CESの特別講演で、160機種以上のGeForce RTX 30シリーズGPU搭載のノートPC、新しいゲーム、拡充されたOmniverseプラットフォーム、より多くのネットワークとデバイスに対応したGeForce NOW、およびNVIDIA DRIVE Orin採用の自律走行トラック プラットフォームを披露
これまで以上に多くのユーザーにグラフィックスとAIのパワーを提供するために、NVIDIAは本日、GeForce RTXとNVIDIA AIプラットフォームを活用した新しいノートPCと自律走行車を発表し、Samsung TVとAT&TネットワークによりGeForce NOWクラウド ゲームのリーチを拡大しました。
CESに先立ち行われた特別講演では、次世代のゲーム、仮想世界を作成するための新しいツール、およびAIを搭載した車など、NVIDIAテクノロジが加速することについて紹介されました。
160以上のポータブルでパワフルなノート PC
「レイトレーシングとAIが、次世代のコンテンツを決定づけています」と話すのは、NVIDIAのGeForceビジネスのシニアバイスプレジデントであるジェフ フィッシャー (Jeff Fisher) です。
フィッシャーは、多種多様なモバイル デザインを取り揃えた、RTX 30シリーズGPUを搭載する160機種以上の薄型で軽量のノート PC を発表しました。
これらは、ますますポータブルPCに目を向けはじめている、世界中の30億人のゲーマーと数千万人のコンテンツ クリエイターに提供されます。
多くのシステムには、新しい GeForce RTX 3080 Ti Laptop GPUが搭載され、フラッグシップの80 Tiクラスが初めてのノートPCに登場します。このGPUは、16GB の史上最速のGDDR6メモリを搭載し、デスクトップ向けのTITAN RTXよりも高い性能を実現し、搭載するノート PC の価格は2,499ドルからとなります。
最も急成長している70クラスのGPUには、GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPUが加わり、性能がさらに向上しました。1,440pの解像度で100 FPS でディスプレイを駆動する性能を持ち、搭載するノート PC は1,499ドルからの価格で販売されます。
新しいGPUを搭載したノートPCは2月1日から販売が開始されます。これらは、最も薄く、軽く、静かなゲーミングノートPCを実現するシステム デザイン アプローチである第4世代のMax-Q テクノロジを採用しています。
最新のMax-Qでは、AIを適用してGPU / CPUの電力使用量、バッテリーの放電、画質、フレームレートのバランスを最適化します。実行するノートPCは、より高いパフォーマンスを提供しながら、最大70% 長いバッテリー駆動時間が可能となります。
メインストリームGPUとモンスター GPU
フィッシャーはまた、メインストリームのデスクトップにレイトレーシングと高速化されたAIをもたらすGeForce RTX 3050を発表しました。
この GPUは、NVIDIA Ampere アーキテクチャのグラフィックスとAIコアにより、多くのPCで最新のゲームを60 FPSで動かすことができます。
RTX 3050は、8GBのGDDR6メモリを搭載しています。 このグラフィックス カードは、1月27日に世界中のパートナーから249ドルからの価格で発売予定です。
「RTXは新たな標準であり、GeForce RTX 3050が、これまで以上に身近なものします」とフィッシャーは語り、「モンスター」 と呼ぶRTX 3090 Ti (以下の写真) も控えていると紹介しました。
RTX 3090 Tiは、史上最速のメモリとなる21 Gbpsで動作するGDDR6Xを24GB搭載します。 このGPUは、シェーダーで40 TFLOPS、レイトレーシングで78 TFLOPS、AIで320 TFLOPSという驚異的な処理能力を発揮します。詳細は今月後半に発表予定です。
AT&T、Samsungとの新たな取り組み
AT&TとNVIDIAは、高性能のモバイル ゲーミングに新しい翼を与え、顧客に最適化されたエクスペリエンスを提供するために協力しています。 そして、AT&Tの顧客には、5GでNVIDIA GeForce NOWを楽しむための特別オファーを提供しています。
