NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) と Enrique Lores 氏が、最新のモバイル ワークステーションが生成 AI をパーソナライズして高速化している現状について語り合いました。

2024 年は生成 AI がパーソナルなものになるだろうと、本日 NVIDIA と HP 両社の CEO が対談にて語りました。ここで発表されたのが、大規模言語モデルを構築、テスト、実行できる新しいノート PC です。

ラスベガスで開催された、約 1,500 の加盟店と販売店が集まるイベント、HP Amplify にて NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は次のように述べています。「これはパーソナル コンピュータのルネッサンスです。この新しいワークステーションによって、クリエイター、デザイナー、データ サイエンティストの仕事に変革が起こるでしょう」

HP の Enrique Lores 氏は、同社が「業界最大の AI PC および AI ワークステーションのポートフォリオ」と称する製品の発表に先立って、「AI はここ数十年で PC にもたらされる最大のものだ」と語っています。

スピードとセキュリティの向上

Lores 氏はこのイベントの基調講演で、AI 作業をクラウドで実行する場合と比較して、この新しいシステムはスピードとセキュリティの向上を実現し、かつコストとエネルギーを削減できると述べています。

新しい HP ZBook は、NVIDIA RTX Ada 世代 GPU の全モデルを搭載するモバイル AI ワークステーションのポートフォリオを提供します。

NVIDIA RTX 500 Ada 世代 Laptop GPU を搭載したエントリーレベルのシステムを使用することで、ユーザーは場所を問わずに生成 AI のアプリやツールを実行できます。

ハイエンド モデルには、最大 682 TOPS を提供する RTX 5000 が搭載されているため、ローカルで LLM を作成して実行し、Retrieval-Augmented Generation (RAG) を使用してコンテンツに接続し、パーソナライズされたプライベートな結果を得ることができます。

アクセラレーテッド ソフトウェアへのアクセス

新しいワークステーションでは、生成 AI の基盤となるデータ サイエンスを高速化するソフトウェアをはじめ、NVIDIA のフルスタック AI プラットフォームを利用できます。

NVIDIA とのコラボレーションで開発されたこのシステムの Z by HP AI Studio プラットフォームは、AI およびデータ サイエンス向けの GPU アクセラレーテッド ソフトウェアのカタログである NVIDIA NGC にリンクしています。NGC では、生成 AI モデルを構築、カスタマイズ、展開するためのフレームワークである NVIDIA NeMo を利用できます。

さらに、HP と NVIDIA は、NVIDIA CUDA-X ライブラリをシステムに統合して、生成 AI の基盤となるデータの準備と処理を強化すると発表しています。

データ サイエンティストのための高速化

ライブラリには、1,000 万人近くのデータ サイエンティストが使用するソフトウェアである pandas を高速化する NVIDIA RAPIDS cuDF が含まれています。

フアンは言います。「以前はデータの処理に数時間、場合によっては数日かかっていましたが、今では数分で処理できるようになりました」

さらにフアンは、「この pandas ライブラリは非常に複雑です」とも付け加え、NVIDIA エンジニアが GPU で高速化できるよう、5 年以上にわたってコードの再構築に取り組んだことに言及しました。

新時代の到来

新しいシステムと並行して、HP は NVIDIA と連携して開発したパートナー トレーニング プログラムを発表しました。これにより、コンピュータ ベンダーは顧客のニーズを満たす適切な AI 製品やソリューションについてアドバイスできるようになります。

こうしたプログラムによって産業界は、AI がソフトウェアにソフトウェアを書かせる時代に突入する道を開くことになります。

フアンはこう述べます。「私たちはコンピュータを再発明しました。私たちはソフトウェアの書き方を再発明しましたが、今度はソフトウェアの使用方法を再発明する必要があります。大規模言語モデルは、他の LLM へと接続され、アプリケーションの問題の解決ができるようになります。それが未来なのです」