NVIDIA は、AI ネイティブな 5G および 6G ネットワークを構築のためのオープンソース ソフトウェアを通信業界に積極的に提供しています。
NVIDIA Aerial ソフトウェアは間もなくオープンソースとしてリリースされ、NVIDIA DGX Spark を含むさまざまな NVIDIA プラットフォームで利用可能になります。オープンソース ソフトウェアと、それをすべて実行する強力でアクセスしやすいスーパーコンピューターにより、AI-RAN や無線研究者は、数か月や数年ではなく、数時間で迅速なプロトタイピングから製品開発へと移行することができます。
つまり、ライセンス ソフトウェアや専用ハードウェアへのアクセスが制限された前世代とは異なり、次世代の AI ネイティブ モバイル ネットワークを AI のペースで構築し、オープンで広範なコラボレーションを実現できることを意味します。

オープンソースによる無線業界の新たな可能性
オープンソースは、イノベーションの障壁を取り除き、コラボレーションを加速することで、業界を再構築しており、閉鎖的な独自システムでは不可能だった画期的な進歩を実現しています。NVIDIA は、通信業界向けを含むオープンソースに貢献している主要な企業です。以前オープンソース化された NVIDIA Sionna ソフトウェアは、すでにダウンロード数が 20 万回、引用数が 500 件を超えています。
今回、NVIDIA は、Aerial CUDA-Accelerated RAN、Aerial Omniverse Digital Twin (AODT)、新しい Aerial Framework を含む Aerial ソフトウェアをオープンソース化します。
これまで限られたグループのみが利用できたこれらのリソースは、今年の 12 月から Apache 2.0 ライセンスの下で GitHub で利用可能になり、AODT は 2026 年 3 月にリリースされる予定です。これにより、開発者がフルスタックの AI ネイティブ 5G および 6G RAN ソリューションを構築できるようになります。制約なしに AI ネイティブ ネットワーク ソリューションを実験、構築することが可能であり、研究から実際の展開への移行を加速させます。
まもなく公開される Aerial オープンソース リリースには、以下の機能が含まれています。
- Python コードを高性能な CUDA コードに変換し、NVIDIA Aerial RAN コンピューター プラットフォーム上で実行するための Aerial Framework。
- 無線性能を大幅に向上させる高度なチャネル推定など、AI を活用したニューラル モデル。
- 安全なアプリケーション プログラミング インターフェイス (API) を介してリアルタイムの物理層データへのアクセスを第三者アプリケーションに提供するための dApp フレームワーク。開発者は、AI 駆動の dApp アルゴリズムを展開し、RAN の動作をリアルタイムで変更可能。
- 開発者が、モジュールをカスタマイズまたは独自のコードに置き換えが可能なパイプラインを活用し、フルスタック RAN ソフトウェアを自由に構築が可能。
これらの機能により、米国初の AI ネイティブ無線スタックが実現し、スペクトラム アジリティや統合されたセンシングと通信といった初期の 6G アプリケーションを実証しています。
この動きにより、強力な CUDA アクセラレーテッド無線ソフトウェアへのアクセスが拡大し、AI ネイティブ 5G および 6G ソリューションに向けた世界的な動きが促進されます。また、通信業界以外の開発者に門戸が開かれ、ミッション クリティカルな性能を必要とするエージェント型 AI アプリケーションやフィジカル AI アプリケーションなど、モバイル ネットワーク向けの新しいアプリケーションを簡単に構築できるようになります。
この転換により、オープンソースにおける米国のリーダーシップが拡大し、通信業界のイノベーション手法を根本的に再定義します。世界規模で知識共有と実装優先のアプローチが促進されます。
DGX Spark:無線研究開発向けデスクトップ型スーパーコンピューター
世界最小の AI スーパーコンピューターである NVIDIA DGX Spark は、AI ネイティブ 5G および 6G 研究向けに利用可能になりました。NVIDIA Aerial または Sionna ソフトウェアを実行する性能をコスト効率に優れたコンパクトな設置面積で実現します。メーカーから調達する場合でも、NVIDIA DGX Cloud からアクセスする場合でも、DGX Spark により、チームが完全な無線ネットワークのプロトタイプを構築し、さまざまな無線環境から収集された実際のデータを活用して AI モデルを継続的にトレーニング、改良することが可能になります。
