「In the NVIDIA Studio」 – GeForce RTX 40 シリーズのクリエイター アプリ向けの機能が大きく向上

投稿者: Gerardo Delgado

さらに、3D アーティストの ATOM 氏とサブール アミラゾディ (Sabour Amirazodi) が、NVIDIA RTX GPU で制作されたハロウィンをテーマとする作品を紹介

本ブログは、注目のアーティストを称え、クリエイティブ活動のヒントやコツを説明し、NVIDIA Studioテクノロジがクリエイティブワークフローを改善する様子を毎週紹介する「In the NVIDIA Studio」シリーズの最新号です。前回に引き続き、新しいGeForce RTX 40 シリーズ GPUの機能、テクノロジ、リソースに加え、どのようにコンテンツ制作を劇的に高速化するのかについても深掘りします。

高い評価を得ている GeForce RTX 4090 GPU を導入しているアーティストは、主要なクリエイティブ アプリのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。OBS Studio と Google Chrome は AV1 エンコーディングに対応し、Topaz AI 搭載アプリと ON1 ソフトウェアは Tensor コア アクセラレーションを追加しました。また VTube Studio は、アバターの高品質でシームレスなコントロールを実現する NVIDIA Broadcast 拡張現実機能を統合しています。

さらに、この「In the NVIDIA Studio」の 10 月のハロウィン特別版では、2 人の才能ある 3D アーティストとそのハロウィンをテーマとする作品をご紹介します。

「ATOM」として知られる 3D および特殊効果アーティストのエリック チュアレ (Eric Tualle) 氏は、短編映像『Mr. Pumpkin』を披露します。この作品は、モーション キャプチャ技術と新しい GeForce RTX 4090 GPU のレンダリング速度をテストする目的で制作されました。

NVIDIA の 3D アーティストであるアミラゾディは、ハロウィンが大好きです。アミラゾディは毎年、近所の人向けに、圧倒的に見事な光のショーを演出しています。アミラゾディの制作ワークフローは、NVIDIA RTX A5000 GPU を搭載したモバイル ワークステーションによって支えられています。

最後に、#From2Dto3D チャレンジのハイライトもご紹介します。NVIDIA Studio の人気のインスピレーション溢れるアートワークが、美しい 3D でよみがえります。

RTX でトリック & トリート

新しい GeForce RTX 40 シリーズ GPU は、第 3 世代の RT コア、第 4 世代の Tensor コア、第 8 世代の NVIDIA デュアル AV1 エンコーダーなど、専用ハードウェアの驚異的なアップグレードを特徴としています。これらの進化は、超高速なクリエイティブ ワークフローを実現し、AI を活用した機能により、3D モデリング、ビデオ編集などのクリエイティブ アプリを加速させます。

OBS Studio ソフトウェア バージョン 28.1 では、新しい NVIDIA エンコーダー「NVENC」による AV1 エンコーディングのサポートが追加され、ライブ配信の効率が 40% 向上します。これらのライブ配信は、帯域幅が 40% 増加したかのような表示となり、画質が大きく改善します。さらに、AV1 ではハイ ダイナミック レンジのサポートも追加されました。

Google Chrome は、すべてのブラウザ アプリで AV1 エンコーディングを有効にするアップデートをリリースしました。これにより、同じくライブ配信の効率が 40% 向上します。

VTube Studio は最近、NVIDIA Broadcast アプリを統合し、AI を活用したフェイス トラッキング機能を追加しました。このアプリの使用時に必要なのはシンプルなウェブカメラだけで、高価な専用ハードウェアは不要です。これにより、さらに多くのアーティストが VTuber になるためのツールを手に入れ、既存のアーティストも自分の表情に合ったより良いアバターを利用することが可能になります。

Topaz Labs の Video AI v3.0 リリースでは、カメラの動きを推定してフレームを変換することで手ぶれを軽減し、より滑らかなビデオ映像を実現する AI スタビライゼーション モデルが導入されました。また、このアップデートでは、非線形運動とモーション ブラーを処理する旧来のモーション モデルをベースとした AI スローモーション モデル「Apollo」も導入されました。

