「In the NVIDIA Studio」 – デジタルアート専門のケイトパーソンズ教授が次世代クリエイターをインスパイア

by Gerardo Delgado · August 24, 2022

Cinema 4D および Unity ソフトウェア、バーチャルリアリティテクノロジ、そして NVIDIA GeForce RTX GPU を使用し、ビジュアルミュージックアルバムの楽曲「How Do I Get to Invincible」のミュージックビデオを制作しました。

本ブログは、注目のアーティストを称え、クリエイティブ活動のヒントやコツを説明し、NVIDIA Studioテクノロジがクリエイティブワークフローを加速する様子を毎週紹介する「In the NVIDIA Studio」シリーズの最新号です。

ビデオを編集したり、絵を描いたり、モデルを作ったりすることができるアーティストは少なくありませんが、自分の想像力から見事な作品を生み出すためには、画期的なデザインテクノロジが必要となります。

今週注目の In the NVIDIA Studioでは、ペパーダイン大学でデジタルアートを教えている、ケイトパーソンズ (Kate Parsons) 教授が、バーチャルリアリティテクノロジと NVIDIA GeForce RTX GPU を使って「How Do I Get to Invincible」ミュージックビデオをどのように制作したかご紹介いたします。

このプロジェクトは、エレクトロニックミュージックトリオである「The Glitch Mob」のビジュアルアルバム『See Without Eyes』の一部で、NVIDIA GPU アクセラレーションを用いることにより、3D から VR へと迅速かつシームレスに移行することができました。

FLOAT LANDの設立

パーソンズ教授は、アートとテクノロジへの情熱を融合させ、ビデオ、仮想現実、拡張現実などのデジタルメディアを革新する先駆的なスタジオ「FLOAT LAND」の共同設立者となりました。

パートナーで共同設立者のベンバンス (Ben Vance) 氏を含む教授のチームは、アートとインタラクティブ性を交差させる共同プロジェクトに取り組んでいます。FLOAT LAND のチームは、魅力的な VR アート展示や未来的な AR ディスプレイをデザインしています。

FLOAT LAND は、最新の GPU 技術を利用し、クリエイティブの境界を押し広げます。写真提供：United Nude

The Glitch Mobは、『See Without Eyes』を最先端のビジュアルアルバムにすることを目指し、長年の協力者である Strangeloop Studios を起用しました。Strangeloop Studios は、「How Do I Get to Invincible」という楽曲のデジタルアートの制作を FLOAT LAND に依頼しました。そしてパーソンズ教授とそのチームは、このプロジェクトに夢のような感覚をもたらしました。

FLOAT LAND は、Strangeloop Studios と協力し、NVIDIA RTX GPU のパワーを活用することにより、「How Do I Get to Invincible」の異世界的な情景を作り出しました。

FLOAT LAND は、ケイトパーソンズ教授とベンバンス氏によって設立された、アートとインタラクティブ性の交差をテーマとする共同スタジオです。

パーソンズ教授は次のようにコメントしています。「私たちは初期から VR 分野の仕事を行ってきたため、NVIDIA GPU を活用してきた長い歴史があります。初期の VR は、米国の西部開拓時代とも状況が似ており、信頼できるシステムを持つことがとても重要でした。NVIDIA GPU を重要な装備として採用したのはそのためです。」

夢が (仮想) 現実になる場所

FLOAT LAND チームは、ビジュアルアルバムを制作するにあたって、複数のクリエイティブアプリケーションを使用しました。まずは Unity ソフトウェア内で動作するリアルタイムのビジュアルエフェクトテクノロジについて研究することから始めました。例えば、コンピューターグラフィックスツールの「Shadertoy」にインスパイアされたカスタムシェーダーを使用することで、超現実的なダークさとムーディーさを兼ね備えた多彩な映像を作るための調査が行われました。

