人工知能がスマートフォンやドローンに搭載される昨今、NVIDIA の創業者/CEO の Jensen Huang (ジェンスン フアン) が、すべてのデバイスをよりインテリジェントに変革する計画を明らかにしました。
NVIDIA の創業者/CEO の Jensen Huang (ジェンスン フアン) は、東京で開催された GTC Japan 2018 において、インテリジェントな音声、動画、画像およびレコメンダーのサービスを実現する、新しい NVIDIA® Tesla® T4 GPU と TensorRT™ ソフトウェアを発表しました。
NVIDIA の最新の Turing GPU アーキテクチャがベースとなる TensorRT Hyperscale 推論プラットフォームは、フアンが世界規模での AI の活用ついて語った 2 時間の講演にて、自動車、ロボティクスおよびヘルスケア関連の重要な発表と併せて発表されました。
フアンは、GTC Japan 2018 に集結したマスコミ関係者、パートナー、研究者および開発者などを含む 5,000 人以上の参加者に向けて、「ディープラーニングを活用した AI が世界中で導入されているということには疑いの余地がなく、現在、信じられないような成長を遂げています」と語りました。
次世代のコンピューティング プラットフォームを加速
今後 5 年間で 200 億ドルのマーケット規模に成長すると予想されている推論とは、学習されたニューラル ネットワークを実際に利用できるようにするタスクを指します。
フアンは「現在、ディープラーニングを活用しているアプリケーションの数が、指数関数的に増えています。ハイパースケールなデータセンターの場合、そのうちの 1 つを使えばいいというものではありません。すべてを使う必要があるのです」と語りました。
NVIDIA の T4 GPU と TensorRT ソフトウェアは、このようなサービスのクエリを、あらゆるコンピューティング プラットフォームより高速に処理することを約束するもので、CPU 単体の場合に比べて、クエリの処理速度が最大で 40 倍早くなります。
フアンは、GPU を活用したサーバーで複数のディープラーニング モデルとフレームワークを同時に作動させることのできる、TensorRT ハイパースケール プラットフォームも併せて発表し、GPU 活用のディープラーニングを採用するウェブ サービスを展開する企業をサポートすることを表明しました。
「その結果、有用性と利用度が向上します。それぞれのノードが同時になんらかのモデルを作動できるのであれば、そのサーバーの利用度は最大化されます」とフアンは言います。
フアンは、世界初の自律動作マシン向けプロセッサである、NVIDIA の新しい Xavier プロセッサをベースとした、組み込み用の高性能な AI コンピューターのシリーズである NVIDIA AGX も発表しました。
「これは、自律動作マシンの未来の頭脳です」とフアンは宣言しました。
フアンは、開発者が Xavier を使って迅速に作業を開始できるようにする、開発者向けキットも発表しました。今般発表の開発キットには、ロボットやドローンといった自律動作マシン向けの Jetson AGX Xavier 開発者キットや、自律走行車向けの DRIVE AGX Xavier 開発キットが含まれす。
さらに、フアンは、ヤマハ発動機が同社の自律動作マシン分野における近未来のラインアップの開発システムとして、Jetson AGX Xavier を採用したと発表しました。
「多くの大規模な産業分野では、自動化によって生産性を向上させることができ、タスクをより安全に達成できることができ、さらにタスクをより効果的に、より高い生産性で達成することができます。ヤマハ発動機が NVIDIA の AGX アーキテクチャを標準とすることを、私はとても嬉しく、誇らしく思っています」とフアンは話していました。
また、フアンは、いすゞ自動車が NVIDIA と連携し、NVIDIA の AI を自律走行トラックに搭載することも併せて発表しました。
さらに、富士フイルムが日本で初めて NVIDIA DGX-2™ AI スーパーコンピューターを導入して、スーパーコンピューティング クラスターを構築し、医療や医用画像診断システムといった分野で AI 技術開発を加速させる、とも述べました。
フアンは、NTT グループが NVIDIA AI プラットフォームを全社的に人工知能のイニシアティブである「corevo® (コレボ)」の共通プラットフォームとして採用することになったことも発表しました。
フアンは、NVIDIA Xavier AI コンピューティング モジュールと NVIDIA Turing GPU をベースとした革新的な コンピューティング アーキテクチャである NVIDIA Clara AGX、ならびに医療デバイスでのデータ処理を可能にし、開発者が AI を活用した多様なアプリケーションを作成できるようにする、Clara ソフトウェア開発キットを公開いたしました。
さらに、トヨタ自動車のような世界トップの自動車メーカーや主要な自動車部品メーカーは、NVIDIA のテクノロジを使って自律走行車の開発に向けた取り組みを加速していくことを表明しています。
すばやい動き
フアンは、DRIVE AGX Xavier 開発キットの紹介ビデオを通じて、NVIDIA Isaac を活用した車輪付きロボットが、センサーを使っての処理、地図の作成と位置確認、経路とタスクのプランニング、ならびに認知といった、一連の先進機能を発揮し、シミュレーションと現実世界の両方でシリコンバレーにある NVIDIA 本社までナビゲートし、フアンにランチを運ぶ姿を披露しました。
このデモは、シミュレーションとロボットの未来がいかに密接に結びついているかを示しています。「この小さなロボットが、この本当に複雑な環境でナビゲーションを行っているところを想像してみてください。道路標識はありません。必要なのは、どこにいるか、どこに行かなければならないのかを把握することだけなのです」とフアンは言います。
NVIDIA のテクノロジを活用することにより、フアンは、世界中のロボットが、行かなければならない場所ならどこにでも行けるようにしたいと思っています。
さらに詳しい情報は、3 月の GTC 2019 Silicon Valley でお知らせいたしますので、ぜひご参加ください。