さらに、v3.0 では、複数の AI モデルを 1 つのプロジェクトに同時に取り組むことができる機能も追加されました。例えば、AI モデルで映像をアップスケールしながら、スタビライゼーションを行うことが可能になります。これらの機能やモデルは、NVIDIA TensorRT ソフトウェア開発キットの採用により、NVIDIA GPU 上で最大 1.25 倍高速で実行されます。また、このアプリは、人気のデュアル NVIDIA AV1 エンコーダーをサポートしており、複数のビデオ入力ファイルからプレビューを実行し、複数のプロジェクトを同時に書き出すことが可能になりました。

また NVIDIA は、画像編集ソフトウェア会社である ON1 との協力を通じ、ON1 Resize アプリのパフォーマンスを大きく向上させることにも成功しました。高度なエフェクトを 2 倍以上速く適用できるようになったほか、さらなる機能強化も開発中です。

カボチャをテーマとした作品

ATOM 氏は、10 年以上にわたってコンテンツを制作してきました。ATOM 氏の作品は、古いテレビ番組や、ムードのあるアートワーク、人間の本質的な暗い感情などに影響を受けています。

「人間の感情は、いつも私のアートにインスピレーションを与えてくれます。特にネガティブな感情は、人生の中で私たちを成長させてくれます。だから私は暗いものが好きです。」

ATOM 氏の短編映像『Mr. Pumpkin』は、モーション キャプチャを使った遊び心のある実験作で、タイトル キャラクターのミスター パンプキンと ATOM 氏の技術的な苦難を生き生きと表現しています。ATOM 氏は、この作品にふさわしい雰囲気を作りたいと考え、ボリューム感のある光と霧に満ちた神秘的な夜の森のトーンを生み出しました。ミスター パンプキンは、一目でハロウィンの主人公だとわかります。

一連の写真を使って 3D モデルを生成する「フォトグラメトリ」は、クオリティの高い 3D アセットを素早く作成するための本格的な手法として広く採用され続けています。ATOM氏 は、実際のカボチャを使って実験を行いました。

ATOM 氏は、自家製のモーションスクエア環境の中でカボチャの映像を撮影し、小道具でカボチャを回転させながら全体をスキャンしました。そして、その映像を Adobe After Effects にアップロードし、Adobe Substance 3D Sampler 内で各フレームを画像シーケンスとしてエクスポートした後、Maxon の Cinema 4D にアップロードしました。

「このようなモーション キャプチャが自宅でできるようになったのは、まさに革命です。従来はモーション キャプチャ スタジオに依頼する必要があったからです」と ATOM 氏は述べています。

コンピューターのスクリーンショット 自動的に生成された説明

ATOM 氏は、忠実度が高いモデルをもとにスカルプトを行い、カボチャの形を完璧に再現しました。次に、テクスチャや色を調整し、理想の外観を実現しました。GeForce RTX 4090 GPU によるビューポートの GPU アクセラレーションで、複雑な 3D モデルのインタラクションがスムーズになり、シーンのライティングさえも素早く簡単に設定することができたとATOM氏はコメントしています。

ATOM 氏は、雲、霧、火などのボリュメトリック効果をほぼ速度を低下することなく適用することができ、3D コンテンツ制作における GPU の重要性を明らかにしました。

ATOM 氏は、残りのシーンの要素をアニメーション化してロックアウトした後、Topaz Labs Video AI にファイルを書き出しました。RTX で加速された AI による映像の拡大により、4K への高解像度化を実現しながら、高忠実度のディテールと高い時間安定性を維持することができました。

ATOM 氏は、クリエイティブなコミュニティと技術を共有することで、他の人の学びを助けたいと思っています。「3D、映画、そして視覚的に美しいあらゆるものについて、今後もなるべく多くのことを伝えていきたいと考えています。」

ATOM 氏ワークフローにとって、NVIDIA Studio と RTX GPU は重要な位置を占めており、「デジタル制作における中心的な要素であり、今日コミュニティで使用されているあらゆる重要なクリエイティブ アプリおいて特に重要です」と語っています。

