「In the NVIDIA Studio」 – クリエイターの EposVox が配信に関する教訓を共有

投稿者: Gerardo Delgado

OBS Studio や Discord をはじめとするライブ配信アプリのアップデートにより、GeForce RTX 40 シリーズ GPU と NVIDIA Studio プラットフォームを搭載した PC が放送局に早変わり

本ブログは、注目のアーティストを称え、クリエイティブ活動のヒントやコツを説明し、NVIDIA Studio テクノロジがクリエイティブ ワークフローを改善する様子を毎週紹介する「In the NVIDIA Studio」シリーズの最新号です。前回に引き続き、新しい GeForce RTX 40シリーズの機能、テクノロジ、リソースに加え、どのようにコンテンツ制作を劇的に高速化するのかについても深掘りします。

金曜日から始まる世界最大のライブ配信者の集まりである TwitchCon では、Twitch の意欲的なクリエイターやプロフェッショナルのライブ配信を向上させる、AV1 から AI までの素晴らしい新技術を搭載した GeForce RTX 40 シリーズ GPU の新製品が登場します。

また、注目のクリエイターで教育者でもある EposVox が「In the NVIDIA Studio」に登場し、彼が影響を受けたもの、インスピレーション、ライブ配信を最大限に楽しむためのアドバイについて語ります。

さらに、今月の #From2Dto3D チャレンジに参加してください。2D アート作品と 3D レンダリングを並べて投稿するだけで、NVIDIA Studio のソーシャル メディア チャンネルで紹介されるチャンスがあります。エントリーの際は、ハッシュタグ #From2Dto3D を忘れずに付けてください。

AV1 でキマリ

10 月 12 日に発売される、新しい GeForce RTX 40 シリーズ GPU は、第 8 世代 NVIDIA Video Encoder (NVENC) を搭載し、AV1 エンコーディングをサポートしました。新しい AV1 エンコーダーは効率が 40% 改善されており、EposVox のようなクリエイターに、より高解像度で鮮明な画質をもたらします。

GeForce RTX 40 シリーズは AV1でビデオの画質向上を実現します。

NVIDIA は、OBS Studio と協力することで、今月後半に予定されている次のソフトウェアリリースで AV1 に対応します。さらに、Discord は今年の後半にはじめて、AV1 でのエンドツーエンドの配信が可能になります。GeForce RTX 40 シリーズのユーザーは、毎秒 60フレームの 1440p および 4K の解像度で、鮮明ではっきりとした画質でのストリーミングが可能になります。

GeForce RTX 40 シリーズ GPU は、デュアル エンコーダー機能を搭載し、これによりクリエイターは最大で 8K 60 FPS でキャプチャすることが可能になります。また、ライブ配信の VOD を編集する際には、デュアル エンコーダーが連動して働き、作業を分担するので書き出し時間が約半分に短縮します。Blackmagic Design の DaVinci Resolve、Adobe Premiere Pro の人気のプラグインである Voukoder および 中国で主流の動画編集アプリである Jianying は、どれもエンコードのプリセットによってデュアル エンコーダーに対応します。10 月中にはこれらのアプリでデュアル エンコーダーを使用できる予定です。

また、GeForce RTX 40 シリーズ GPU は、性能を最大で 4 倍に加速させる新しい NVIDIA DLSS 3 テクノロジとともに、ゲーム配信者に PC ゲームにおける今までにない世代間のフレームレートの向上をもたらします。これにより、『サイバーパンク2077』や『Portal with RTX』のような、よりリッチで没入感のあるレイトレース体験をライブ配信で共有することが可能になります。

バーチャル ライブ配信に命を宿す

VTube Studio はバーチャル配信者 (VTuber) 向けの優れたアプリで、ライブ配信でデジタルのアバターに楽しく簡単に命を吹き込むことができます。

VTube Studio で ウェブカメラと GeForce RTX GPU を使い、AI によってシームレスにアバターを操作できます。

VTube Studio は今月、NVIDIA Broadcast AR SDK 向けのサポートが追加し、ユーザーが通常のウェブカメラと GeForce RTX GPU を使用して自身のアバターを AI でシームレスに操作できるようにします。

OBSとは

OBS は「Objectively Blissful Streaming」(客観的に至福の配信) の略語ではありませんが、そうであるべきです。

OBS Studio は、ビデオ録画およびライブ配信のための無料のオープンソース ソフトウェアです。「コンテンツの制作ペースを絶えず迅速化できます」と EposVox が言っているように、彼の必須アプリの 1 つです。

このソフトウェアに、バーチャル背景、ノイズ除去、ルーム エコー除去など、AI を活用した NVIDIA Broadcast エフェクトがネイティブに統合されました。

また、今月後半に GeForce RTX 40 シリーズ GPU 向けの AV1 サポートが追加されるほか、最新の OBS 28.0 リリースでは、高効率のビデオ コーディング (HEVC または H.265) のサポートが追加され、幅広い NVIDIA GPU でビデオ圧縮率が 15% 向上しています。また、ハイダイナミック レンジ (HDR) のサポートによりディスプレイの明暗の範囲が広がり、その結果、驚くほどの鮮やかさが加わり、映像品質が大幅に向上しています。

すべての人のための Broadcast

開発者向けに、NVIDIA Broadcast を強化する SDK が公開されています。この SDK を使用すれば、Logitech、Corsair、および Elgato のデバイスでネイティブに AI 機能をサポートできるほか、OBS および Notch ソフトウェアで高度なワークフローが可能になります。

