ギリアン・フリンのベストセラー小説、『ゴーン・ガール』はあっと驚く展開で読者の度肝を抜き、大人気となりました。この小説を原作とした映画(監督はデヴィッド・フィンチャー)がこの週末に公開されましたが、小説と同じく、こちらも大人気になるものと思われます。
おかしくなった夫婦関係を描く複雑なストーリーに命を吹き込むため、フィンチャー監督が用意したのが、NVIDIAの次世代Quadro GPUを搭載した画期的な制作パイプラインです。
『ゴーン・ガール』は、全編6Kで制作された世界初の映画です。つまり、かつてないほど技術的に進んだワークフローだったわけです。ポスト・プロダクション・プロセスにおける柔軟性を高めるため、この映画は、全編をAdobe Premiere Pro CCで編集しているのですが、これも、世界初の試みでした。
今回の映画制作では、すべての段階でNVIDIAのQuadro K5200 GPUが活用されました。だからこそ、6Kでの収録からクリエイティブ・エディット用2.5Kへのフォーマット変換もすばやく行え、『ゴーン・ガール』の撮影チームや編集チーム、特殊効果(VFX)チームによるレビューで無駄を省くことができたのです。
6Kから映画業界で一般的なフォーマット、DPX(Digital Picture Exchange)へのトランスコーディングも、Quadroなら、CPUの25倍もの速度で処理することができます。ここで時間を大きく節約し、VFX部門へ映像を提供するまでのプロジェクト・ワークフローを加速した結果、VFXの反復回数を増やすことができました。再生やリアルタイムの位置調整、安定化などの処理も、レイテンシをゼロに近いレベルまで抑えることができます。このため、従来よりも複雑な実験をしたうえで最終ショットを制作できるだけの余裕が生まれました。
撮影監督のジェフ・クローネンウェスは本映画の撮影にRED Dragonカメラを採用したのですが、こちらにも、Premiere Pro CCがサポートするQuadroのGPUディベイヤリングが使われています。だから、RED ROCKETハードウェアを使わずにすんだのです。ポスト・プロダクションも通常はひとつのシステムで行いますが、今回、たくさんのVFXワークステーションで分散処理ができたのも、Quadroを採用したメリットです。
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