次世代ゲームの進化のなかでも特に魅力的なのが、仮想世界に没入できるバーチャルリアリティ(VR)です。しかし、優れたVR体験を得るためには相当なコンピューティング・パワーが必要となります。
その解決策として、NVIDIAは新しいフラッグシップGPU、GeForce GTX 980 Tiを開発したのです。そのGTX 980 Tiと一緒に発表したのがソフトウェア開発キットのGameWorks VR――VRヘッドセットとゲームを開発する人々が、GeForce GPUを使ってすばらしい体験を構築できるように支援するキットです。
いま、このようなテクノロジが強く求められています。
5月に、Rift VRヘッドセットを新しく発売したOculusから、ゲーマに対し優れた体験を得るにはGeForce GTX 970以上のGPUを推奨するとの発表がありました。2160×1200という高解像度のディスプレイに90Hzで立体視ゲームを表示する、しかも、レイテンシやカクつきを完璧に抑えて表示するのは簡単なことではないのです。
よって、GameWorks VRでは、2015年のGDCでNVIDIAがVR Directという名前で発表した機能と新しく拡張した能力を組み合わせてあります。
GameWorks VRには、以下のような機能があります。
- NVIDIA MRS(Multi-Res Shading)――VRに適した画期的なレンダリング技術です。NVIDIA MRSでは、画像の各部をレンダリングする際、最終的に表示するVR画像のピクセル密度に適した解像度を使用します。また、GeForce GTX 980 Ti GPUのマルチプロジェクション・アーキテクチャを使い、シングル・パスで複数ビューポートのレンダリングを行います。その結果、VRゲームにおけるパフォーマンスが大きく向上するのです。
- VR SLI――VRアプリのパフォーマンスを高めることができます。複数GPUをどちらか片方の目に割り当て、立体視レンダリングを大幅に高速化できるのです。VR SLIにはGPUと相性のよいアプリケーション・プログラミング・インターフェースが用意されており、2基以上のGPUをうまくスケーリングすることができます。
- コンテキスト・プライオリティ――GPUスケジューリングのコントロールが可能となり、非同期タイム・ワープといった高度なVR機能のサポートが可能となります。ゲーマが頭を動かしたとき、新しくフレームをレンダリングし直す必要がないので、レイテンシが削減され、映像をすばやく調整できるようになります。
- ダイレクト・モード――VRヘッドセットのプラグアンドプレイ互換性を確保します。ダイレクト・モードでは、一般的なデスクトップ・モニタとしてではなくVRディスプレイとしてNVIDIAグラフィックスドライバがヘッドセットを認識し、シームレスなユーザ体験を提供します。
- フロント・バッファ・レンダリング――GPUがフロント・バッファへ直接レンダリングできるので、レイテンシが削減されます。
CCPゲームズ、Epicゲームズ、HTC、Oculus、Valveなどの大手VRデベロッパには、アルファ・バージョンのGameWorks VR SDKをすでに配布し、好評価を頂いています。VRデベロッパ向けにGameWorks VR開発者向けのウェブ・ページも用意してあります。
VRの世界はすぐそこまで来ています。Thief in the Shadows、Back to Dinosaur Island、EVE: Valkyrie、HTCのデモなど、思わず目を見張ってしまうようなデモをご覧になった方なら、これがどれほどすごいことなのか、よくおわかりでしょう。では、ゲームを存分にお楽しみください。