もし、あなたが月面着陸をでっち上げるなら、世界最先端の GPU が必要になるでしょう。

4 年前、NVIDIA のデモ チームが GPU を使い、アポロ 11 号の月面着陸の陰謀論は誤りであったことを証明しました。実のところ、検証が徹底的に行われたため、実際に月着陸をでっち上げる最高の方法は、その時代には存在していなかったテクノロジを使うことである、という冗談のような結論となりました。

ニール アームストロングが月面に第 1 歩を踏み出してからほぼ半世紀となりますが、NVIDIA では、最新の GPU アーキテクチャの Turing に組み込まれた、リアルタイム レイ トレーシング テクノロジを使い、当時のデモをリフレッシュさせてみました。

先週ミュンヘンで開催された GTC Europe において、起業家や研究者、科学技術者およびメディアなど数千人の観客を相手に、NVIDIA の創業者/CEO のジェンスン フアン (Jensen Huang) が、最新の NVIDIA RTX GPU とリアルタイム レイ トレーシング機能の組み合わせにより、デモチームが、宇宙飛行士のバズ オルドリン (Buzz Aldrin) が月面着陸船から降りるところを捉えた、月面着陸の象徴的な写真の 1 つをデジタル加工で復元する様子を披露しました。

この偉大な瞬間を驚異的なレベルのリアリズムで再現することにより、私たちは、写真がまるで月で撮影されているかのように復元できるだろう、という当初の結論を再確認しました。

フアンは次のように述べています。「これは、NVIDIA RTX が成し遂げたものです。この種のレンダリング テクノロジを使えば、光の振る舞いをシミュレーションでき、さまざまなものがあるべき姿で見えるようになります」

NVIDIA の Turing アーキテクチャを使って、デモ チームは、それを実際にやり遂げました。このアーキテクチャにより、スクリーンから送られる光線の経路 (コンピューター サイエンティストはこれをフラスタムと呼びます) を逆に辿って、リフレクション (反射) や シャドウ (影)、アンビエント オクルージョン、グローバル イルミネーション、その他の視覚現象を一瞬のうちにレンダリングしてシーンに反映させることができるからです。RTX テクノロジの登場前は、1 つのシーンに特殊効果を専門とする会社が何週間または何か月も費やして、なんとかそのシーンを作り上げていました。

デモ チームは、4 年前に行った仕事をもとに作業を開始しました。その頃、チームは、ディテールを可能な限り収集し、象徴的な画像を理解しようとしました。チームは、着陸船のリベットを調べ、月の表面を覆っている粉塵の特性を確認し、さらに宇宙飛行士の宇宙服で使用されている素材の反射率を測定しました。

迫真の月の光

オリジナルのデモをアップデートするために、NVIDIA のエンジニアたちは、Epic Games が開発したゲーム エンジン Unreal Engine 4 で、月着陸のシーンを複製しました。チームは、着陸船の後ろから差してきて、月の表面とアームストロングの宇宙服に広がる太陽の光の振る舞いをシミュレートし、さらに着陸船から降りようとしているオルドリンに光を当てました。

これらすべては、私たちの最新のデモの忠実度を証明しているに過ぎず、4 年前に発見したものを再確認させてくれました。つまり、写真のなかの宇宙飛行士を照らしているものは、太陽以外のなにものでもなく (つまり、スタジオの照明なんかではなく)、光があるがままに振る舞っているだけだったのです。

それにより、次の 2 つのうちのどちらかであるということが証明されました。1 つは、アポロ 11 号の着陸が事実であるということ。もう 1 つは、月に行くことがあまりにも困難であると NASA が判断し、その代わりにタイムマシーンを作り上げ、誰かを 50 年後の未来に送り、NVIDIA RTX GPU をとってこさせたということです。