先月の NVIDIA GTC で発表された機能の中に、AI を活用したエフェクトの新規リリースとアップデートが含まれています。

バーチャル背景では、時間的な情報を組み込むことで、背景に物体が不規則に現れたり消えたりする現象が解消されます。これは次のバージョンの OBS Studio で利用可能になる予定です。

顔の表情推定は、最もシンプルなウェブカメラでも、アプリがフェイス メッシュの表情を正確にトラッキングできるようにします。これは VTuber にとって非常に有益であり、次のバージョンの VTube Studio に搭載されます。

アイ コンタクトは、ポッドキャスターがまるでカメラを真っすぐ見ているかのように見せることを可能にします。これは、ユーザーが台本を読むときや、チャット ウィンドウを見ながら視聴者とやりとりするときに非常に役立ちます。

EposVox ワールド全開

EposVox または「Stream Professor」という芸名で活動するアダム テイラー (Adam Taylor) 氏は、コンテンツ クリエイターや配信者向けの技術教育に特化した YouTube チャンネルを運営しています。

彼は、YouTube が存在すらしていない頃からビデオ制作を行っています。

「DailyMotion、Google Video はさておき、MetaCafe や X-Fire を覚えている人はいるでしょうか」と EposVox は言います。

彼は教育コンテンツに並々ならぬ情熱を持ち続けています。それは、現在のように豊富な知識やリソースがなかった時代に青年期を過ごした彼が抱いた、ビデオ編集ワークフローを学びたいという強い願望に根差しています。

「ビデオのトピックスやオーディオのセットアップなどについて詳しく調べ始めると、すぐに情報の厚い壁に突き当たり、知りたい情報は閉ざされた扉の向こうにありました。本当にもどかしく、挫折感を抱いていました。10 ~ 20 年間の DOOM9 フォーラムと放送に関する時代遅れの書籍を除けば、USB ポートのことなど誰も知りませんでしたし、どこにも書いてなかったからです」と EposVox は当時を回想します。

EposVox は、特に OBS Studio や XSplit のようなソフトウェアによりコンテンツ制作やライブ配信が最大の関心事になる一方で、テクノロジをもっと楽しく簡単に使えるようにすることも目指しています。

“3D アプリケーションやビデオ アプリケーションの GPU アクセラレーション、さらには今や新たな世代に突入しつつあるあらゆる AI イノベーションは驚異的です。

NVIDIA GPU がなければ、はたして現在のレベルの制作を現在のスピードでできるかどうかわかりません”

EposVox は、コンテンツ制作のインスピレーションを探すに当たって、とにかく質問するという積極的なアプローチを取っています。「他のサイトで使っている格好いいエフェクトを分析しながら、新しい機材を極限まで使い倒す方法を自力で見つけ出そうとするにせよ、単にプロセスのどの部分が視聴者との摩擦を生みそうなのかを尋ねるにせよ、とにかく質問をして、それらの問題を解決する最善の方法を見つけ出した上で配信に臨みます」と彼は言います。

EposVox は、複数のクリエイティブ アプリケーションを試すことの重要性を強調し、「私の道具箱に加えることができるのは、制作の選択肢や方法、新しい制作プロセスの経験をより多く与えることで創造性を高めてくれるツールだけです」と指摘します。これは、特にクリエイティブ ワークフローへの AI の活用に当てはまると言います。

「今、AI によるアート生成の気に入っているところは、頭に浮かんだアイデアを平易なテキストで入力するだけで具現化できることです」と彼は言います。「期待どおりのものが得られなかったり、求める表現に近づくように言葉やアイデアに磨きをかけ続けなければならなかったりすることもあります。しかし、アイデアの概念とそのアイデアが何らかの形で具現化されたものとの間にある壁を打ち破ることで生み出されるインパクトは、強調し過ぎることはありません」

EposVox は、最適なライブ配信環境として、GeForce RTX GPU を搭載した PC を推奨しています。彼の GeForce RTX 3090 デスクトップ GPU は、クリエイティブ プロセス全体を難なく処理し、たとえ計算が複雑なクリエイティブ アプリケーションを絶えず切り替えながら作業をしても処理の高速性が維持できると彼は言います。

「最近は GPU アクセラレーテッド NVENC エンコーディングを使用してビデオをキャプチャし、ビデオを書き出し、ライブ配信しています」と彼は言います。

EposVox は、特に新しいデュアル エンコーダーを使用するために、GeForce RTX 4090 GPU へアップグレードを待ち遠しく思っています。「レンダーやアップロードを待つ時間が減ることで、プロジェクトからプロジェクトへ移動する時間が早くなり、離れて他のことに時間を取られなくなるので、一日に数時間の節約ができることになるでしょう。より集中できるようになるはずです」

最後にアドバイスを求めると、EposVox はためらいなく次のように答えました。「プロジェクトのクリエイティブなビジョンに真剣に打ち込んでいるのであれば、たとえプロジェクト主体である会社、機関、人などがプロジェクトをまったく違う方向に持って行こうとしても、自分のビジョンを現実のものにする方法を何とかして見つけることです。そうした状況でも実現できれば、気持ちの上でも、得られる経験の上でもずっとましです」

「Stream Professor」としても知られる YouTuber でライブ配信者の EposVox

ライブ配信やビデオの書き出しの詳しいヒントについては、EposVox の YouTube チャンネルをチェックしてください。

業界最先端のアーティストの手によるあらゆるクリエイティブ分野に関するステップバイステップのチュートリアルや、コミュニティの事例については、NVIDIA Studio の YouTube チャンネルをご覧ください。

最後に、InstagramTwitter、または Facebook に投稿することで、#From2Dto3D チャレンジに参加してください。

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