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ソフトバンクと NVIDIA の CEO が語る、AI の将来

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よいお知らせがあります。AI があらゆるところで利用できるようになるでしょう。さらによいお知らせがあります。誰もが AI を使えるようになるでしょう。

先週開催されたSoftBank World 2020で、ソフトバンクグループ CEO の孫正義氏が基調講演を行い、AI を活用する人類という共通のビジョンを持つ、NVIDIA CEO のジェンスン フアン (Jensen Huang) がゲストとして登場しました。

「私たちは初めて、ソフトウェアのプログラミングを民主化できるようになります」とフアンは語りました。「コンピューターをプログラムする必要がなくなり、コンピューターに教えるだけでよくなるのです」

孫氏は、伝説の起業家にして、投資家、慈善家であり、日本の PC 業界、インターネットおよびモバイル コンピューティングの発展を牽引してきました。

宝石のようなテクノロジ

このオンラインでの対談の 6 週間前には、NVIDIA がソフトバンクから Arm を 400 億ドルの取引価格で買収することに合意しました。孫氏との対談で、フアンは Arm を「テクノロジの世界におけるすばらしい宝石の 1 つ」と表現しました。

シリコンバレーにある住居で、暖炉の横に腰掛けながら、フアンは次のように話しました。「Arm と NVIDIA の融合は大きな意味を持っています。それによって、NVIDIA の AI を、世界でもっとも普及しているエッジ CPU に実装できるようになるからです」

Arm は、長きにわたって多くのチップセット ベンダーに IP を提供しており、それらベンダーがたくさんのシステム オン チップ (SoC) を実装し、それによってさまざまな用途が生まれた、と孫氏が説明しました。

フアンは、買収後もこの流れは「間違いなく」続くだろうと述べました。

類を見ないエコシステム

「もちろん、CPU は魅力的で、エネルギー効率が良く、絶えず進化を続けています。それがあるのは、すばらしい能力を持ったコンピューター サイエンティストが世界で最高の CPU を構築しているからです」とフアンは言います。「しかし、Arm の真価は、Arm のテクノロジを利用している 500 もの企業からなるエコシステムにあります」

そのエコシステムは急速に拡大しています。孫氏は、Arm テクノロジを活用した SoC の出荷数が 1 兆個に達するのも、そんなに先のことではない、と言います。NVIDIA の AI をこれら 1 兆個のチップセットで利用できるようになることは、「すばらしい融合」である、と孫氏は話しました。

「私たちの夢は、NVIDIA の AI を Arm のエコシステムにもたらすことであり、それを実現する唯一の方法は、Arm のエコシステムの既存のすべてのお客様、ライセンシーおよびパートナーを通じて提供することでしょう」とフアンは言います。「NVIDIA は、ライセンシーにもっともっと提供したいと考えています」

孫氏によれば、Arm は、ゲーム機や家庭用機器から、飛んだり、走ったり、泳いだりできるロボットに至る、きわめて多様な用途に利用できる SoC を、企業が製作できるようにするツールセットを提供しています。今後は、これらのデバイスがクラウド AI で通信できるようになり、「それぞれのデバイスがより賢く」なります。

「Arm と NVIDIA の融合は大きな意味を持っています。それによって、NVIDIA の AI を世界でもっとも普及しているエッジ CPU に実装できるようになるからです」とファンは述べました。

「インテリジェンスの拡大」

それにより、さらに多くの企業が AI ブームに参加できるようになるでしょう。

「AI は新たなタイプのコンピューター サイエンスです。ソフトウェアも、チップも、方法論も異なります」とフアンは言います。

これは、巨大な変化だ、と孫氏も同意しました。

最初に、コンピューターによって計算が進歩し、次に膨大な量のデータを保存できるようになり、ついにコンピューターが目と耳になり、音声や話を認識できるようになった、と孫氏は言います。

「知能を大規模に拡大できます」とフアンは答えました。「今の AI 時代がきわめて重要だと言うのには、そのような理由があるのです」

人類の能力を拡大

孫氏とフアンは、世界中の企業が NVIDIA の AI を導入している事例について話しました。たとえば、Astra-Zeneca と GlaxoSmithKline が創薬で、American Express がバンキングで、Wal-Mart が小売りで、Microsoft がソフトウェアで、クボタが農業で NVIDIA の AI を活用しています。

フアンは、レコメンデーション システムと呼ばれる、新世代のシステムを紹介しました。このシステムはすでに、オンラインの多様な選択肢のなかから、人々がファッションや音楽を選ぶのをサポートしています。