次に、Cinema 4D (3D アニメーション、シミュレーション、レンダリングのプロフェッショナルソリューション) と Unity (インタラクティブなリアルタイム 3D コンテンツを作成し、運用する先進プラットフォーム) を使ってテスト地形を作成した後に、チルトシフト、アンビエントオクルージョン、色収差などのポストエフェクトを検討しました。また、Unity プラグインの Fog Volume 3 を使用してリッチでダイナミックな雲を作成するなど、多くのオプションを短時間で研究しました。

Unity で NVIDIA RTX GPU を使うことにより、高度なシェーディングテクノロジを利用するパーソンズ教授のチームの作業を加速させることができました。さらに、NVIDIA DLSS は、ビューポートのインタラクティブ性を向上させました。

パーソンズ教授は次のようにコメントしています。「Unity は、私たちの制作プロセスの中心にありました。望ましい仕上がりを得るために、エディタとリアルタイムの両方で繰り返し作業を行いました。一部のエフェクトは、GPU の限界を押し広げることに成功しています。GPU アクセラレーションがなければ、リアルタイムでの作業は不可能だったと思います。GPU アクセラレーションを利用しない場合は各クリップをレンダリングする必要がありますが、そうすると十倍から数千倍の作業時間がかかります。」

パーソンズ教授によると、他のあらゆる優れたプロジェクトと同様、このビジュアルアルバムは一度完成すれば終わりというものではありませんでした。FLOAT LAND は、バーチャルエンターテインメント企業の Wave 社との協力を通じ、この作品を VR 体験に生まれ変わらせたのです。Unity と GPU ネイティブのプラットフォームを用いることで、プロセスを大幅に加速させることができたとパーソンズ教授は付け加えています。

The Glitch Mob は、これを「まったく新しい音楽体験」と評価しています。

クラス最高

パーソンズ教授は、自分自身で驚異的な作品を作る以外にも、学生たちがクリエイターとして成長できるようサポートしています。教授はペパーダイン大学でデジタルアートの基本と応用や、クリエイティブワークフローを変革する新しいテクノロジの活用方法を教えています。

パーソンズ教授は次のように述べています。「多くの学生たちは、特定のソフトウェアの使い方を学ぶことに執着しています。まるでそれらのソフトウェアについて学べば、クリエイティブに考えなくても済むようになると思っているかのようです。しかしソフトウェアは単なるツールに過ぎません。」

パーソンズ教授は、あらゆることを少しずつ試してみて、何が残るかを検討するよう学生たちにアドバイスしています。「学びたいことがあるなら、3週間ほどツールを使ってみて、それが自分にとって役に立つかどうかを見極めるのが大切です。」

Vibrant Matter 提供 : FLOAT LAND

パーソンズ教授の多くのプロジェクトは、AR や VR のような新しい没入型の体験を扱っていますが、教授は Adobe Photoshop や Illustratorのワークフローなど、基礎を理解することの重要性を強調しました。「学生は、早い段階でビットマップとベクター画像の違いを学ぶことが大事です。」

パーソンズ教授は、NVIDIA GPU を搭載した複数のシステムを使って作業を行っています。例えば、教室では GeForce RTX 2070 GPU を搭載した Dell Alienware PC、ホームオフィスでは GeForce RTX 2080 を搭載したカスタム PC、外出先でのプロジェクトでは GeForce RTX 3070 Laptop GPU を搭載した Razer Blade 15 を使用しています。学生たちから「クリエイティブな学習にどのノート PC を使うのがよいか」と聞かれたら、パーソンズ教授は NVIDIA Studio 認証の PC を推薦しています。

NVIDIA GeForce RTX 2070 GPU を使用するパーソンズ教授とバンス氏のクリエイティブなワークスペース。

新学期がはじまり学校に戻るクリエイターは、NVIDIA Studio 認証のノート PC を使用すれば、うまくスタートを切れるでしょう。パワフルなノート PC は、3D モデリング、VR、ビデオや写真の編集、その他のあらゆるクリエイティブな活動のために、創造性のバックボーンを提供します。NVIDIA Studio ノート PC のタスク別の推奨製品についてはこちらをご覧ください。