会津大学、Jetson AI Certificationを活用して未来のAI人材を育成

投稿者: NVIDIA Japan

2週間の特別プログラムでJetson Nano ベースの多彩なプロジェクトを制作

NVIDIA は昨年、ロボティクスの学習と教育を容易にし、新世代のAI人材を育成するための認定プログラムである、Jetson AI Certification発表しました。誰でも完了できる Jetson AI Specialist、教育者およびインストラクター向けの Jetson AI Ambassador と2種類のコースを用意している本プログラムでは、エッジの AI ハンズオントレーニングをオンラインで提供しており、Jetson とAIについての理解を⽰すための証明書を無料で取得することができます。

発表からわずか半年でJetson AI Certificationは世界中の学生や開発者に活用されているほか、教育機関での導入も広がっています。日本初のコンピュータ専門の公立大学であり、文科省のスーパーグローバル大学創成支援事業(グローバル化牽引型)の採択校でもある会津大学は国内でもいち早く Jetson AI Certification に着目しました。ベンチャー・起業家精神が特徴である同校は、シリコンバレーオフィスを活用した開発研修型短期インターンシッププログラムである「会津大学シリコンバレーインターンシップ(研修)プログラム」を毎年開催しています。今年のプログラムの一環として Jetson AI Certification を取り入れ、約6名のチームが2週間にわたって、Jetson Nano 2GB 開発者キットを使用したプロジェクトの開発に取り組みました。

学生たちはまず、Jetson AI Certificationの認定方法について、2日間にわたり株式会社FaBo 代表 佐々木 陽氏のオリエンテーションを受けました。会津大学発のベンチャー企業である株式会社FaBo は、Jetsonを活用したAI教育を推進するNVIDIA のパートナーとして、ディープラーニングを学ぶのに最適なAI教材を提供しており、会津大学にJetson AI Certificationを紹介しています。

佐々木氏からAIxIoTをテーマにI2C、SPI、PWM等の制御方法の指導も行われ、学生たちは認定のために提出するプロジェクトのアイデア出しをしながら、3日間にわたりJetson Nano 2GB 開発者キットをベースとした制作作業が行われました。

開発研修風景の画像

学生たちが試行錯誤の末、制作したプロジェクトは、ペットのいたずらを防止するアプリケーションから携帯型の簡易的なコロナウイルス診断装置まで、ユニークかつバラエティに富んでいます。

開発研修風景の画像

研修の最終日には、それぞれの学生が高い緊張感の中、研修関係者に向けてプレゼンテーションとプロジェクトのデモンストレーションを成果発表として英語で行いました。NVIDIA本社および日本法人の社員も同席し、プレゼンテーションの後は活発な質疑応答が繰り広げられました。

開発研修風景の画像

学生たちは以下のようなプロジェクトを手掛けました。

  • 「Hermit Purple」 by Eri Miyaoka「ジョジョの奇妙な冒険」風のポーズを撮影すると、ポーズに合わせて文字エフェクトが表示されるシステム
  • 「Portable CoronaVirus Diagnostic Device」 by Heihao Weng胸部X線画像を分析した、医療従事者向けの簡易的なコロナウイルス診断装置
  • 「Application to prevent from pet’s mischief」 by Hiroshi Tasaki充実したペットとの生活の中で、ペットのいたずらを防止するシステム
  • 「Automatic Wiper on Car」 by Keigo Fukasaガラスについた水滴を学習、ガラス状の水滴を自動的に拭くシステム
  • 「Reaction when learning Plant images in perspective」 by Banri Yasui葉の裏の模様からどの種類の植物かを識別するシステム
  • 「AFK Minecraft」 by Tarun Sreepada体の姿勢をキーボードのストロークに変換、VRのような状況でゲームをプレイするシステム

GitHubでプロジェクトを公開し、認定のための申請を完了した学生は皆、無事Jetson AI Specialistとして認定されました。

本研修を担当する会津大学スーパーグローバル大学推進室 室長の光永祐司 上級准教授は以下のように述べています。
「本学では、Jetson AI Certificationが今後のIoTにおけるAIの重要性を学生に体感させるのに最適であると考え、採用しました。2019 年度より主に学部学生を対象に、グローバル創業を学ぶシリコンバレープログラムの事前研修の一環としてJetson Nano を活用してエッジAIを学ぶ機会を提供しています。学生たちは効率よく学びを進めて AI に関する基礎知識を修得しただけでなく、わずか数日後には Jetson の機能を活かした様々なシステムを想起・開発しました。私たちにとって本研修のねらいはAI 及び IoT に関するものづくりを通して学生にとっての自信の核を作ることにあり、Jetson AI Certification は学生にとってその基礎を確固たるものにする重要なマイルストーンとなりました。学生のこの経験はその後の能動的な開発活動や創業活動に良い影響を与えてくれるものと確信しております。」

NVIDIA本社で、Jetsonのプロダクト・マーケティングを担当する矢戸知得は以下のように述べています。
「学生のみなさんがそれぞれ発表されたプロジェクトはどれもAIを高度な形で利用しており、NVIDIAが提供するトレーニングや各サンプルプロジェクトが教育の現場でフル活用されていることを再確認できました。会津大学様に続き、学生をはじめとするJetson AI Specialistが日本でこれからもどんどん誕生することを期待しています。」

NVIDIAは、Jetson AI Certification以外にも、Jetson Nano 2GB 開発者キット助成プログラムを3月より開始しており、世界中の教授、教育者、トレーナーに一定数の Jetson 開発者キットを提供します。AI をすべての教室に導入するというミッションのもと、日本国内の新世代のAI人材の育成を支援していきます。