ロボットおよびデジタル手術の主要なスタートアップが、NVIDIAの医療エッジ AI コンピューティング プラットフォームを採用

投稿者: Raghav Mani

Activ Surgical、Moon Surgical、および Proximie が、NVIDIA IGX 上で NVIDIA Clara Holoscan を使用し、各社の手術プラットフォームにリアルタイム AI をもたらす

NVIDIA は、インテリジェント マシンと人間のコラボレーションに、高度なセキュリティと安全性をもたらす、医療エッジ AI ユース ケース向けの NVIDIA IGX プラットフォームを発表しました。

IGX は、ロボット支援手術や患者モニタリングなどの医療アプリケーションにおいて、さまざまなデバイスやセンサーから即座に洞察を得たいという臨床上の需要に応えるための、安全かつ低遅延の AI 推論を提供するハードウェアおよびソフトウェア プラットフォームです。

IGX プラットフォームは、医療機器開発者がエッジ、オンプレミスのデータ センター、およびクラウド サービスを橋渡しできるドメイン固有のプラットフォームである NVIDIA Clara Holoscan をサポートします。この統合により、最新の AI アプリケーションを手術室に直接導入するための、新しいソフトウェア デファインド デバイスを迅速に開発することができます。

主要な医療機器スタートアップであるActiv Surgical、Moon Surgical、Proximie の 3 社 は、外科用ロボット システムを強化するため、 IGX プラットフォーム上で動作する NVIDIA Clara Holoscan を採用しました。3 社はいずれも、テクノロジ スタートアップの成長を支援するグローバル プログラム、 NVIDIA Inceptionのメンバーです。

3 社を含め、すでに Clara Holoscan を使用して臨床現場における AI アプリケーションの展開に取り組む医療機器企業、医療センター、スタートアップは70社を超えます。

ロボット手術のスタートアップ企業が市場投入までの時間を短縮

Activ Surgical は、リアルタイムの手術ガイダンスにおいて、 AI および拡張現実ソリューションの開発を加速するために NVIDIA Clara Holoscan を採用しました。ボストンに本拠を置く同社の ActivSight テクノロジにより、外科医は肉眼では認識することができない血流などの重要な生理学的構造や機能を見ることができます。

この情報を手術画像システムに統合することで、同社は手術合併症の発生率を減らし、患者のケアと安全性を向上させることを目指しています。

Activ Surgical の最高技術責任者であるトム カレフ (Tom Calef) 氏は、次のように話しています。「NVIDIA Clara Holoscan は、貴重なエンジニアリング リソースを最適化し、より迅速に市場に投入するのに役立ちます。Clara Holoscan と NVIDIA IGX を使用することで、データ駆動型の洞察により当社の術中 AI ソリューションが集合的な手術体験を変革し、世界クラスの手術をすべての人が受けられるようにすることを目指しています」

パリを拠点とするロボット手術会社 Moon Surgical は、手術室に既に設置されている機器やワークフローと連携する、低コストで柔軟な手術補助ロボット システム Maestro を設計しています。

Moon Surgical の CEO である アン オスドイト (Anne Osdoit) 氏は、次のように話しています。「NVIDIA は、ハードウェアとソフトウェア、そして最適化されたアーキテクチャとライブラリと、すべてを提供しています。Clara Holoscan は、医療機器の開発サイクルにおいて通常、多くの時間悩まされることから解放してくれます」

代わりに、同社はエンジニアリング リソースを AI アルゴリズムやその他の独自機能に集中させることが可能になりました。チームでは、Clara Holoscan を採用することで、パイプラインの開発時間を少なくとも 6 か月短縮できたと推定しています。

Moon Surgical は設立から 2 年足らずで、2023 年前半にソリューションのプロトタイプを構築し、同年末までに量産に移行する予定です。

ロンドンを拠点とする Proximie は、テレプレゼンス プラットフォームを構築して、リアルタイムの遠隔外科医コラボレーションを可能にしています。Clara Holoscan により、同社は手術室でローカル ビデオ処理を提供できるようになり、データのプライバシーを維持し、クラウド コンピューティングのコストを削減しながら、ユーザーのパフォーマンスを向上させています。

Proximie の創設者/ CEO である ナディーン ハチャハラム (Nadine Hachach-Haram) 博士は、次のように話しています。「NVIDIA と協力して医療エコシステムを強化し、世界中の手術室をつなぐという私たちの使命を推進できることを嬉しく思います。このコラボレーションのおかげで、私たちは没入型の体験を提供し、世界中の手術室のデバイスが相互に通信して貴重な洞察を得ることが可能になる、強固なデジタル ソリューションを提供することができます」

Proximie はすでに世界中の 500 を超える手術室に配備されており、これまでに数万件の外科手術を記録しています。

エッジ AI における医療グレードのコンプライアンス

NVIDIA IGX プラットフォームは、世界で最も強力、かつコンパクトでエネルギー効率の高い 医療機器向けのAI スーパーコンピューターである NVIDIA IGX Orin を搭載しています。IGX Orin 開発者キットは、来年初めに利用可能になります。

IGX は、医療認証用に設計された産業用グレードの構成要素を備えているため、医療機器を臨床試験から実際の展開に容易に移行できます。

組み込みコンピューティング メーカーの ADLINK、AdvantechDedicated Computing、Kontron、Leadtek、MBX、Onyx、Portwell、Prodrive Technologies、YUAN は、NVIDIA IGX ベースの製品を医療機器業界向けに構築する最初のパートナーです。

NVIDIA IGX プラットフォームの詳細については、GTC での NVIDIA のヘルスケア担当バイス プレジデントであるキンバリー パウエル (Kimberly Powell) による特別講演をご覧ください。また、GTCの パネルセッション、“Accelerate Patient-Centric Innovation With Makers and Breakers in Healthcare Life Science” ではActiv Surgical や医療機器、医療画像、バイオ医薬品の主要なスタートアップの対話を視聴することができます。

ジェンスン フアンによる GTC 2022 の基調講演のリプレイもご視聴ください。