「本日より、対象となるプランで5Gデバイスを使用しているAT&Tのお客様には、6か月間のGeForce NOW Priority メンバーシップが無料で利用可能となります」とフィッシャーは述べています。
また、Samsungは今年半ばにSamsung Gaming Hubを通じてスマートテレビでNVIDIAのクラウド ゲーム サービスを提供する予定です。
これは、GeForce NOWをリビングルームに導入する最新の動きです。11月には、LGが2021年のwebOSスマートテレビでこのサービスのベータ版を公開しました。
ゲームに関しては、GeForce NOWは引き続きElectronic Artsカタログのサポートを拡大しています。『バトルフィールド 4』と『Battlefield V』が、1,500万人の加入者がプレイする1,100を超えるPCゲームのGeForce NOWのオンライン ライブラリに追加されます。
胸躍るRTXゲームとReflexゲーム
新しいゲームと言えば、NVIDIAは10の新しいRTXゲームを発表しました。
フィッシャーは、4つのまもなくリリースされるタイトルを紹介しました。これらは、RTX、DLSS (NVIDIAのAIを活用したグラフィックス拡張テクノロジ)、またはその両方に、今年対応予定です。
『Escape from Tarkov』と『レインボーシックス エクストラクション』がDLSSの対応を追加し、『The Day Before』と『Dying Light 2 Stay Human』がDLSSとレイトレーシングの両方に対応します。
さらに、7つの新しいタイトルがNVIDIA Reflexに対応し、低遅延のゲームプレイを実現します。
それらのゲームには、Sony の『ゴッド・オブ・ウォー』、『レインボーシックス エクストラクション』、世界最高峰のオンライン レーシング シミュレーター『iRacing』が含まれます。
さらにNVIDIAはeスポーツの水準を引き上げています。1,440pの解像度と最大360Hzのリフレッシュレート、G-SYNCに対応した新しいクラスの27インチeスポーツ ディスプレイが、AOC、ASUS、MSI、ViewSonicから間もなく発売予定です。
仮想世界の構築
フィッシャーは、ゲームや映画などを制作する4,500万人のプロフェッショナルのワークフローを変革するツールについて説明しました。
「次世代のデジタル フロンティアが幕開けを迎えています。共有接続された 3D バーチャル世界が構築され始めています。店、家、人、ロボット、工場、博物館など、世界中の多くのクリエイターが協力していくことで構築していくことでしょう」と語りました。
アーティストが3Dの共同作業を加速するための強力なプラットフォームであるNVIDIA Omniverseは、GeForceおよびNVIDIA RTX Studioのクリエイターに無料で提供が開始されました。
Omniverseは、PixarのオープンスタンダードのUniversal Scene Description(USD)を使用して、40を超えるソフトウェア開発パートナーのツールを単一の3Dデザイン プラットフォームに接続します。
これにより、世界中のクリエイターがOmniverse上で3Dワークフローを共有し、共同作業を行うことができます。
「これが 3D コンテンツ制作の未来であり、バーチャル世界が構築されていく手段です」とフィッシャーは述べています。
フィッシャーは、Omniverseの新機能について詳しく説明しました。
- ワンクリック コラボレーション (one-click-to-collaborate)」により3Dシーンを共有できる機能Omniverse Nucleus Cloudが、早期アクセスを開始
- オーディオ トラックを基に3Dのフェイシャル アニメーションを作成するAI対応アプリであるOmniverse Audio2Faceがアップデートし、リアルなキャラクターを作成するための Epicの MetaHumanに直接エクスポートが可能に
- 『Mechwarrior 5』 と 『Shadow Warrior 3』 からの新しいアセットがOmniverse Machinimaライブラリに追加
- 主要な3Dマーケットプレイスからの豊富な無料のデジタルアセットが、Omniverseランチャーから利用可能に
