GPU のプログラマビリティと大規模な並列処理という、それぞれのユニークな強みを組み合わせた量子 GPU システムとなること;NVIDIA の製品、サービス、技術の利点、影響、性能、可用性、NVIDIA の協力者やパートナーを含む第三者との取り決めに関する期待、技術開発に関する期待、 およびその他の歴史的事実ではない記述は、1933年証券法第27A条および1934年証券取引法第21E条(いずれも改正済み)に定める将来予測に関する記述に該当し、当該条項により定められた「セーフハーバー」の適用を受けるものであり、実際の結果が予想と著しく異なる原因となるリスクおよび不確実性に影響を受ける可能性があります。実際の結果が大幅に異なる可能性のある重要な要因には、以下のものが含まれます:世界的な経済状況;NVIDIAの製品を製造、組み立て、梱包、テストする第三者への依存;技術開発と競争の影響;新製品や技術の開発または既存製品、技術の改良;NVIDIAの製品またはパートナーの 製品の市場受け入れ状況;設計、製造またはソフトウェアの欠陥;消費者ニーズや需要の変化;業界標準やインターフェイスの変更;NVIDIAの製品または技術がシステムに統合された際の予期せぬパフォーマンスにより生じる損失などを含み、NVIDIAが証券取引委員会(SEC)に提出する最新の報告書(年次報告書Form 10-Kおよび四半期報告書Form 10-Qを含むがこれらに限定されない)において随時開示されるその他の要因です。SECに提出された報告書は、NVIDIAのウェブサイトに掲載されており、NVIDIAから無償で入手可能です。これらの将来予測に関する記述は、将来の業績を保証するものではなく、本資料の発表現在時点での状況に基づくものであり、法律で義務付けられる場合を除き、NVIDIAは、将来の出来事や状況の変化を反映のためにこれらの将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。
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