フアンと孫氏は、このようなシステム、そして AI そのものが、人間の能力を拡大するようになると述べました。

「人間は絶えず最新の動向に対応できるようになる」とファンは言います。

「私たちには心があり、他者に対して思いやりをもっています」と孫氏は言います。「私たちは、幸せになるため、楽しむためのツールとして AI を活用し、人類はどのレコメンデーションを使うかを選ぶようになるでしょう」

「永続的に学習する機械」

このようなインテリジェント システムは、スマートなコネクテッド システム、つまり「エッジ AI」によって、私たちの周囲の世界に織り込まれつつあり、エッジ AI は、現実世界のデバイスから送られるインプットを集約することのできる、パワフルなクラウド AI システムと連携するようになるだろう、と孫氏は言います。

それによって、「学習ループ」、つまり「永続的に学習する機械」が生まれる、とフアンは言います。

「クラウド側でエッジ AI からの情報を集約するため、どんどん賢くなるのです」と孫氏は言います。

AI を民主化

その成果の 1 つにコンピューティングの民主化がある、とフアンは言います。コンピューター プログラマーになりたいと思う人はごく少数ですが、「誰もがコンピューターに教えることができます」とフアンは言います。

「コンピューターにこう伝えればいいのです。『自分はこうしたいと思っているのだけど、ソリューションをください』と」、孫氏は答えました。「そうしたら、コンピューターがソリューションと、それを可能にするためのツールを与えてくれるでしょう」

そのようなツールにより、日本の精密工学と製造が発展するようになるでしょう。
「これが、日本における AI 時代ですね」とフアンは言います。

フアンは、NVIDIA Omniverse のようなツールを使って、デジタル工場を継続的に最適化する方法について語りました。

「仮想現実のロボット工場ではロボットが働き、ロボットを組み立てるようになるでしょう」とフアンは言います。「すべてがシミュレーションされていて、朝になってみると、寝る前と比べて、すべてがさらに最適化されているのです」

それが実現されるようになると、デジタル工場の『双子』となる物理的な工場を建設し、仮想現実の双子が学習したことをもとに、継続的に最適化することができます。

「それはメタバースのコンセプトですね」と孫氏は、1992 年にニール スティーヴンスンが発表した、サイバーパンクの古典「スノウ・クラッシュ」にある、コンピューター上のオンライン世界を引き合いに出しました。

「今では、それが私たちの目の前にあるのです」とフアンが付け加えました。

人と人をつなぐ

AI で人間の能力を押し広げるだけでなく、AI を使って人々のつながりがさらに強化されるようにもなるでしょう。

ビデオカンファレンスがまもなく世界のインターネット トラフィックの大部分を占めるようになる、とフアンは言います。AI を使って話者の表情を再構築することにより、数十分の 1 の規模での「帯域幅削減」が可能になります。

また、話者が同時に見ている 20 人の人々と直接的なアイコンタクトができるようになる機能、あるいはリアルタイムでの言語翻訳といった、新たな機能を活用できようになります。

「そうなると、将来には、あなたは日本語で私に話しかけ、私は英語であなたに話しかけられるようになり、あなたには日本語が聞こえ、私には英語が聞こえるようになるでしょうね」とフアンは言いました。

大きな夢の実現

人間の判断と AI を融合させることにより、順応性を持った自律マシンと強い人々結束力を持つ人々のチームが組み合わさることで、「大きな願いと大きな夢」を持つ起業家、慈善家およびその他の人々が、これまで以上に野心的な課題に取り組むことができるようになる、とフアンは言います。

孫氏によれば、AI はさまざまなことを可能にし、事前に心臓発作を検知できるテクノロジの開発、がんの新しい治療法の発見の加速、自動車事故の撲滅などで重要な役割を果たすようになります。

「これは、大きな助けとなります」と孫氏は言います。「なので、私たちは大きな笑顔で、大きな興奮を胸に、AI のこの革命を歓迎するべきなのです」

特別対談の視聴

ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役会長 兼 社長、 孫 正義氏とNVIDIA 創業者/CEO、 ジェンスン フアンの特別対談の視聴には、こちらのリンクからご登録手続きをいただけますとご覧いただけます。


Brian Caulfield

Brian Caulfield edits NVIDIA's corporate blog. Previously, he was a journalist with Forbes, Red Herring, and Business 2.0. He has also written for Wired magazine.

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