さらに、簡単に描いたスケッチをリアルな風景画に変換するStudioアプリであるNVIDIA Canvasがアップグレードしました。GauGAN2を開発したNVIDIAの研究者チームの成果により、4倍の解像度を実現し、花や茂みなどの新しいマテリアルも追加されました。NVIDIA Canvasはこちらから無料でダウンロードできます。
これは、200以上の業界の主要なクリエイティブ アプリケーションを高速化する、NVIDIA Studioの多様なソフトウェア スタックのひとつです。
これらのソフトウェアはすべて、RTX 3080 Tiを搭載した新しいウルトラ ポータブルのRazer Blade 14のようなスリムなシステムで利用できます。
「これがあれば どこであっても自宅環境と同じ品質で作品を制作できます」と、ノート PC をテストし、特別講演でその経験を共有した3Dアーティストは語っています。
輸送におけるAIの活用
CESのもう1つのホットなトピックは、自律走行車や自律走行トラックです。NVIDIAは、完全な自動運転車の安全要件を満たす、高性能なコンピューターとセンサー アーキテクチャを含むオープンなDRIVE Hyperion プラットフォームを採用する企業が増えていることを発表しました。
最新世代のDRIVE Hyperion 8は、冗長性を備えたNVIDIA DRIVE Orinシステムオンチップ、12台の最先端のサラウンド カメラ、9台のレーダー、12台の超音波センサー、1台の前面LiDAR、3台の車内検知カメラを搭載しています。 機能的に安全であるように設計されているため、1台のコンピューターまたはセンサーに障害が発生した場合でも、車両が乗客を安全な場所に移動できるようにバックアップを利用できます。
Volvo傘下にあるPolestarなどの電気自動車メーカーやNIO、Xpeng、Li Auto、R Auto、IM Motorsを含む中国のEV企業は、すべてDRIVE Hyperionを採用しています。
「これらの新しい電気自動車は、OTAで更新されるたびに、どんどん性能が向上していきます」と語るのは、NVIDIAのオートモーティブ事業のバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるアリ カニ (Ali Kani) です。
「そのような自動車開発に取り組む企業は、ソフトウェア主導の新しいビジネスモデルから収益を得ることができるでしょう」
Cruise、Zoox、DiDiなどのロボットタクシー サービスを提供する企業や、Volvo、Navistar、Plusなどのトラック向けのサービスを提供する企業もDRIVE Hyperionを採用しています。
自動運転トラック会社のTuSimpleは、CESで NVIDIA DRIVE Orinを活用した新しいプラットフォームを構築することを発表しました。 UPS、Navistar、Penskeなどの大手配送会社と協力しており、そのテクノロジにより、米国郵政公社の長距離路線の到着時間がすでに改善されています。
このような車両は、米国だけで2027年までに推定14万人以上のドライバーの不足を補うのに役立ちます。
さらに、Desay、Flex、Quanta、Valeo、ZFの5つの主要な自動車サプライヤーがDRIVE Hyperionをサポートするようになりました。
アリ カニは、NVIDIA DRIVE ConciergeのデモをCESの講演の最後に披露しました。
NVIDIA DRIVE Conciergeは車両内で常時稼働する、ドライバー向けのデジタル アシスタントです。NVIDIAの音声AI、コンピューター ビジョン、自然言語理解、レコメンダー エンジン、シミュレーション テクノロジを組み合わせたNVIDIA Omniverse Avatarで作成された、便利なエージェントの一つです。
また、DRIVE Conciergeは、NVIDIAの自律走行車向けの豊富なリアルタイムAIベースのソフトウェア スタックに追加された最新の機能になります。このエンドツーエンドのソリューションには、クラウドでAIモデルをトレーニングし、データセンターで複雑なシミュレーションを実行して、自律走行車システム全体を安全にテストおよび検証するためのコードも含まれています。
「車内のAIからクラウド内のAIまで、NVIDIAはより安全で効率的な輸送への道を切り開いています」とカニは述べています。
その他のニュースについてはNVIDIAのCESのページをご確認ください。また、以下より、特別講演を視聴いただけます。