ペースメーカーからフィットビットまで、デジタル・テクノロジは、人々の健康維持において重要な役割を果たしています。
今や複数の革新的企業が、VRを応用してデバイスやガジェットを上回る能力を医療分野に拡大しようとしています。
ゲーム開発者が実物そっくりなVR版エベレスト山や火星を動画化するために使用するのと同じGPUテクノロジを導入して、より優れた手術のトレーニングや、より正確な病気の診断を行ったり、苦痛を緩和する新しい方法を患者に提供したりしています。
では、NVIDIAのGPUを使用して医療におけるVR利用の道を切り開いている3つの企業をご紹介します。
より安全な環境でトレーニング
医療処置が複雑になればなるほど、外科医を十分にトレーニングすることはますます難しくなります。ボストンに拠点を置くOsso VRの創設者兼整形外科医であるジャスティン・バラッド(Justin Barad)氏によると、外科医は、複雑な移植処置を経験することなく、トレーニング・プログラムを終えるそうです。
Osso VRは、この課題に対処するため、低コストのVRシミュレーションを利用し、新しいデバイスやなじみのないデバイスを使用する方法を外科医に教えます。このシミュレーションでは、NVIDIA GPUと手の動きに基づく高度なインタラクションを利用し、できる限り実際に近いシナリオを作成します。
あるシーンでは、手術用トレイが表示され、ユーザは、個々のツールを検査して処置の準備をすることができます。次に、チタン・ロッドを仮想の脛骨に打ち込むなど、バーチャル手術室での処置実行の段階に移ります。
Osso VRにより、外科医は、患者を危険にさらすことなく、安全な環境で各種ツールに精通して、新しいスキルを学び、外科的処置を体験できるようになります。
画像と診断の向上
医師や専門家は、MRIやCTのスキャン画像を見て患者を診断します。しかし、平らで白黒の画像から読み取るのは困難な場合が多くあります。診断精度を向上させるため、Bioflight VRは、VR環境にデータをアップロードするソリューションを構築しています。
ロサンゼルスを拠点とするこの企業が開発した、仮想的かつリアリティを増大させるプラットフォームを利用すると、医師はCTスキャン画像やMRIデータを3D画像で見ることができます。このプラットフォームのGPUインターフェースにより、医療の専門家が仮想環境を通じて状態を分析、操作、識別できるように、通常の装置では明らかにされない詳細なスキャン画像が表示されます。
医師は、この新しいツールを医用画像で使用することにより、体を傷つけるような処置の必要性を排除し、手術計画を立てる時間を削減し、診断の精度を向上させて、より優れた患者ケアを提供できます。
高齢者に対する代替治療
一人暮らしの高齢者の多くは、不安や孤独、うつ状態に苦しんでいます。高齢者は、医師と連携して症状を緩和することが可能です。治療も役に立ちます。しかし、意思疎通のうまくいかない患者の場合、そうしたやり取りは少なくなるか、まったくないこともあります。
カリフォルニア州サンカルロスに拠点を置くOne Caring Teamは、一風変わった、Aloha VRを利用した治療による苦痛の軽減、つまり、ストレスや不安を緩和するよう考案された非侵襲プログラムを検討しています。Aloha VRは、リラックスできる没入型環境で高齢者を取り囲み、高齢者の生活を充実させることができます。
GPUテクノロジに基づくAloha VRにより、高齢者は、日々の通院や高額な医療費をなくすことができます。患者がより深く仮想世界に関わるほど、苦痛を感じたり、苦痛について悩み、不安になって過ごしたりする時間を減らすことができます。
GPUによるテクノロジがいかに医療を進化させているかについて、詳しくは、NVIDIAの2016年サステナビリティ・レポートをご覧ください。
写真提供 (トップ画像): Bioflight VR