NVIDIA Sionna Research Kit は、NVIDIA Jetson AGX Orin に加えて、新たに DGX Spark をサポートし、迅速なプロトタイピングが可能となるコンパクトで統合された AI ネイティブ 6G ラボを実現します。これは、ユーザー機器やアンテナから無線システム、コアネットワークに至るまで、開発者が AI/ML アルゴリズムの性能を研究、検証するために必要なすべてのコンポーネントを統合し、開梱からライブ 5G ネットワークの設定までをわずか半日で完了できます。研究者はラボに限定されるのではなく、極めて持ち運びしやすいキットを使用してどこでもアルゴリズムをテストすることができます。
NVIDIA Aerial Testbed は、NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip に加えて、新たに DGX Spark をサポートし、CUDA で加速するフルスタックの 5G および 6G ネットワークの無線テストが可能になります。商用製品開発を高速化するために設計されており、ネットワーク デジタル ツインと本番環境のシームレスな統合を実現します。
Dell Technologiesは、グローバルの通信研究の高度な要件を含む幅広い AI アプリケーションで研究者や開発者を支援するために設計された DGX Spark ベースのシステムである Dell Pro Max with GB10 を投入します。このプラットフォームは、集中的な 5G および 6G ワークロードを処理するための実証済みの性能を提供し、テスト、シミュレーション、検証向けの安定した強力な環境を提供するとともに、研究者が 6G の複雑な課題に取り組むことを可能にします。
NVIDIA を活用して AI ネイティブ 6G を構築するコラボレーター
NVIDIA AI Aerial ポートフォリオは、アクセラレーテッド コンピューティング プラットフォーム、ソフトウェア ライブラリ、ツールに及ぶため、開発者にフルスタックの AI ネイティブ RAN システムをこれまで以上に高速に構築、トレーニング、シミュレーション、展開できる手段を提供します。
米国の主要機関であるノースイースタン大学、バージニア工科大学、アリゾナ州立大学、DeepSig、そして MIT の WINSLab と LIDS の研究者 など、すでに世界中の数千もの無線技術のイノベーターが NVIDIA AI Aerial ポートフォリオを活用しており、6G 技術を定義し、世界標準を形成する AI 駆動の画期的な進歩に取り組んでいます。
AI-RAN Allianceは、ワークグループ、ラボ、ベンチマーキング、ライブ デモンストレーションを通じて 100 社を超える通信業界のパイオニアを集め、AI ネイティブ 無線 ネットワークのコア アーキテクチャを形成しています。その多くは、NVIDIA AI Aerial を活用して開発されています。
AI-RAN Alliance の会長である Alex Jinsung Choi 氏は次のように述べています。「NVIDIA のオープンソースの Aerial ソフトウェアと DGX Spark により、開発者はモジュール式のソフトウェア デファインド無線システムを構築し、ラボから本番環境に至るまで、自由に実験できます。これは、スペクトラム効率を高め、ネットワーク性能を向上させ、新しい AI アプリケーションを業界がかつてない速度で推進する AI-RAN イノベーションの重要な推進力となります」
時代における無線イノベーションの新たな章
障壁を取り払い、従来の無線をはるかに超えた開発者からの参加を呼び込むことで、NVIDIA は国の競争力と世界標準を形成する 5G および 6G の協業の波を促進しています。
オープン アクセスとグローバル コラボレーションに対する NVIDIA の取り組みは、これを通信業界の重要なマイルストーンとして位置づけ、イノベーションが AI のスピードで進む、完全に包括的でソフトウェア デファインドな AI 駆動の未来を実現します。
NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang)による GTC Washington D.C. の基調講演を視聴し、セッションをご覧ください。
ソフトウェア製品情報に関する利用規約はこちらをご覧ください。
