Mozilla Firefox が NVIDIA RTX Video のサポートを追加。NVIDIA RTX Remix が DLSS 3.5 に対応。Cinema 4D が新たなシミュレーション ツールを提供。3D アーティストの Yao Chan 氏が暖かみのある春をテーマとした 3D シーンを公開。
本ブログは、注目のアーティストを称え、クリエイティブ活動のヒントやコツを説明し、NVIDIA Studio テクノロジがクリエイティブ ワークフローをどのように加速するかを紹介する「In the NVIDIA Studio」シリーズのものです。さらに、新しい、GeForce RTX GPU の機能、テクノロジ、リソースと、およびそれらがコンテンツ制作を劇的に加速する方法についても深く掘り下げています。
5 月の Studio ドライバーに含まれるクリエイティブ アプリの超充実なアップデートが、ダウンロード可能となりました。
また、NVIDIA Studio プラットフォームに支えられた、GPU で高速化され、AI を活用する新たな アプリと機能が利用可能となりました。
そして今回の「In the NVIDIA Studio」の注目アーティスト、Yao Chan 氏が NVIDIA RTX GPU を用いて、一風変わった春をテーマとする 3D シーン「By the Window (窓辺) 」を作成しました。
5 月のクリエイティブ アプリのハイライト
RTX Video は、YouTube、Prime Video、Disney+ といったアプリ上で再生されるビデオの品質を高める AI による強化機能のコレクションです。RTX Video Super Resolution (VSR) が、ビデオをアップスケールし、より美しく鮮明な映像にし、RTX Video HDR が標準ダイナミック レンジ (SDR) のビデオ コンテンツをハイダイナミック レンジ (HDR10) に変換し、視認性、ディテール、鮮明さを改善します。
3 番目に人気がある PC 用のブラウザの Mozilla Firefox は、大半のストリーミング ビデオに対応する AI で強化されたアップスケーリング、アーティファクト除去、HDR エフェクトを含む、RTX VSR および HDR のサポートを追加しました。
NVIDIA RTX Remix により、MOD 制作者は手軽にゲーム アセットをキャプチャし、生成 AI ツールによりマテリアルを自動で強化し、フル レイトレーシングで見事な RTX リマスターを作成することができます。RTX Remix は最近、高度なレイトレーシングによるゲームおよびアプリ用の高品質画像を作成する AI モデルの「レイ再構成」を備えた DLSS 3.5 のサポートを MOD 制作ツールキットに追加しました。
クラシック ゲームのレイトレーシング MOD を作ることに関心があるゲーム開発者は、RTX Remix ベータ版をダウンロードして、チュートリアル ビデオをご覧いただくことで、スムーズに始めることができます。
Maxon の Cinema 4D モデリング ソフトウェアは、3D ビデオ エフェクト アーティストとモーション デザイナーが複雑なシーンを容易に作成する助けとなります。このソフトウェアの 2024.4 バージョンが C4D の統合シミュレーション システムに組み込まれたことで、エミッション フィールドを制御し、動きをより精密に修正できるようになりました。
この統合により、パイロ、クロス、ソフトボディ、リジッドボディといったさまざまなシミュレーション タイプでオブジェクトの相互作用を調整することが可能となります。これらのシミュレーションは、使用する RTX GPU 次第でかなり高速に実行されます。
iClone 8 向けの NVIDIA Omniverse Audio2Face アプリは、AI を用いて音声入力のみから表情豊かなフェイシャル アニメーションを生成します。多言語ダイアログに対応する自然なリップシンク アニメーションの生成に加えて、最新のスタンドアロン版リリースdでは、多言語リップシンクおよび歌唱アニメーションのほか、スライダーでのコントロールによるあらゆる要素の編集やキーフレーム エディタにも対応しています。
正確なリップシンクと共に、微妙な表情によって、フェイシャルアニメーションが大幅に改良されます。Audio2Face を NVIDIA Maxine を活用した iClone AccuFACE プラグインと組み合わせることで、 Reallusion はオーディオ トラックで基礎を作り、ウェブカメラで微妙な表情を加えることができる、フェイシャル アニメーションに対する柔軟で多角的なアプローチを提供します。
これらの最新の AI 搭載ツールおよびクリエイティブ アプリの強化機能は、NVIDIA RTX GPU と GeForce RTX GPU のユーザーが利用できます。
小さく明るく美しいあらゆるもの
中国を拠点とする 3D 視覚効果アーティストの Yao Chan 氏は生活の中の小さな物事からインスピレーションを得て、喜びを見出しています。
「気候がだんだん暖かくなるにつれて、あらゆるものが活気を得て、花々が咲いています。私は春の暖かさと明るい雰囲気をとらえるイラストレーションを制作したいのです」と Chan 氏は述べました。
同氏による 3D シーン「By the Window」は、さまざまな多肉植物や植木鉢、きちんと整頓されたガーデニング道具でいっぱいの自宅の一角を厳密に再現しています。
「いろいろな形で心を温めてくれる場所や時間は誰にでもあると思います。その感情を私は視聴者と共有したいのです」と、同氏は語りました。
Chan 氏は通常、自分のアイデアを最初に Adobe Photoshop でスケッチしますが、実生活での参照先がすでに決まっていたため、すぐに Blender でシーンを描く作業に取り掛かりました。
Chan 氏は、花瓶と植木鉢のモデリングに手描きのようなテクスチャ スタイルを使いたいと思ったため、Blender のディスプレイス モディファイアーを加え、ボロノイ テクスチャを使って形状に手作業で作ったようなエフェクトを与えました。
GeForce RTX GPU によって利用できる、ビューポート内の Blender Cycles の RTX アクセラレーテッド OptiX レイトレーシングによって、Chan 氏のクリエイティブ ワークフロー全体にわたり、スムーズでインタラクティブなモデリングが実現しました。
テクスチャリングについては、Chan 氏は以前 In the NVIDIA Studio で特集を組んだアーティスト SouthernShotty 氏のチュートリアルを参照し、ジオメトリ ノードの精度を使用してオブジェクトの構造を強調し、グラデーション ノードを使用して植物の色と透明度を制御しました。
Chan 氏はその後、「ポイントネス」ノードを使って陶製の植木鉢のマテリアルを再現しました。
ライティングはかなりシンプルで、太陽光、暖色系のキー ライト、寒色系のフィル ライト、テーブルの下を照らすための小さな光源で構成されました。
Chan 氏はまた、カメラ前にボリューム ライトをいくつか追加しました。
最後に、画像に一層のヴィンテージ感を出すために、Chan 氏は最終レンダリング画像の合成の際にノイズを加えました。
Chan 氏の AI によるシミュレーションおよびビューポート レンダリングは、同氏が所有する RTX GPU により行われました。
「RTX GPU はワークフローを高速化し、円滑なビデオ編集を保証してくれます」と、Chan 氏は述べました。
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