さまざまな巨大企業がクラウドへの移行を進めているなか、NVIDIA が Rescale と協働し、フルスタックの NVIDIA AI ソフトウェアを主要なクラウド サービス プロバイダーに提供

多くの企業と同様に、産業向け科学技術計算の世界もデータ問題に直面しています。

新しいエネルギー源の開発や新しい輸送手段の構築から、業務効率の向上や顧客サポートの改善といったミッションクリティカルな問題に至るまで、一見難解に見える課題を解決するには、膨大な量のハイパフォーマンス コンピューティングが必要となります。

これまで以上のスーパーコンピューターを設計、開発および構築する代わりに、Electrolux やデンソー、Samsung、Virgin Orbit といった企業では、Rescale のクラウド プラットフォームを活用しています。これにより、これら企業ではエネルギー効率の良い方法で自社のアクセラレーテッド コンピューティングをスケールアップし、イノベーションを加速できるようになっています。

クラウドでの AI に対する産業科学界での需要の高まりに対処するために、NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、Rescale Big Compute バーチャル カンファレンスにおいて、Rescale の創始者 兼CEO であるヨリス ポート (Joris Poort) 氏とともに、Rescale が NVIDIA AI ソフトウェア ポートフォリオを導入するという発表を行いました。

NVIDIA AI は、さまざまな業界の数百のお客様が使用しているシミュレーションおよびエンジニアリングのソフトウェアを提供する Rescale の HPC-as-a-Service に、新たな機能をもたらします。また、NVIDIA は、本日発表された Rescale Compute Recommendation Engine を加速し、お客様がコストとスピードの目標を最適化するために適切なインフラストラクチャを選択することを可能にします。

フアンは次のように話しています。「原理に基づく手法とデータに基づく手法を融合させた物理 ML AI モデルを利用すれば、かつてないスピードとスケールで設計空間を探索することが可能になります。Rescale は、こうした大きなトレンドの要となる存在です。NVIDIA のアクセラレーテッド AI コンピューティング プラットフォームは、Rescale を補完するもので、産業科学コンピューティングを進化させるために役立ちます」

また、ポート氏は次のように話しています。「画期的なイノベーションを実現させようとしているエンジニアや科学者は、R&D ソフトウェアとアクセラレーテッド コンピューティングをすぐに使える、統合的なクラウド プラットフォームを必要としています。Rescale は、お客様が NVIDIA のアクセラレーテッド HPC を使って発見をスピードアップし、費用を節約するのを支援するとともに、NVIDIA AI Enterprise を Rescale のプラットフォームに導入することで、もっとも先進的なコンピューティング機能に最高の AI を組み合わせます。さらに、AI を活用した多様なワークフローにも対応し、R&D リーダーたちが好みのクラウドでワークフローを実行できるようにいたします」

NVIDIA AI 実装のクラウドで HPC の地平をさらに拡大

両社は、NVIDIA AI Enterprise を Rescale に導入して、クラウド プラットフォームの機能を拡大し、NVIDIA がサポートする AI ワークフローと処理エンジンに対応する取り組みを進めていると発表しています。これらの機能を利用できるようになると、お客様はさまざまな主要クラウドで AI アプリケーションを開発し、NVIDIA からのサポートを受けられるようになります。

世界中で導入されている、NVIDIA AI プラットフォームのソフトウェアである NVIDIA AI Enterprise には、データ処理と AI モデルのトレーニングからシミュレーションおよび大規模展開に至る、AI ワークフローの各段階に不可欠な処理エンジンが含まれています。

NVIDIA AI により組織は、コンピューター ビジョン、ルートとサプライ チェーンの最適化、ロボティクスなどのアプリケーションによって、産業向け HPC の研究開発を補完および拡大させるための予測モデルを開発できるようになります。

また、Rescale のソフトウェア カタログを通じて、NVIDIA NGC にある数百の NVIDIA アクセラレーテッド コンテナ アプリケーションとトレーニング済みの AI モデルを利用し、お客様はオンデマンドでシミュレーションを実行し、必要に応じて規模の拡大または縮小ができるようになります。

NVIDIA Modulus で物理学ベースの機械学習を高速化

現在、Rescale では、エンジニアリングの多様なユースケースに対応するために、物理学ベースの機械学習ニューラル ネットワークの開発を支援する NVIDIA Modulus フレームワークの提供を始めています。

Modulus は物理学の力とデータを組み合わせることによってリアルタイムに近いシミュレーションを実現する、忠実度の高いモデルの構築を可能にします。Rescale プラットフォーム上でわずか数クリックするだけで、お客様はデータの前処理とモデルのトレーニングから、推論およびモデルの展開に至る、AI を活用したシミュレーション ワークフローのすべてを実行できるようになります。

オンプレミスからクラウドに至るワークフローのオーケストレーションにより、柔軟性を向上

Rescale はさらに、AI 開発者向けワークフロー管理ソフトウェアである NVIDIA Base Command Platform を統合しており、これによってクラウドとオンプレミスの NVIDIA DGX システムにわたってワークロードをオーケストレーションできるようになります。

Rescale の HPC-as-a-Service プラットフォームは、Amazon Web Services や Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructure といった主要なクラウド サービス プロバイダーのプラットフォーム上で NVIDIA によって加速されます。Rescale は、NVIDIA Inception プログラムのメンバーです。

さらに詳しい情報は、Big Compute の基調講演を再生し、本件に関するフアンとポート氏の対談をご視聴ください。