3D と特殊効果アーティストの ATOM 氏

ATOM 氏のチュートリアルやコンテンツは、YouTube チャンネルで視聴できます。

待ち受ける「お化けの聖域」

NVIDIA のアーティストであるアミラゾディは、クリエイティブ ディレクターおよび視覚効果プロデューサーでもあります。ロケーションベースのエンターテイメントとメディア制作業務で 16 年以上にわたって培ってきたマルチプラットフォーム経験を活かし、見事なハロウィン インスタレーションを自宅で作り上げました。必ず音をオンにして、アミラゾディの『Haunted Sanctuary』紹介ビデオをご覧ください。

このプロジェクトではプロジェクション マッピングが必要だったため、GPU で加速された MadMapper ソフトウェアとその構造化ライトスキャン機能を使って、カスタムされたビジュアルが彼の家の全面にマッピングされています。

アミラゾディは、NVIDIA RTX A5000 GPU を搭載したモバイル ワークステーションに DSLR カメラを接続することで、これを実現しました。カメラで一連のラインの写真を撮った後に、3D モデルのベースとする画像をプロジェクターの視点に変換しました。Cinema 4D に付属している基本的なカメラ マッチング ツールが、シーンを再現するために役立ちました。

アミラゾディは、携帯端末の LiDAR カメラを使って、自宅の周りを歩きながらスキャンしました。その後、完全な 3D モデルを作成してさらに高度なマッピングを行い、これを FBX ファイルとして書き出しました。

アミラゾディは、Cinema 4D と OTOY OctaneRender を使って、シーンのテクスチャ、リグ、アニメーション、ライティング、レンダリングを作成しました。GPU アクセラレーションに対応したビューポートにより、複雑な 3D モデルとのスムーズなインタラクティブ性が確保されました。

アミラゾディは次に、コンポジット ステージに移行し、モデルのキャッシュをAdobe After Effects に読み込みました。このソフトウェアの 45 以上の GPU アクセラレーション対応エフェクトを使うことで、RTX A5000 GPU は、シーンのタッチアップ (特に色調の補正や、不要なノイズの低減) をより迅速に行うことができました。

アミラゾディは、このインスタレーションを実現するため、Cinema 4D と OctaneRender を使って、4K 解像度で約 18,000 フレームからなる 225 GB という途方もないサイズの映像ファイルをレンダリングする必要がありました。

OTOY の OctaneRender は、RTX で加速されており、レイ トレーシングでの電光石火の書き出しに対応しています。「RTX A5000 GPUがなければ、これらのフレームをすべてレンダリングするのは無理でした」とアミラゾディは語っています。

なぜこれほどまでの苦労をしたのかと聞かれたアミラゾディは、感動的な答えを返してくれました。「子供たちのためです。コロナ禍のために、ディズニーランドのお化け屋敷に行くという恒例行事ができなくなったので、自宅をお化け屋敷にしたのです。」

NVIDIAアーティストのサブール アミラゾディ

アミラゾディは、これからアーティストになろうとする人へのアドバイスとして、「テーマを決めて、それを貫くこと」を挙げています。「TurboSquid、ArtStation、Sketchfabなど、お気に入りのクリエイティブなコミュニティからインスピレーションを得たら、あとはひたすら制作を始め、物事を進めていくだけです。直感に任せて、より早く自分のフローを見つけてください」。

アミラゾディは、ビデオ編集、3D モデリング、インタラクティブ体験を専門としています。このクリエイティブな才能を持つ彼の作品は、IMDb でご覧いただけます。

簡単に 2D から 3D へ

NVIDIA Studio は、#From2Dto3D チャレンジの以下を含む参加者の皆様に、心からお礼を申し上げます。

@AnaCarolina_Art さん — 初のフルタイムの仕事の獲得につながったというエイリアンのモデルは、まさに圧巻の一言です。

@yetismack3d さん — ミニオンとゼノモーフのマリアージュには悪魔的な美しさがあります。

@eyedesyn さん — 編集部の 1 人は、「あら、かわいい!」と言っていました。アートを通して感情を呼び起こすことは、あらゆるアーティストの夢です。よくできました。

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