ロボタクシー開発を牽引する企業各社が NVIDIA DRIVE を採用

by Katie Burke · May 10, 2021

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Cruise、Zoox、DiDi、Oxbotica、Pony.ai、AutoX が、NVIDIA の自律走行車プラットフォームを採用し、レベル 4/5 システムを構築

輸送業界は今、新しい時代を迎えようとしています。

NVIDIA の創業者/ CEO であるジェンスンフアン (Jensen Huang) は、GPU Technology Conferenceの基調講演で、NVIDIA DRIVE を活用し次世代ロボタクシーの開発に取り組む企業各社の幅広いエコシステムについて語りました。未来を見据えたメーカー各社の、より安全でより効率的な自動車が、私たちの日々の移動手段をまったく新しいものに変えようとしています。

全世界の自動車による移動距離は年間 2 兆マイルを超えています。この移動距離の一部がモビリティサービスに置き換わるだけで、イノベーションの機会は大きく広がります。

ロボタクシーとは、仮想の境界線で囲まれた都市や住宅地域などのエリアを、人間の監督なしで完全自律走行できる車両のことです。運転手の代わりに高解像度のセンサーとスーパーコンピューティングプラットフォームを搭載することで、24 時間 365 日安全に走行することができます。

現在、業界ではレベル 2+ の AI 支援運転機能の自家用車への展開に取り組んでおり、複数の専門家は今後 10 年でレベル 4 の車両が実現すると予測しています。

また、現在の移動手段に代わるより安全な選択肢として、ロボタクシーが大規模に展開され急速に普及すると見込まれています。2030 年には、全世界における自動車の移動距離の 5% 以上をロボタクシーが占めるという予測もあります。

これはまさにモビリティ革命ですが、その実現には一元管理されたハイパフォーマンスコンピューティングが欠かせません。ロボタクシーが処理しなければならないセンサーデータの量は、現在最も高度な自動車が処理するデータ量の 100 倍にも達します。冗長性のある、多様なディープニューラルネットワークアレイを統合ソフトウェアスタックの一部として同時に実行する必要があるため、ソフトウェアの複雑性も飛躍的に高まります。

こうした水準の AI 開発をエンドツーエンドで支援できる唯一の企業が NVIDIA であり、ロボタクシーのメーカーとサプライヤーのほぼすべてが NVIDIA の GPU ベースの製品を採用していることが、その事実を裏付けています。

これまでにない車両の実現

完全にゼロからロボタクシーを開発し、自律型の配車サービスに特化したまったく新しい車両を実現している企業も複数社います。

サンフランシスコに拠点を置き、自動運転に取り組む Cruise は、2020 年初頭にロボタクシー「Cruise Origin」を発表しました。これは、都市における移動と通勤を変革するという目的で専用設計された、GM およびホンダとの共同開発による完全な電気自動運転シェアカーです。

Cruise では、サンフランシスコの混沌とした街路からリアルタイムで収集される大量のデータの処理に、ハイパフォーマンスでエネルギー効率に優れた NVIDIA DRIVE GPU のコンピューティングを活用し、より安全かつ効率的で、環境にも優しい、新たな移動手段を都市生活者に届けます。

Cruise のエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めるモーエルシェナウィ (Mo ElShenawy) 氏は、GTC のセッションで次のように述べています。「私たちが 1 日で取り込み処理するデータは、Netflix のライブラリ複数個分の量に相当します。NVIDIA DRIVE GPU を活用することで、これらのデータを駆使して、Cruise のロボタクシーを人類の進化に合わせていくことができます。」

ロボタクシーメーカー Zoox が 12 月に発表した自動運転車両は、乗客の利便性にフォーカスしているのが特徴で、四輪操舵を採用して、縦列駐車ができない窮屈な路肩にもスムーズに駐車できます。また双方向性を備えており、車両のどちらが前か後ろかという決まりがありません。つまり、私道に「頭から」乗り入れたあと、そのまま方向転換せずに「前向き」で道路に戻ることが可能です。思いがけず道路が閉鎖された場合でも、進行方向を反転させるだけ、あるいは四輪操舵を使って向きを変えられます。いずれにしても車両を転回させる必要はありません。

車の内部を見ると、座席は対面式となっており、周辺の景色がよく見えるのはもちろん、乗客同士のコミュニケーションにも適しています。各シートはすべて同じ大きさで、同じクオリティの乗り心地を体験でき、「はずれの席」というものが存在しません。対面座席であるため通路スペースも広くなり、乗客同士がいちいち立ちあがったり身をよじったりすることなく通り抜けられます。

Zoox のロボタクシー設計の最適化を支えたのが、NVIDIA DRIVE を基盤とする一元管理されたハイパフォーマンスコンピューティングです。

Zoox の CTO であるジェシーレビンソン (Jesse Levinson) 氏は、GTC のセッションで次のように語りました。「NVIDIA とのコラボレーションのおかげで、同じ電力で計算できる量が 10 年前と比べて 2 桁も増えました。このことは非常に大きな意味がありました。」

世界を変えつつある企業

自律走行のイノベーションを世界に届けている企業も続々と登場しています。

この 1 年では、自動運転開発スタートアップの AutoX が、中国の深圳で自律型の配車サービスの運用を開始しています。

100 台の AutoX の車両には、AI コンピューティング用に NVIDIA DRIVE プラットフォームが搭載されています。冗長性のある多数のディープニューラルネットワークを最大 2,000 TOPSで処理することで、完全な自動運転を実現しています。

英国を拠点とする Oxbotica は、「Universal Autonomy」プラットフォームを開発しています。自動車メーカー各社は、このプラットフォームを活用することで、ロボタクシーを含むさまざまな自律走行車を開発できます。同社が開発中の Selenium プラットフォームでは、NVIDIA DRIVE Orin を活用してレベル 4 の自動運転機能を実現します。