米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校は、Surgical Theaterの新しい医療バーチャル・リアリティ部門(mVR)により、世界で最も進んだ外科医療環境を備えています。その様子は、NVIDIAが来月シリコンバレーで開催するGPUテクノロジ・カンファレンスで紹介されます。
高度なフライト・シミュレーションと航空分野でのバーチャル・リアリティのベテランであるアロン・ザッカーマン(Alon Zuckerman)氏が率いるmVRは、脳外科手術や心臓血管手術など、複雑な病変を処置する手術でのVRテクノロジの使用に注目しています。
Surgical Theaterのプラットフォームは、手術の手順の分刻みでのナビゲーションを外科医が行えるようにするなど、ダイナミックなビジュアライゼーション機能をリアルタイムで提供します。複数のNVIDIA GPUやNVIDIA SLIテクノロジを使用して解像度や反応性を高めることで、外科医は手術前に患者の生体構造内を「擬似飛行」できます。
UCLAの脳神経外科の科長であるニール・マーティン(Neil Martin)博士は、次のように述べています。「高度な技術を要する繊細な手術を行う前にテスト実行ができるのは、言葉では言い表せないほど価値のあることです」
mVRと協力し、バーチャル・リアリティが提供するかつてない可能性により、医療画像やナビゲーションの世界は変貌し、外科医は、コンピューター断層撮影画像、磁気共鳴画像(MRI)、およびその他のスキャンを再構成して3D VRモデルへと融合させることができます。
また、手順の模擬実行を可能にするSurgical Navigation Advanced Platformにより、外科医は、手術部位の状況を直観的に認識でき、最も安全で効率的な手順を判断するのに役立ちます。
Surgical Theaterの画期的なテクノロジを診察室から手術室まで、日々の仕事のあらゆる部分に取り入れているマーティン博士は、「手術室にいるときにも思い出せるような体験です。この領域はすでに体験済みだ、というような感覚になるのです」と述べています。
恩恵を受けるのは医師だけではありません。患者は、VRヘッドセットを着用し、動脈や脳細胞の間に文字通り立ったりして、自分の体内を見て回ることができます。患者は自分の治療プランを視察し、自らの生体構造の中へ入ることができるのです。
UCLAのマーティン博士は、この革新的なテクノロジでの体験を、シリコンバレーで4月4~7日に開催されるGTC 2016で紹介します。「UCLAの脳神経外科でVRナビゲーションから学んだこと」というセッションでは、マーティン博士に、バーチャル・リアリティと高度な3D画像の使用により、複雑な手術にどのような変革が起きているかをお話いただきます。Surgical Theaterの共同創立者兼CEOであるモティ・アヴィザー(Moty Avisar)氏にもご一緒いただきます。
詳細情報の参照と、カンファレンスへの登録は、http://www.gputechconf.com/で行うことができます。