さあ、これはリアルでしょうか、それともレンダリングしたものでしょうか」――もう何カ月も、NVIDIAは、ソーシャルメディアで、こう謎をかけてきました。目の覚めるような美しい画像を投稿しては、コンピュータで生成したイメージなのか現実なのかわかりますかと問いかけてきたのです。
何千人もの人が考えてくれました。これがとても難しいのです。
運転する自動車から、家やオフィスなどの建物にいたるまで、我々が毎日使う製品を作るデザイナにとっては、いずれも、単にきれいな画像である以上の意味を持っています。デジタル世界で見えているとおりに、デザインした製品が現実世界で見えてくれなければ困るわけです。光や材質、形状のすべてが意図した通りにまとまっていなければなりません。
デザインしたものを的確に描き出すには、材料と光の関係を厳密に計算できる最先端の技術が必要です。自動車のダッシュボードがある材料で作られていればフロントガラスで光が反射しきらめくが、材料が少し違う場合にはそうならないとしましょう。そういうデザインを的確にレンダリングするには物理ベース・レンダリングが必要ですし、それをインタラクティブに行うには超高速のGPUが必要になります。
NVIDIAでは、このたび、この機能を何百万人もいるデザイナの方々に提供するロードマップを発表することにしました。関係する製品は、3つです。
- Iray 2015――GPUによる高速処理に対応したレンダリング・ソフトウェアの最新バージョンで、複数のデザイン・アプリケーションで材料を交換する機能やワークステーション1台という枠を越えるスケーラビリティ、レンダリングのスピードアップなどが新たに実現されています。
- Quadro M6000――NVIDIAが誇る最強のプロフェッショナル向けGPUで、Maxwellアーキテクチャと12GBのグラフィックス・メモリにより複雑なデザインも取り扱うことができます。
- Quadroビジュアル・コンピューティング・アプライアンス(VCA)――M6000クラスのGPUを8基搭載したスケーラブルなアプライアンスで、史上最高の速度とビジュアル忠実度を提供します。また、Irayソフトウェアを高速で実行できるよう、特別なチューニングが施されています。
この3種類の製品を組み合わせれば、さまざまな業界のデザイナに対し、いままでは一握りの人しか手にできなかったパワーをお届けできるわけです。
Irayでレンダリングされたカンファレンスルーム
インタラクティブでスケーラブルな物理ベース・レンダリングを多くの人に
NVIDIAは、1年をかけて、Autodeskの3ds Max、Maya、Revit、McNeel Rhinoceros、Maxon Cinema 4Dなどの3D生成アプリケーションに、順次、Irayを提供していく予定です。これが終われば、Iray MDL(Material Definition Language)といったIrayの各種機能を何百万人ものデザイナが使えるようになります。MDLを使うと物理ベース・マテリアルを複数アプリケーションで交換できるため、結果がおかしくなる心配をせずにツールを乗り換えられるようになります。
Allegorithmic、Old Castle、X-Riteなど、物理ベース・マテリアルが構築できるソフトウェアを提供している企業のあいだにMDLのサポートが、いま、広がりつつあります。
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